優勝監督のひとこと

金鷲旗高校女子柔道で7度目の優勝
柳川高校監督河野満男さん

 二年ぶり七度目の優勝だが、笑顔は見せない。選手たちとの合同記者会見でも「もちろん勝利はうれしい が、まだまだ勉強する点が多い」と表情を引き締め、それぞれの選手の課題を次々と挙げた。

 金鷲旗の女子団体戦が始まった平成二年から六連覇。昨年こそ優勝を逃したものの、「常勝柳川」の指導 者は選手をほとんど褒めない。「褒めると、選手たちはすぐにてんぐになる。常に上の柔道を目指してほし いから」という。

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 優勝を決めた日も午後から、選手たちを福岡市内の大学に送り、約二時間半練習させた。「次の目標の全 国高校総体が八月にある。休む余裕はない」ときっぱり。

 とはいえ、「鬼監督」に対する選手たちの信頼は絶大。優勝後の記者会見で厳しいことを言われても、表 情をこわばらせる選手は一人もいなかった。

 そのきずなの深さを支えているのが、選手一人ひとりに毎日書かせている「柔道日記」。柔道に関するこ とはもちろん、健康の問題などあらゆる悩みをこの「日記」で受け付けて、指導・対応に生かす。

 選手たちが暮らす福岡県柳川市の学校敷地内の合宿所(寮)に自分も寝泊まりする。一日四時間の練習が 終わり、合宿所に戻れば、鬼監督は「おやじ代わり」に徹する。沖縄、鹿児島など遠方から来ている選手た ちの、親元を離れた心細さを少しでも解消してやるためだ。

 「合宿所では、選手たちの自由にさせて、そっと見守るようにしている。柔道のことはめったに話さない し、これでも気を使っている」

 柔道に打ち込む教え子たちが、日本、そして世界を代表する選手になることを願う鬼監督は、こうも付け 加えた。「指導者として一番大事なのは、選手たちに柔道を通じて忍耐力や頑張る心を身につけさせること だ」。妻と一男一女の四人家族。四十四歳。