【社告】24日から聞き書き新シリーズ 倫と輝く 元割烹博多芝居「福岡家」女将 大野 二三四さん
2010年10月22日 17:40
6面掲載の聞き書きシリーズは24日から、新シリーズが始まります。元割烹(かっぽう)博多芝居「福岡家」の女将(おかみ)で、政策提言活動を続けるNPO法人「ばさらの会」代表の大野二三四(ふみよ)さん(88)=福岡市博多区=の「倫(りん)と輝く」です。
大野さんは、長崎県壱岐の農家に10人きょうだいの長女として誕生。1944(昭和19)年に女性として初めて速記士1級国家試験に合格し、立命館大学総長や元法務大臣の速記者兼秘書を務めました。
壱岐周辺では当時まで、漁師たちの尊い命が奪われる海難事故が相次ぎ、地元住民らが何度も国に灯台設置を陳情していたのですが、実現には至っていませんでした。そこで、壱岐に戻った27歳の大野さんは「ぜひ私に灯台の明かりをつけさせてください」と、国の関係機関に直談判を重ねます。その結果、7年間で5基もの灯台設立を実現させたのです。この行動力が買われ、長崎県議会議員に選出されました。
65年、福岡市に居を移し、割烹博多芝居「福岡家」を開きます。店を訪れたお客さんの顔に化粧をし、役者に変身させ、舞台に登場させたのです。このユニークな試みが話題となり、店名は全国に知れ渡り、博多の観光ルートになりました。
表題の「倫と輝く」には「人が修め守るべき姿勢を貫き、灯台のように漆黒の闇に煌々(こうこう)と輝く明かりでありたい」という大野さんの願いを込めています。
波乱に満ちた大野さんの半生を、編集委員の山形紀子が聞きます。
=2010/08/23付 西日本新聞朝刊=