緑を育てる~シクラメン 雪や霜でも花を咲かせる

クリスマスローズなど冬の植物は、寒さから自分を守る手段を持っている
クリスマスローズなど冬の植物は、寒さから自分を守る手段を持っている
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原種のシクラメン「コーム」
原種のシクラメン「コーム」
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 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第4水曜は、園芸店「平田ナーセリー」(福岡県久留米市)の松永斉大さんに、ガーデニングや家庭菜園を楽しむためのアドバイスを頂きます。

 大掃除、お正月の準備と慌ただしい年の瀬を迎えました。園芸作業どころではない、という気分ですよね。それでも植物たちは、寒さの中、一生懸命頑張っています。今月は、三つの質問にお答えします。

  庭のクリスマスローズがたくさんのつぼみをつけ、ニョキニョキと伸び出してきました。ところが、早朝に見てみると花茎の途中からうなだれています。10時ごろには元気になるのですが、病気なのでしょうか。

  霜などで凍ったときに、細胞が壊れないよう、冬に育つ多くの植物が見せる不思議な現象です。気温が氷点下に近づくと、水分を排出し、しおれた状態で凍っていきます。しかし、気温が上がると同時に水を吸い上げるため、元気な姿に戻ります。植物ってすごいですよね。ただし、早く元に戻そうとして、暖かい所に移動させたり水をかけたりするのは逆効果。慌てずに、そのまま、ゆっくりと気温が上がるのを待ってあげましょう。

  今年の2月なのですが、雪の中で、とっても小さな花をたくさん咲かせているシクラメンを見かけました。園芸店を探し回ったのですが、結局見つかりませんでした。今でも気になっています。特別な種類なのでしょうか?

  おそらく原種(野性)のシクラメンだと思われます。2月に咲いていたのであれば、コームという種類だと思います。普段、園芸店などで見かけるのは改良された園芸種のシクラメン。冬咲きの原種シクラメンは、霜にあたっても雪が降っても平気で花を咲かせてくれるのです。

 原種のシクラメンは、こぼれた種で勝手に増えていきます。面白いことに、種を覆っている成分はアリの大好物。そそくさと自分たちの巣に持ち帰っていきます。このため、アリが出入りしそうなレンガや石、コンクリートの隙間から、いつの間にか原種のシクラメンが生えてくることがよくあります。最近では流通量も増えてきていますので、専門的な植物を扱っている園芸店を訪ねると、きっと見つかりますよ。

  幼稚園に卒業記念として植えた、40年のハナモモの木が弱っています。太い幹の中は空洞。痛々しい状態です。以前のようにたくさんの花を咲かせる、良い方法を教えてください。

  樹木は枝折れや剪定(せんてい)、虫の被害でできた傷口から、腐朽菌に感染し幹が朽ちていきます。しかし、ここまで症状を悪化させた一因は、地面の硬さにあるように思われます。幼稚園や学校などの敷地は、土の質が細かく硬いことが多いです。40年という長い年月の間に、土がさらに踏みしめられて、植物の体力が衰弱してきたのではないでしょうか。抵抗力が落ちたため、病気の進行を止められず、今の状況になってしまったのだと思われます。

 患部を削ったり空洞を埋めたりと対処法はいくつもありますが、どの方法が最適かは、さまざまな意見があります。まずは植物が持つ抵抗力を取り戻すためにも、新しい根を一本でも多く生えさせることが大切。根の周りの土の環境を改善してあげることが最優先と考えます。インターネットで「樹木 再生」などのキーワードで検索し、こうした症状に詳しい樹木医や専門業者を検索し、相談することをおすすめします。


=2017/12/27付 西日本新聞朝刊=

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