給与の格差最大3倍 スクールソーシャルワーカー 賞与、交通費もばらつき

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 教育と福祉のパイプ役として不登校やいじめ、虐待、貧困などの問題に家庭や学校と連携して対処するスクールソーシャルワーカー(SSW)の給与が、九州7県や政令市、中核市の教育委員会で最大3倍の格差があることが、西日本新聞の取材で分かった。賞与を出す市がある一方、交通費不支給の市もあった。国は2019年度までに全国に約1万ある公立中学校区すべてに配置する計画だが、SSWの給与だけでは生活が困難な例も多く、人材確保が課題になっている。

 本紙が九州7県教委と政令市・中核市教委に、それぞれで採用するSSWの待遇を問い合わせたところ、給与は福岡県が時給5千円だったのに対し、長崎県などは時給3千円、宮崎、鹿児島両県は時給2千円、佐賀県の準有資格者は時給1500円と大きな差があった。月給制の市でも、最も高い福岡市の25万8200円に対し、最も低い宮崎市は14万4300円だった。

 非常勤嘱託として週4日勤務の北九州市は、月給25万600円に加えて賞与や時間外手当も支給。厚生年金保険の適用もある。市教委は「専門職であり、市の嘱託職員でも待遇が一番いい」としている。

 多くの教委は、SSWが学校などを訪れる際の交通費を補助するが、熊本、大分、宮崎市などは「給与に含まれている」として別途支給はしていない。身分は、ほとんどの教委が非常勤の嘱託か職員だった。

 福岡市教委は「SSWは成果が非常に上がっており、待遇面を充実させてきた」。大分県教委も「処遇を改善して必要な人材を集めるため」として本年度から時給を千円アップした。

 長崎県教委は「待遇が十分とは言えない。SSWから生活の相談をされることもあるが、所得保障の事業ではなく難しい面がある」とした上で「SSWの携帯電話使用料を予算化している自治体もあり、改善していきたい」と話した。

 ある中核市の市教委幹部は「学校現場でのSSWの需要は高まっており、増員の要望が寄せられている。限られた予算の中で、人数を増やすべきか、待遇を改善すべきか悩ましい。国の財政的な支援を求めたい」と訴えた。

【ワードBOX】スクールソーシャルワーカー

 学校や教育事務所を拠点に児童相談所や医療機関、行政と連携して子どもを取り巻く問題を解決に導く福祉専門職。社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者が中心で、採用基準は自治体で異なる。文部科学省が2008年度から活用事業を導入し、都道府県、政令市、中核市を対象に人件費の3分の1を補助する。16年度は全国で1780人が活動した。来年度予算案では7500人分を計上している。一般市町村は県から派遣・配置を受けるが、人数は限られ、独自予算で採用する市町村もある。

=2017/12/28付 西日本新聞朝刊=

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