子ども食堂、企業も開設 北九州のカレー店が母子家庭支援

子ども食堂の準備を進める平川ひとみさん。奥は岡本寛大さん=北九州市小倉北区
子ども食堂の準備を進める平川ひとみさん。奥は岡本寛大さん=北九州市小倉北区
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 「子ども食堂」の取り組みが九州各地で広がる中、北九州市小倉北区のカレー専門店が1月30日に「サンタさんの子ども食堂」を開設する。福祉団体や地域のボランティアではなく、企業が主体となるのは珍しい。店のスタッフ4人が運営し、毎週土曜日に開催する。

 店は小倉北区堺町1丁目の「サンタクロース亭」。店舗の営業が終わる午後2時から「子ども食堂」に衣替えする。子ども向けに作ったカレーを300円で提供。近くの公園や店舗内の掃除などを手伝った子どもには200円の食券を渡し、実質100円となる。

 子ども食堂は福岡県那珂川町で昨年12月にオープンし、今月中旬から2月にかけて同県大野城市の2カ所でも開設予定。北九州市も、自治体では初めて市内2カ所に設置する方針を決めている。

「歓楽街にも居場所を」

 「サンタクロース亭」(北九州市小倉北区)は、ランチタイムの3時間のみ営業というユニークな店だ。営業時間を絞ればシングルマザーも働きながら子育てできると考えた市内の民間企業が昨年7月、オープンさせた。西日本新聞の報道で子ども食堂の取り組みを知り、「サンタクロース亭の趣旨とマッチする」と共感。スタッフたちは小倉の歓楽街に子どもたちの居場所をつくろうと張り切っている。

 JR小倉駅から南に約500メートル。居酒屋やスナックが立ち並ぶ一角にサンタクロース亭はある。運営は、ラーメン店チェーンなどを手掛ける「コスモスグループ」(同区)の岡本堅吾会長(70)が、三男の寛大さん(39)に任せている。寛大さんもこの地区で育った。「歓楽街を抱える校区だけに、ひとり親や、親が夜、働いている同級生は少なくなかった」と振り返る。

 寛大さんは清掃会社も経営しており、数人のシングルマザーが働く。「皆、朝から晩まで働いてくれて助かるのだが、その分、子育てや家庭が後回しになっていないか心配だった」

 サンタクロース亭の営業は平日と土曜の午前11時~午後2時。仕込みと片付けを含めても午前9時~午後5時で仕事は終わる。朝、子どもたちを送り出し、夕食も一緒に取ることができる。現在、スタッフは4人。そのうちの1人で20代のシングルマザーは「子どもたちと朝や夜にしっかり触れ合うことができている」と喜ぶ。

 岡本会長は、福岡県久留米市などの子ども食堂を紹介した昨年11月7日の本紙朝刊を読み、子ども食堂の存在を初めて知った。「小倉でも子どもたちが寂しい思いをせず、ご飯を食べられるようにしたい」。準備に動きだした。

 店のスタッフ、平川ひとみさん(58)は「子どもが気軽に立ち寄れ、大人とも交流できる場にするため、PTAなど地域の保護者も参加してほしい」と願う。開店後は、地元で子どもの学習を支援するNPO法人の協力も得たい考えだ。

 サンタクロース亭は、シングルマザーを対象にフランチャイズ方式で店長を募集している。寛大さんは、「今回のノウハウを生かして、新たな店舗でも子ども食堂を設けたい」と話している。

=2016/01/09付 西日本新聞朝刊=

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