グループごとに作成したポスター案の前で、写真に納まる参加者たち
JR博多駅(福岡市博多区)の周辺地区を対象とする「博多まちづくりワークショップ」の2回目は、地域の目指す将来像を表現する「ポスター作り」。駅前の専門学校九州デザイナー学院を会場に、住民や企業、同校学生ら約50人が、立場を超えて取り組んだ。
「まちづくりの機運を高めるため、ポスターを地元に向けて発するメッセージにしましょう」。講師の大分県日田市観光協会事務局長佐藤真一さん(41)は最初に参加者にこう呼び掛けた。
周辺町村と合併して誕生した新「日田市」は昨年、地元の良さを見つめ直そうと住民の手でポスターを作った。佐藤さんはこの体験を基に「作業を通して『まちづくりは大切。暮らしの中の優先度が高い』と思う人を増やすのが狙いです」と、今回のワークショップが持つ意味を解説した。
■共感が広がる
ポスター作りの下地になったのは、博多駅地区まちづくり推進組織準備会が1年かけて検討し、考案した「にぎわいある文化都市」「進化する交流都市」「多様性ある共生都市」の三都市像。いずれも博多の街の特性が盛り込まれている。
参加者に与えられた課題は、3つの都市像をかみ砕いて分かりやすく、そして印象深く伝えるポスターの作成だ。初対面同士の集まりで硬かった会場の空気は、議論が始まるとすぐに和んだ。まちづくりに対する真剣な思いが結束を固める。
「英語表記にして『国際都市』を強調したらどうか」「『前進する街』のイメージを言葉に込めたい」「方言を用いたら効果的ではないか」。意見も活発に出た。東住吉校区の民生委員小嶋和子さん(61)は「まちづくりに対する考え方は学生も私たちと同じ」と共感を得た喜びを口にした。
■成功体験重ね
「カイガイしいまち HAKATAにかたろう」「HOTホッと 交流(あじわい)の都市(まち)博多」「ススメハカタ」-少人数グループに分かれた参加者が、次々にポスター用のユニークな文言を挙げた。「街に親しみがわいてきた」という金子恵介さん(23)らデザイン専攻の学生が、文言を取り込み、住民らの意向を受けて巧みに図案にまとめていく。
企業の立場で参加した西日本シティ銀行福岡地区本部部次長の田中亘さん(47)は「学生は自分の考えを飾らず話し、地域を良くしたいという住民の強い思いも伝わった」と1日の作業を振り返った。ワークショップの進行をしたファシリテーターの田坂逸朗さん(43)は「ポスター作りはまちづくりのミニチュア版。成功体験を積み重ねていくことが、まちづくりの組織を強くするはずです」と締めくくった。紙面で紹介した「ガイドライン」「ポスター制作」のワークショップの成果は26日のシンポジウムで披露される。
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▼博多千年の都市(まち)フォーラム・まちづくりシンポジウム「夢ひびきあう街に」 26日午後1時半、福岡市博多区の博多全日空ホテルで。建築史家の橋爪紳也氏が「集客都市戦略-合意形成とルールづくり-」の題で基調講演。唐池恒二・博多駅地区まちづくり推進組織準備会会長と対談も。入場無料。問い合わせは西日本新聞社企画推進部=092(711)5491。
=2008/03/20付 西日本新聞朝刊=