
●東海大五・中村兼三●
▼メモ
昭和48年10月18日生まれ。177センチ、71キロ、福岡市出身。得意技は内また、大外刈り。
高校柔道界で活躍を続ける東海大第五には、五年前の中村佳央(現東海大三年)以来、行成(同一年)、兼三と「中村三兄弟」が相次いで入学。ことしは末弟の兼三が、二人の兄の果たせなかった金鷲旗制覇を目指して、チームを引っ張っている。
長男佳央は一年生から金鷲旗に出場。2、3、3位が三年間の成績だ。二男行成は二年生のときに3位、三年生の昨年は、兼三も一緒に出場したがベスト8止まり。優勝の夢は兼三に託された。
兼三は、佳央が金鷲旗に初めて出場したときのことをはっきりと覚えている。
「出場校が多くて圧倒された。この大舞台に自分も出場したい」。当時中学一年だった兼三は、観客席で試合場に立つ自分の姿を思い描いていた。
兼三は、先を行く兄たちをしっかりした足取りで追っている。道程は決して平たんではなかった。同校のチームリーダーは一年の終わりごろから頭角を現すケースが多いという。兼三は”遅咲き”だった。
昨夏の金鷲旗には出場したが、インタハイではメンバーに入れなかった。秋から冬にかけての”全国転戦”で力を付け、正選手の座を不動のものにした。「この期間で一番伸びた選手」と森山誠監督を喜ばせた。
東海大の兄弟校などから約百人が参加した東海大相模高(神奈川県)での「年越し合宿」。兼三は、8キロマラソンでトップでゴールし、精神力の強さを示した。森山監督は「兄たちを見ながらコツコツと練習を積み上げた結果が出てきた」と兼三の頑張りを高く評価している。
神奈川県にある東海大の寮から、兄たちの激励の声が届いた。「金鷲旗で優勝し、目標にしていた二人を超えたい」。静かな語り口に末弟の闘志があふれていた。(手島)