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山笠ニュース

祭りに飛び込み1ヵ月半 伝統実感、手一本で感涙 一番山笠・東流 新人記者が体験

2009年07月16日 18:37
気合を入れ、必死の形相で櫛田入りする一番山笠・東流=15日午前4時59分、福岡市博多区の櫛田神社
気合を入れ、必死の形相で櫛田入りする一番山笠・東流=15日午前4時59分、福岡市博多区の櫛田神社
山笠の舁き出しを待つ渡辺展彬記者(前列中央)
山笠の舁き出しを待つ渡辺展彬記者(前列中央)
 15日の「追い山」で最高潮に達した博多祇園山笠。最後を締めくくる行事が福岡市博多区の各所で行われた。博多まちなか支局では、静岡県出身で博多も山笠も初体験という新人記者を一番山笠・東流の御供所3区(同区御供所町)に参加させてもらった。約1カ月半、祭りに飛び込んだ記者が実感したのは、町に息づく伝統の重みと達成感だった。 (博多まちなか支局・渡辺展彬)

 「まさか舁(か)けるとは…」。追い山の「櫛田入り」が終わり、舁き山笠は国体道路を大博通りへ向かう。舁き手の背中に近づき、思い切って肩をたたく。「代わってくれた!」。左肩を滑り込ませる。舁き棒を体で支えると、山笠と一体になれたように感じた。

 「オイサ、オイサ」。見よう見まねで覚えた掛け声を口にした。自然と足が前に出る。わずか1、2分。それでもフィナーレの追い山で果たせた大役に血が騒いだ。山笠に懸ける男たちの思いが少し分かった気がした。

 山小屋の建設地を清める「小屋入り」の神事が山笠体験の幕開け。修羅場をくぐったおいしゃんたちの鋭い目つきに緊張した。長法被を着て準備のために早めに現場に入る。まごつけば町に迷惑がかかる。自然と背筋が伸びた。

 緊張がほぐれてくると、町内は、笑い声があふれて和やかなことに気付いた。行事の準備になれば、仕事は的確で迅速。社会人1年生としては、直会(なおらい)も勉強になった。酒や料理は上座から並べる。若手は常に気を配り、空いたグラスがあれば、すぐにビールを注ぎに向かう。「瓶は、銘柄が見えるように持って、片手は注ぎ口にそえて」と指導を受けた。気配りの大事さが身に染みた。

 10日は町内を回る流舁き。舁き棒を後ろから押す「後押し」に入った。2列目以降は、前列の腰の部分を両手で押すという基本を教わった。力加減で山笠は蛇行することもある。直進させることの難しさを実感した。翌11日の町外まで出向く他流舁きでは、勢い水を走りながらかける水当番を勉強。「絶対に人形にかけるな」と先輩。細心の注意を払ったはずが、勢い余って町内のごりょんさんに水をかけてしまい、「こらっ」と怒られる始末。

 「東」の水法被を身に着けた男衆が一丸となった祭り。終了後は山小屋での手一本で締めた。今までにない達成感に「来年も出たい」。強い思いが込み上げた。肩の痛みも喜びに。思わず目が潤んだ。未熟な新人を快く受け入れてくださった御供所3区のみなさん、本当にありがとうございました。


=2009/07/16付 西日本新聞朝刊=

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