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山笠ニュース

【連載】赤手拭(てのごい)動く 博多祇園山笠<4>次世代 一人前に憧れて

2009年06月25日 14:21
父親の畑努さん(右)に帯を締めてもらう圭吾さん
父親の畑努さん(右)に帯を締めてもらう圭吾さん
 西流の舁(か)き手たちの地鳴りのようなかけ声に包まれる。博多中3年の岡崎大地(14)=福岡市博多区冷泉町=は目頭が熱くなった。昨年7月の朝山。町内の赤手拭(てのごい)に教わった通り、山台に飛び乗る。下から両手を大きく振り、舁き手を鼓舞した。名誉ある台上がり。「一生山笠に出続けたい」と心に誓った。

 同じ月、同級生の畑圭吾(14)=同区下呉服町=は恵比須(えびす)流の舁き山笠の後ろ側の舁き棒に体を滑り込ませた。想像以上の速さに足がもつれ、舁き縄をつかみ、何とか体を支える。赤手拭で父親の努(39)に習ったように呼吸を整え、ついていけた。

 2人の町内は中学生から若手として、山笠デビューができる。大人への第一歩を踏み締めたばかり。流は違えど、日々、大人への畏敬(いけい)と仲間入りした喜びを感じる。中でも、現場を仕切り、山笠を熟知した赤手拭はあこがれの存在だ。

 「返事はハイやろが」「ちゃんとあいさつせんや」。圭吾は父に日ごろから厳しく注意される。思春期の10代。「うるさいな」と言い返したことも。が、山笠では反発の虫が消える。若手に的確な指示を出し、率先して働く「先輩」。「早く追いつきたい」と願う。

 子どもたちの成長に大きな影響を及ぼしてきた山笠。組織の上下関係や礼儀作法の大切さを教えてきた。

 「本人がすべきことを親がして、子どもが甘えることがある。しかれない親も増えた」。恵比須流の元取締で、博多小中の父親でつくる育成組織「はっぱの会」会長の瀬戸浩隆(46)は最近、親子関係の変化を感じる。
 だが、山笠では「斜めの関係」がカバーしているという。子が親にぞんざいに接すればしかり、長所はほめる。親子の縦の関係だけでなく斜めから手を差し伸べるのだ。

 7月14日の流舁きで、大地は幼いころからあこがれていた「櫛田入り」の練習で山笠を舁く。与えられた役割をこなし、「期待に応えたい」という思いを積み重ね、赤手拭のような一人前の存在に一歩ずつ、近づく。 (敬称略)

    ×      ×

 ▼台上がり 主に山笠への貢献が認められた者が担当する。舁き山笠の前方と後方に座り、舁き手を指揮する。7月11日の「朝山」では、流の長老や若手などが台上がりする。同13日の「集団山見せ」では、地元の知名士も務める。


=2009/06/24付 西日本新聞朝刊=

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