西日本新聞電子版 1周年記念プレゼント

山笠は男たちのハーモニー 九州交響楽団主幹の深澤さん、魅了され20年

「追い山」で力走し、大黒流の仲間たちと廻り止めにゴールした深澤功さん(中央)
「追い山」で力走し、大黒流の仲間たちと廻り止めにゴールした深澤功さん(中央)
写真を見る

 15日朝、「追い山」で熱気に包まれる博多祇園山笠の六番山笠・大黒流(ながれ)の男たちの中に、九州交響楽団(福岡市)の音楽主幹深澤功さん(57)=福岡市中央区=の姿もあった。山笠歴20年超の“山のぼせ音楽家”。6月に31年間務めた首席コントラバス奏者を退き、マネジメント役となる楽団の音楽主幹に転じた節目の年の祭りとなったが「山笠は舁(か)き手の心が一つになるハーモニー。楽団奏者は卒業しても山笠は体が続く限り現役で」と、変わらぬ山笠への情熱で仲間たちと息を合わせた。

 深澤さんは横浜生まれの東京育ち。国立音楽大(東京)を卒業後、フリーの奏者を経て26歳で九響入りした。山笠との出合いは30代前半。何げなく見たテレビの追い山中継に魅了された。知人の紹介で大黒流に加わったが、最初は「荒々しい雰囲気が怖く、舁き山笠に近づけなかった」。

 2年目、後押しに加わり、疾走しながらめまぐるしく交代する舁き手の動きを観察。5年目にようやく舁き棒に付くことができた。

 定位置は見送り(後方)の右肩一番棒(正面から向かって右側の一番外の棒)の台下。「演奏を低音で支えるコントラバスと似たポジションだから」という。

 多人数で協力して一つのことを成し遂げる山笠とオーケストラはそっくり。「オイサ」の掛け声が合えば足並みもそろう。舁き手の交代はあうんの呼吸。リズミカルな走りは、男たちが奏でるハーモニーそのものだ。

 この日の追い山でも、深澤さんは肩に食い込む重みに耐えながら「オイサ、オイサ」と声をからして廻(まわ)り止めまで走り抜いた。

 「オーケストラで力を尽くした演奏会を終えた時のような達成感ですね」。さわやかな笑顔を見せると、汗と勢(きお)い水にぬれた額を拭った。

=2017/07/15付 西日本新聞夕刊=

→電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]