
「祝いめでた」体操を披露する運動指導士たち。笑顔で体操すればさらにめでたい雰囲気に
「♪祝いめでた~の、若松さま~よ…」。博多祇園山笠などで歌われる「博多祝い唄(うた)(祝いめでた)」に合わせて扇子をかざし、左ひざを曲げて腰を落とす福岡市健康づくりセンターの健康運動指導士たち。その姿は伝統舞踊さながらだ。実はこれ、高齢者の転倒防止のために考案された「祝いめでた体操」。同市独自の体操で、このほど“めでたく”完成した。
●ゆったりテンポで転倒防止
考案者の健康運動指導士の山口靖子さん(48)たちは「生活に浸透している曲を体操に」と、地元で歌い継がれている博多祝い唄に着目。そのゆったりとしたテンポに、高齢者もリズムを取りやすいと考えたという。太極拳やフラダンスの動きも取り入れた。踊る感覚で楽しめるよう、扇子を使うのも特徴だ。立ってやるのと座ったままでもできる2種類がある。
記者も歌いながら挑戦してみると、動きはゆっくりとはいえ腰を深く落とすため、太ももやふくらはぎにじわりと負荷がかかり、約3分間の体操後には身体が芯から温まった。
同市介護保険課によると、市内で介護を必要とする人(要介護認定者)は4万3262人で、65歳以上の被保険者23万369人の18・8%を占める。その割合は17政令市の中で4番目に高い。
介護を受けるきっかけになりやすいのが転倒によるけが。そのため市は介護予防事業として「自宅でもできる福岡らしい転倒防止体操を」と同センターに委託した。体操は4月から市内各校区の健康教室などで教える。
山口さんは、高齢者の転倒を防ぐには、脚の筋力を鍛えることが重要という。昨年9月から3カ月間、この体操を同市の高齢者100人を対象に試験的に実施。その結果、障害物をまたぎながら10メートル歩く脚の筋力テストで、ほとんどの人のタイムが縮まった。
挑戦した同市中央区の石村伸男さん(63)は、博多祇園山笠の東流のメンバーで「節目に必ず歌う博多祝い唄の体操なので親近感がある。扇子も格好いいね」と話す。
楽しく取り組んでほしいという思いから生まれた祝いめでた体操。扇子を手に笑顔で取り組めば、健康と福を一度に呼び込めそうだ。 (地域報道センター・河津由紀子)
=2009/02/19付 西日本新聞夕刊=