

文字と絵画を用いて巻子に物語などをあらわす絵巻は、日本において豊かな展開を遂げた芸術の代表例といえます。この展覧会では、京都国立博物館の全面的なご協力により、同館の所蔵品および寄託品を中心として平安時代から江戸時代にいたる国宝・重文の絵巻20数件を展示し、独特の表現手法をもつ日本の美術と文学の織りなす魅力的な物語絵巻の世界をご紹介いたします。
絵巻のはじまりと言われる「絵因果経」(国宝、京都・上品蓮台寺蔵)をはじめ、絵巻の制作が最も隆盛を極めた平安時代から鎌倉時代にかけての名品「粉河寺縁起」(国宝、和歌山・粉河寺蔵)や、「華厳宗祖師絵伝」(国宝、京都・高山寺)や「一遍聖絵」(国宝、神奈川・清浄光寺蔵)など日本を代表する高僧絵伝と、「桑実寺縁起絵巻」(重文、滋賀・桑実寺蔵)などの社寺縁起の名品、「百鬼夜行図」(重文、京都・真珠庵)など説話を題材にしたものなどを選りすぐってご紹介いたします。
この展覧会では、歴史に刻まれた150の名場面を通して華麗なる絵巻の世界をご覧いただき、多様な表現を追究した日本美術の豊かさをお楽しみいただきたいと考えます。
