佐藤記者佐藤記者の読書歴

1月22日

佐藤記者
「ベルセルク」1巻
最近、書店でやたらとシリーズで平積みしている青年系マンガ。面白くないので、2巻以降は断念
「つい誰かに話したくなる雑学の本」
「基本英単語を使いこなす」
「聖者が町にやってきた」
ヤン雑で紹介したので、ついでに読んでみたらボーイズ・ラブ系だった。ちょっと恥ずかしい
「からだによい赤ワイン読本」
「大陸の嵐」
ファンタジー物。インタビューした作家の作品
「姑獲鳥の夏」
いまさらながらの京極夏彦

2月3日

佐藤記者
小林よしのりと井沢元彦の対談「朝日新聞の正義」(小学館)
 「ゴーマニズム宣言」の小林よしのりと、元TBS記者で作家の井沢元彦の対談を編集した1冊。バリバリのアンチ朝日の両人による、朝日の「ペロリッ化けの皮を剥いでやる!」言〜たい放題の本です。子供の喧嘩みたいで笑えるのですが、彼らの立場は非常に明確で、分かりやすい。中にはマスメディアの側としてズキーンと胸に痛い指摘もあったりして(作中では「朝日の」と表現されているけど)、まずまず興味深く読みました。でも、本棚に1冊、という感じの本ではありません。
「シーメールレッスン」(情報センター出版局)
  紙面でホモセクシャルをテーマにした週1回の連載をしている、と言ったら出版社の知人が送ってくれた本。作者はSF作家で、性的には男も女もシーメールもOKというツワモノの松本富雄。女子とは中3、男性とは高1で経験済みで、ビョーキ関係も一通り体験ありらしい。シーメールは英語の「SHE(彼女)」と「MALE(男)」の合成語で「ペニスをもった女の子」の意味だそうで、彼女たちの生態や心理などを、広い交友関係をいかしてルポした作品。かなりイロモノ的な作品ではあるけど、業界の様子が赤裸々に分かる。でも、サブカルチャー系の娯楽作品として読むべし。
「接触」(講談社)
パトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズ第8弾。とりあえず、発売た んびに買ってしまう作品。何で毎回、毎回、スカーペッタは、単なる検屍官では なく、深〜く、深〜く事件のコアに関わってしまうのか? 顔と手足のない死体 が大量に(?)出てくる今回、まずまず読ませてくれたかな?

2月17日

記者1
CROSSROAD〜20代を熱く生きるためのバイブル(サンクチュアリ出版)
 平均年齢二十四歳のベンチャー企業SANCTUARY監修の1冊。編集を担当している西日本新聞の若者面「ヤング雑記帳」の1コーナーに面白いと投稿があり、取材ついでに読んだ本。この本のテーマは若さと「自由」。タイガー・ウッズとか尾崎豊、マドンナとか、20代の監修者たちが選んだ60人の著名人たちの20代のころの名言と、監修者たちの青くて激しい言葉を綴った「20代の詩」を編集してます。熱く、無限の可能性を信じさせてくれる「自由」が眩しいほどですが、もうこれを信じてがむしゃらに進には、タイムリミットが……、と焦らせられます。タイガー・ウッズが「一番大事なのは、肝心な獲物を捕らえるときのイメージなんだ。獲物のイメージがはっきりしているほど、エネルギーもパワーも湧き上がってくるのさ」と言っていたりして、けっこう触発されたりしますが。
 まあ、一読の価値あり?

3月1日

記者1
星の王子さま」(岩波書店)、「星の王子さまのはるかな旅」(求龍堂)
 「星の王子さま」(岩波書店)

 ご存知、サン=テグジュペリの名作、永遠のベストセラーといわれる1作で す。取材の関係で、十年ぶりぐらいに読んだんですが、毎度毎度、いろんなとこ ろが新鮮に思える作品です。よく「童心を失わなかった大人が描いた作品」など といわれますが、個人的には「大人が失いたくなかった、かくあるべき童心を描 いた作品」だと思います。女性には、馴染み深い作品ですが、男性には本当に縁 遠い作品のようですね。でも、かの「ルバイヤート」に通じる奥行きがある1作 だと思います。食わず嫌いでずに、生涯に1度は読んでもいい1作では? 西暦 2000年は、サン=テグジュペリの生誕100年、再び大ブーム到来の予感で す。

 「星の王子さまのはるかな旅」(求龍堂)

 こちらも取材で…。サン=テグジュペリの研究者で知られる山崎庸一郎氏が執 筆、監修し、カメラマンの小野規氏が美しい写真を添えている作家本です。日本 では童話作家ぐらいにしか思われていないサン=テグジュペリですが、フランス では著名で、50フラン紙幣にもなっている夏目漱石クラスの人物(ちょっと大 袈裟?)です。彼の生涯や、作家でありパイロットであった彼が飛び回った縁の 地を紹介した1冊。第2次世界大戦中に、偵察機を操縦して出撃し、コルシカ島 沖で行方不明になったままのドラマチックな彼の人生の幕引き、そしてその死後 も、彼の乗った機体を探し求めるフランス人のドラマなどがコンパクトにまとめ られ、大変読みやすく、かつ読みごたえのある本です。お勧めです。


4月1日

記者1
『暗い森』
 某A紙が、酒鬼薔薇事件の発生から検証までを報じた記事に、加筆、修正して出版した1冊。内容うんぬんより、やっぱりスゴイ事件だったなぁという純粋な感嘆と同時に、勝手に踊って、勝手に事件を大きくした感のあるマスコミの格好悪さと煩悶を再認識した本でした。

 現在、あの福島次郎の「三島由紀夫−剣と寒紅」(文芸春秋)を読んでるところ。実は三島フリークのわたくし。けっこう、スゴそうで楽しみ…。


4月27日

記者1
「ラブ・スタイルズ」(講談社)▽「宗教世界地図」(新潮文庫)▽「三島由紀夫−剣と寒紅」(文芸春秋)
 「ラブ・スタイルズ」(講談社)  かの少女マンガ家・惣領冬実が筆をとった、何と恋愛のハウツウ本。講談社が「新生活提案書/Kハード」ってシリーズでいろんなジャンルの実用書を月々シリーズで刊行してる、その1冊。取材用に買ったんだけど、レジに持っていくのはかなり勇気がいった。「彼の心をつかみたい貴女に」とか「愛されるためのルールを教えてあげる!」とかのフレーズがついていて、こんなの買って許されるのは思春期の女子高(中?)生ぐらいな気がする。内容は、惣領女史の名作「ボーイフレンド」(全10巻、第33回小学館漫画賞受賞)、「3」(全14巻)、「彼女がカフェにいる」(全6巻)、「MARS」(既刊6巻、以下〜)の4大作を読み解きながら、恋愛の傾向と対策、心構えなんかを延々と綴ってる。フィクションを御手本に、現実の恋愛をしろ、といわんばかりの奇妙な恋愛参考書です。一応、あとがきなどによると、4大作は、すべて惣領女史の体験をもとに描いているのだから、作品には女史の教訓がてんこ盛りだそうだけど……。

 惣領女史、マンガの方は花まるつきでお薦めします。登場人物が若い(高校生とか、ときには中坊が、めっちゃマセた恋愛をする)んで抵抗はあるけど、作家本人も「青年誌でやりたい」っていってるくらい、内容的には大人にも読ませます。「ボーイフレンド」は専門用語のかけらも登場しないバスケ物、「3」はバンド物、「MARS」は学園物とバイクレースが半々って感じです。「彼女カフェ」はちょっとイマイチか……。

 「宗教世界地図」(新潮文庫)  時事通信記者・石川純一氏の著作。混沌の21世紀のキーワードは「宗教」だ、というコンセプトで、世界情勢を宗教から読み解いている。イスラム原理主義っちゃ何ね? ロシア正教は? ラマ教って、どうなってんのん? などなど単純な疑問から宗教がらみの紛争の構図までが何となく分ってくる。「宗教がわからなければ、世界はわからない。国際情勢の潮流が32枚の地図で見えてくる」というのが腰帯のフレーズ。つられて買ったけど、まずまず、かゆいところに手が届く1冊でした。

 「三島由紀夫−剣と寒紅」(文芸春秋)  予告通り、三島本の感想文。読んで後悔する本って時々あるけど、これは、まさにその筆頭にあげます、最近の。三島の手紙を作品中で無断公開したっていうので、三島の遺族が「そりゃ、著作権の侵害だ」と東京地裁に訴え、地裁が「手紙を著作権法上の著作物」と認めて、この本の回収を命じたわけだけど。地裁の判決には、ものすごく疑問を感じるし、むしろ、どうして出版社は控訴しないのか不思議なんだけど、感情的には原告側に傾いてて「回収で正解だ」と思ってしまうから複雑だ。つまり、それだけイヤな作品だったってことですね。別に三島がゲイで、作中ねちゃねちゃのへろへろでも少しもかまわないけど、むしろ作者の福島氏の人格について、一体こいつは何モンや?!といいたくなる、そんな1冊でした。三島伝ではなく、福島氏の私小説(日本的)と理解して読むしかありませんが、それにしても醜悪というか……。

 


6月24日

記者1
「爆貧菌」△「スーパーラヴ」△「『レズビアン』である、ということ」
 ◆「爆貧菌」(情報センター出版局)
 「全国貧乏人生息報告」の副題がある。97年にハドソンのプレステ用ゲームソフト「桃太郎電鉄7」の貧乏神キャラクターにちなんだキャンペーンで「環太平洋ボンビー大賞」を募集したそうで、その中の究極の「貧乏人」たちを紹介している。実にゴージャスな話から、クスっと笑える話、笑えない話までさまざま。あまりにも馬鹿馬鹿しい企画だけど、単純に笑える。人間どんなやっても生きていける、という自信を明るく教えてくれえる本かも知れない。出版社によれば「不景気、リストラとサバイバルが要求される世の中。かなり売れてます」とのこと。ホントかいな。でも、ビンボーを笑えるようになったら幸せだ。学生のころは、よくビンボー比べをしている男の子たちがいたけど、彼らは実に楽しそうだった。

◆「スーパーラヴ」(祥伝社)
 ゲイで女王様の伏見憲明サンが描く「ゲイだから見える恋愛テク」。「これまたAVビデオとかの影響で、無理やり口に突っ込むと、オンナはよがりまくるといった神話が、少年たちの間で蔓延しつつあるのだろう。そういうパターンのAVって多いじゃない? まったく困ったもんだ」などなどの、話がサラサラ書かれていて面白い。弊紙が誇る変態風俗専門記者の横尾誠氏も「ええオンナや」といっている斉藤綾子も激賞!という1冊。芸能界ネタも1章分あり「有森・ガブ組と、ヒロミ・友里恵組の明暗」とか「反町隆史とジャニーズ事務所と乳首の関係」などなど。同性愛物は、どうしても超堅・堅路線か、イロモノ軟派路線かに偏ってしまいがちだけど、伏見サンの作品はけっこう突き抜けたとことがあって、よい。デビュー作の「プライベート・ゲイ・ライフ」は、業界ではかなり読まれた1冊だ。ゲイ文化に触れるためには、1度は読むべし。

◆「『レズビアン』である、ということ」(河出書房新社)
 実は、最近読んだ本ではないのだけど、伏見サンの作品に触れたので、ついでに超堅・堅路線のお手本を1作。新聞紙面で同性愛をテーマにしたコラム「彼と彼 彼女と彼女」(毎週火曜日朝刊)を連載中で、この手の本はかなり読んだ。「レズビアン」である…、の作者は、マスメディアでカムアウトした最初の人といわれる掛札悠子サン。とにかく真面目で、堅い本だけど、同性愛者の内面の問題から、社会制度の矛盾や差別……と、広範囲に硬派に書き込んだバイブル的な本。根性がある人は読んでみては? この手の本は、人間が人間らしく、正直に生きることの意味を間接的にだけど、教えてくれる。

【言い訳】8月からハワイ大に留学することになり、準備に忙しい。ということで最近、読書録の更新がお留守になっている。実は、読んでる本も「英語は定冠詞だ」とか「600点突破 今日から始めるTOEFL」などのほか、英語や英作、英文レターの書き方、山のような辞典類(実は辞書フェチ)と、およそ受験生の必須アイテムみたいで人様に報告するほどもない、という状況なのである。あとは、紙面で「九州漫画家図鑑」(毎週金曜日連載)という企画をやっているので、取材する作家の作品をようよう読んでるぐらい。コーナーの担当者から再三の勧告を受け、ついに「メンバー交代」をほのめかされ、あと一カ月なんで出国するまで頑張ろうとは思ってはいるが…。7月後半からは後輩にチェンジ、老兵( ̄_ ̄;)は去る。

 


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