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博多っ子学者山のぼせ研究 京大・杉万教授 祭りと人間関係調査

2009年07月14日 12:55
博多祇園山笠について現地調査を進める杉万俊夫教授(左)
博多祇園山笠について現地調査を進める杉万俊夫教授(左)
 福博の夏を熱くする「博多祇園山笠」。768年の歴史と厳格な「縦型」の組織で知られるこの祭りが、地域社会の維持や活性化にどのように貢献しているのかを「集団力学」という学問で分析する研究が進んでいる。取り組んでいるのは、福岡市博多区出身で京都大総合人間学部の杉万(すぎまん)俊夫教授(58)。「多くの都市で失われつつある地域のつながりを再生するヒントを探したい」と張り切っている。山笠を学問の対象とした例は過去にもあるが、博多っ子の研究者によるものは珍しいという。

 集団力学は、集団における人々の行動や思考などが研究対象。杉万教授はこれまで現地調査の手法を中心に、組織や地域を構成する人の行動が、お互いや所属グループに与える作用を調べ、最終的な社会への影響を探ってきた。

 博多区で育ち、小学生までは山笠に出ていた教授。研究者となってからも帰郷して山笠を見るたびに、この祭りが「地域の結び付きを強めていることを実感した」。今回の調査は、まちおこし団体「ハカタ・リバイバル・プラン」会長で知人の立石武泰さん(57)=同区=の勧めもあり、取り組むことを決め、6月から現地に入っている。

 研究は4、5年続ける計画。今年は約1カ月かけて基礎的な情報を集める。まずは祭り期間中の流(ながれ)の行事や準備風景をビデオで撮影。参加者に動機や年代、出身地を尋ねるアンケートも行い、流の実態を把握する。同時に、女性の共同研究者が「ごりょんさん」と呼ばれる男衆の妻たちと行動を共にし、炊き出しなどを実体験しながら、女性の役割も調べるという。

 杉万教授は「山笠が、福岡全体にとって持つ意味を政治、経済、歴史的に分析したい」と話す。博多祇園山笠振興会の瀧田喜代三会長は「博多出身の方が祭りの研究を始めたことは喜ばしい。成果が、山笠のさらなる発展にもつながってほしい」と期待している。

=2009/07/13付 西日本新聞夕刊=

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