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1月26日 キャンプシーズン到来 1月27日 31日から宮崎キャンプ 1月31日 キャンプ今日スタート 1月31日 キャンプ本番へ |
2月1日 初日、観衆ゼロ 2月2日 脱落者なし、監督ご満悦 2月3日 レギュラー争いピンチ 2月4日 GK小島「夢にまで出る」 |
●キャンプシーズン到来
2000年1月26日付 朝刊
宮崎県/プロ野球、Jリーグの17球団 キャンプシーズン到来
昨年より6チーム増 韓国リーグからも県内で春季キャンプをするプロ野球とJリーグ各チームの日程が決まった。二十五日から宮崎市でキャンプインしたJ1鹿島アントラーズを皮切りに、三月上旬まで合計十七球団が宮崎入り。開幕に向けた準備に入る。プロ野球セ・パ両リーグの四チーム、Jリーグ十一チームに加え、韓国のプロサッカーリーグの二チームも参加し、昨年より六チーム増える。
【野球】北浦町に実家がある工藤公康投手が入団した巨人は三十一日に一、二軍選手が到着。ともに二月一日から、恒例となった宮崎市で約一カ月間のキャンプに臨む。二軍は今年から清武町総合公園でトレーニングする。広島は、若手が二月一日から、主力選手は同十五日から、日南市で。
延岡学園高の宮本大輔投手が入団した近鉄は、二軍が二月一日から、一軍が同十四日から、日向市でスタートを切る。ヤクルトは今年から一軍キャンプが沖縄に変更されたため、西都市では二軍選手だけが汗を流すことになった。【サッカー】二年ぶりとなる鹿島に続き、三十一日には、ぎりぎりでJ1に残留したアビスパ福岡と、あと一歩で昇格を逃したJ2の大分トリニータ、昨季J2で優勝し今季から一部に昇格する川崎フロンターレが到着。
二月以降も天皇杯を制した名古屋グランパスエイトをはじめ、ガンバ大阪、セレッソ大阪などJ1の上位チームが続々登場。昨年の天皇杯1回戦で地元本田ロックと対戦したベガルタ仙台などJ2の四チームも、宮崎の地から昇格を目指す。また、韓国Kリーグから蔚山現代ホランイ、水原三星ブルーウィンズの二チームが、韓国チームとしては三年ぶりに宮崎入りする。
●県内プロ球団春季キャンプ日程 【プロ野球】 巨人(一軍)2月 1日―2月27日 宮崎市営球場 (二軍)2月 1日―3月 2日 清武町総合運動公園 広島(主力)2月15日―3月 1日 日南市天福球場 (若手)2月 1日―2月23日 日南市総合運動公園野球場 近鉄(一軍)2月14日―3月 3日 日向市お倉ケ浜総合公園野球場 (二軍)2月 1日―3月 3日 日向市大王谷運動公園野球場 ヤクルト (二軍)2月 7日―2月28日 西都市西都原運動公園野球場 【Jリーグ】 鹿島 1月25日―2月 4日 宮崎市国際海浜エントランスプラザ 福岡 1月31日―2月12日 宮崎市県総合運動公園陸上競技場 大分(J2)1月31日―2月 9日 延岡市西階運動公園陸上競技場 川崎F 1月31日―2月 6日 綾町錦原運動公園サッカー場 名古屋 2月 7日―2月20日 宮崎市シーガイア多目的広場 G大阪 2月 8日―2月19日 綾町錦原運動公園サッカー場 仙台(J2)2月 8日―2月19日 宮崎市県総合運動公園陸上競技場 C大阪 2月11日―2月17日 西都市清水台総合公園サッカー場 大宮(J2)2月17日―2月25日 西都市清水台総合公園サッカー場 新潟(J2)2月22日―3月 5日 宮崎市シーガイア多目的広場 札幌(J2)3月 4日―3月11日 宮崎市シーガイア多目的広場 【韓国Kリーグ】 水原三星 1月26日―2月10日 宮崎市シーガイア多目的広場 蔚山現代 2月 9日―2月26日 宮崎市国際海浜エントランスプラザ
●プロ球団の春季キャンプ地 ここをクリック
●31日から宮崎キャンプ
2000年1月27日付 西日本スポーツ
ピッコリ“イズム”は超ハード 練習漬け1日3度
31日から地獄の宮崎キャンプ 時間無制限みっちり「朝・昼・夜」
休日なし“弱さ”返上アビスパが練習量で日本一になる。宮崎キャンプで1日3回の練習を課す。しかも13日間で完全休養日がゼロ。プロサッカー界はもちろん、プロ野球のキャンプでも極めて異例の練習漬けで“弱いアビスパ”を払しょくだ。
ピッコリ監督は明言した。「練習は午前と午後、そして夜。基本的に全選手を3回とも参加させる。選手の疲労によって練習の回数を減らすことはあるだろうが、完全休養日は考えていない」。過去の福岡のキャンプでは、午前と午後の2回練習を3日続けると、次の日は半日練習だけというパターンが多かった。プロ野球でも選手の義務である全体練習は午前10時ごろから午後3時ぐらいまで。プロスポーツ界では極めて異例だ。
ピッコリ監督は猛練習の必要性を「強いフィジカルがなければ、どんな戦術を与えてもそれをこなせない。体が強ければどんなやり方にも対応できる」と説いた。午前中に走り、午後から筋力トレーニング、夜は戦術練習になりそうだ。
6年前、オルギン体制の伝説の沖縄キャンプでは、練習後に重りを担いで砂浜を走って倒れる選手が続出。フロント側が不安視したがその年に昇格を決めている。「あの時ぐらいにはなるね。マシンを使って砂浜トレもやるよ」とピッコリ監督は当時選手として先頭に立っていた。
この猛練習を実施するため、ピッコリ監督は3年前に福岡に在籍していたメンチョン・フィジカルコーチを招へいした。大学教授の資格を持つ同コーチの綿密な個人データをもとに選手を鍛え上げる。
この日の練習初日は「軽め」ということだったが、午前中はみっちりミニゲーム、午後は12分間走を行った後に、再び45分間のミニゲームと選手はクタクタ。本当に過酷な練習になりそうだ。(坂田恵紀)
▼宮崎キャンプ2月12日まで アビスパのキャンプは31日から2月12日まで宮崎の2会場で行われる。基本的に午前と午後は宮崎市運動公園陸上競技場。夜はナイターで清武町総合運動公園多目的グラウンドで行う。宮崎市運動公園内では巨人軍もキャンプを行っている。また、福岡から航空機を使った日帰り往復9800円の激安ツアーもある。ツアーの問い合わせは日通旅行=092(721)3334まで。
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●キャンプ今日スタート
2000年1月31日付 西日本スポーツ
地獄のゴング鳴った 宮崎キャンプ今日スタート
練習時間に制限なしアビスパ福岡の宮崎キャンプが、きょう31日にスタートする。2月12日まで13日間の日程で、うち7日間は朝、昼、夜の1日3回の練習があり、午前8時開始、午後8時に終了予定という猛練習となる。
13日間走りっぱなし。特に午前中は走るメニューが中心。器具を使って負荷をかけて走り、ときには砂浜でも行う。昼はウエートトレーニング。夜間練習でようやくボールを使ったメニューとなる。終了時間はあくまでも予定で、「納得いくまで練習しろ。一律に終わる時間を決めない」とのピッコリ監督の方針から、練習時間は無制限だ。
また、キャンプ中の練習試合は最終日のG大阪戦のみ。例年、2、3試合をこなすが、「フィジカルトレーニングを中心とした練習のため」とピッコリ監督。キャンプ終了後にリーグ開幕予定の3月11日まで、横浜Fマリノス、神戸、広島などと練習試合を組み、チームを仕上げていく。
キャンプの朝と昼の練習場は、プロ野球の巨人もキャンプを張っている宮崎県総合運動公園陸上競技場。夜間練習は宮崎県清武町の同町総合運動公園多目的グラウンドで行われる。
●アビスパ福岡の宮崎キャンプトレーニングスケジュール ここをクリック
●キャンプ本番へ
2000年1月31日付 夕刊
キャンプ本番へ ホークス「V2誓う」 アビスパ「JI定着」
宮崎に入りサンシャインレディーから花束を受けるピッコリ監督ら
アビスパの選手たち=31日午前、宮崎空港昨年、プロ野球で初の日本一を達成した福岡ダイエーホークスの王貞治監督をはじめコーチ陣、選手らが三十一日午前、福岡空港からキャンプ地の高知市に向け出発した。同空港には多くのファンが詰めかけ、連覇を目指すチームに励ましの言葉をかけた。
今キャンプではエースの工藤公康投手が巨人に移籍したことを受けての投手陣の再編成という大きなテーマを抱えており、王監督は「優勝したという事実は洗い流して一からスタートする」と気を引き締めていた。
一行は同日午後高知入りし、高知市主催の歓迎セレモニーなどに臨む予定。キャンプは二月一日から高知東部球場などでスタートする。
また、サッカーJリーグのアビスパ福岡も同日午前、福岡空港をたち、キャンプ地の宮崎市に入った。ピッコリ監督は「体ができていなければ、どんな戦術にも対応できない」と走り込み中心のメニューを予定しており、ハードなキャンプとなりそうだ。
●初日、観衆ゼロ
2000年2月1日付 西日本スポーツ
宮崎キャンプ始まる 寂しい初日、観衆ゼロ
モントージャ本物!! ファインゴールで実力披露
観客もいないスタンドを横に走り込むアビスパイレブン、ピッコリ監督は
並走しながらゲキを飛ばす=31日、宮崎県総合運動公園陸上競技場なんということか。ついにゼロだ。アビスパ福岡の宮崎キャンプ初日、宮崎県総合運動公園陸上競技場のメーンスタンドの観衆がゼロになった。
年々、キャンプでの観衆が減っていたが、初日からのゼロは初めて。実力と人気のプロ世界であらためてアビスパのあり方が問われそうだ。午後3時半の練習スタート。メーンスタンドには森総括部長と男性1人の計2人のみ。だが、1時間もしないうちに森部長はピッチに降り、この男性も姿を消し、ついにメーンスタンドの観衆がいなくなり、そのまま練習終了となった。
午後5時、若い女性2人が芝生席に姿を見せたが、それでも5分で席を立ってしまった。
午前中の宮崎空港での歓迎セレモニーも、ついにメーンロビーを外れロビーの端。ここでの観衆も20人を切っていた。
1日からは同陸上競技場の隣で巨人のキャンプが始まるだけに、このままでは寂しさもいっそう強まりそうだ。アビスパ福岡が31日、宮崎キャンプをスタート。初日、新外国人選手のFWモントージャがいきなり鮮烈デビューを飾った。
モントージャは強烈な大砲を携えていた。ミニゲームで1点をリードされた場面で、MFバデアの左からのクロスにモントージャが飛んだ。競った選手より頭が一つも二つも高い打点。その滞空時間の長さ、ジャストミートのタイミング…。どれをとっても本物。他選手からは「やっぱり違うな―」の声も上がった。ネットに突き刺したこのゴールがただ者ではないあかしだった。クロスを上げたのは今季から加入し、すでに攻撃の起点となっているバデアからの初のクロス。このシュートがモントージャの記念すべき初シュートだった。持って生まれた“運”の方も抜群のようだ。
ヘディングは高く、しかも頭が振り切れんばかりに力強い。独特の存在感を見せた。「ペナルティーエリアの外では簡単にプレー。だが、ゴール前では抜群な得点感覚を持つ」。ピッコリ監督はゴールゲッターとして期待する。
モントージャは29日に気候も逆転しているアルゼンチンから来福したばかり。「旅の疲れも時差ボケもある。それに(移籍の準備などで)2週間はトレーニングできなかった」とこの日の動きに満足していなかったが、それでもキャンプ初日から全メニューを他選手と見劣りなくこなし、不安な面はいっさい見せなかった。しかも、猛練習の後も涼しい顔。「アルゼンチンでの練習の方がもっと走ってばかり。平地もだが、山も走っていたから」と疲れた表情もみせずに迎えのバスに乗り込んだ。
バデアがチャンスをつくり、モントージャがゴールを決める。このホットラインは堅そうだ。(坂田恵紀)笑顔続くかピッコリ監督
〇…練習開始前、選手たちに「このキャンプから練習が激しくなる」と宣言したピッコリ監督が、初日の練習を終えてご機嫌。「みんな頑張ってるよ。いいキャンプができそうだ」と満足げな表情。そして帰り際、「明日(1日)は砂浜を走る」と恐怖の砂浜トレーニングの実行を明言。果たして2日目も笑顔でおれるか?DF平島を獲得 背番号変更も発表
アビスパ福岡は31日、新外国人選手のMFバデアとFWモントージャの背番号変更を発表した。バデアは5から11へ、モントージャは11から9へそれぞれ変更された。また、昨年の近畿高校大会を制した初芝橋本高(和歌山)のDF平島崇(17)を獲得したと発表した。平島は身長175センチ、体重65キロ。既に宮崎キャンプに参加しており、背番号は39。アビスパの今季の獲得選手は18人となった。
☆アビスパのキャンプ初日のメニュー 時間=午後3時30分―午後5時45分 (1)筋力トレーニング (2)走り込み ◇強弱つけ10分間走 ◇インターバル走 (時計回りで) 200メートル 400メートル 800メートル 1600メートル (反時計回りで) 1600メートル 800メートル 400メートル 200メートル (各種目のインターバルは1分程度。
8人前後のグループで走る) (3)ミニゲームミニゲームで軽快な動きを見せる
モントージャ(中央)
●脱落者なし、監督ご満悦
2000年2月2日付 西日本スポーツ
FWに山下、モントージャ 脱落者なし、監督ご満悦
“MVP”にはプレゼントも
アビスパ福岡の宮崎キャンプ2日目は1日、午前8時からの寒風吹きすさぶ海岸での砂浜トレーニングを皮切りに、午後、夜間の1日3度の猛練習が本格的にスタートした。ピッコリ監督の予告通り、地獄のトレーニングが本格化した。
悲鳴が上がり、ひざが笑う―ついに出た。早朝の砂浜ダッシュだ。午前8時、宮崎市の宮崎県総合運動公園の裏手になる木崎海岸。日南海岸といえども流氷でも連れてきそうな寒風吹きすさぶ中、砂浜でのランニングでスタートした。
その間にスタッフが12種目の関門を設置する。跳び箱あり、チューブあり、ハードルあり…。福岡から4トントラックに満載してきた、選手たちを鍛えるための“マシン”が並べられた。
サーキットトレーニングがスタート。ピッコリ監督やコーチ陣、トレーナーまでも散らばり、選手とともに体を動かしながらゲキを飛ばす。歯を食いしばって体にムチ打つ選手の気迫が、スタッフを動かした。
悲鳴が上がる。ベテランのGK小島伸は「ひざが笑っているよ」とつらさを紛らわすように笑い飛ばす。DF藤崎は低いハードルを引っかけてバランスを崩した。「こんなはずじゃあ…」。砂浜はパワーを吸収してしまう。
メンチョン・フィジカルコーチは熱い。「砂浜でのジャンプは、グラウンドの2、3倍のパワーがいるんだ」
砂浜トレ初日のこの日、砂浜での脱落者はゼロ。「みんながここまで頑張るとは思わなかった」とピッコリ監督もご満悦。キャンプ明けには最も頑張った選手に褒美を与えることを検討し始めたほどだ。
砂浜トレは2日も継続される。3日からは体重の30パーセント前後の負荷を引きずって砂浜を走る予定。「いくところまでやるしかない」(MF篠田)。「キャンプの課題? 死なないようにするだけ」(MFバデア)。
1日の練習内容はもちろん、走る本数など一切のメニューを直前にしか知らされない選手たちはまな板のコイ。常にスタッフににらまれながら、アビスパの選手たちは自らの限界と向き合う。(坂田恵紀)
震えるイレブン横目 パンツ1枚で波乗り
〇…アビスパイレブンの早朝砂浜トレーニングが始まって1時間後、突如“珍客”が現れた。練習をしている横を若い男性がボードを手に駆け足で海に入っていった。なんと海水パンツ1枚の姿で…。気象台によると宮崎市内でも午前8時の気温は2・4度。寒風が吹き抜ける海岸、熱を一挙に吸収する砂浜での体感温度は計り知れない。防寒具を着て見学していた河内強化部長は「寒い、寒い」とダッシュをして体を暖めたほどだった。この男性は華麗な波乗りを見せたが、さすがに5分で退散した。関節付近の筋力増強
〇…砂浜でのトレーニングは、南米の指導者が好んで行う。アビスパでは前身の福岡ブルックスのとき、当時のオルギン監督(アルゼンチン)が実施。3年前のパチャメ監督(同)のときにも行った。関節に負担が少ない状態で、バランスよく筋力アップができるのが利点。また、関節周囲の筋力をつけることもできるという。〇…アビスパの新布陣が見えた。ナイターでのゲーム形式練習でベールを脱いだ。4―4―2で中盤はワンボランチのダイヤモンド。レギュラー組とみられるチームは、山下とモントージャのツートップ。中盤は中払が真ん中でフリーに動き、右に三浦、左にバデア。ワンボランチに野田。DFは藤崎と小島光がセンターバック。右サイドに石丸、左サイドに橋口が入った。ピッコリ監督は「(攻撃的な)4バックでやっていきたい」と初めて明言。FW出身の監督らしく、2000年度のアビスパは攻撃的な布陣となりそうだ。
三浦の背番「5」に
アビスパ福岡は1日、MF三浦泰年の背番号を「28」から「5」に変更すると発表した。
●レギュラー争いピンチ
2000年2月3日付 西日本スポーツ
レギュラー争いピンチ 裏方も地獄のキャンプ!! 1日3度の洗濯砂浜トレ地獄に右ひざが音を上げ、苦痛の表情を浮かべるラニエリ(右)は以後の練習を辞退
アビスパ福岡の宮崎キャンプ―恐怖の砂浜トレーニングで2日、MFラニエリ(29)がダウンした。前日から続いていた右ひざの痛みに耐えきれず、砂浜メニューの8割を消化したところで離脱し、そのまま宿舎に直行。昼間のウエートトレーニングは参加したものの、夜の練習は再びキャンセルした。新外国人のMFバデア(32)、FWモントージャ(23)が強烈なアピールをするさなか、ラニエリは前日の戦術練習でもレギュラー組とみられるチームから外れた上に、この日はダウン。早くもレギュラー争いから大きく後退だ。また、1日夜に左ひざ痛で別メニューを行ったMF久永辰徳(22)も、この日は昼間のウエートトレーニング以外は別メニューを続けた。
もう我慢ならなかった。ひきつったMFラニエリの顔がみるみるゆがんでいく。「痛い。ここだ。ここだ」。今にも泣き出しそうな表情でトレーナーを呼び、右ひざを手で押さえた。目の前では砂を吹き飛ばす勢いで、ライバルたちがトレーニングを続ける。取り残されたような心境が、表情をさらにゆがめさせた。
ラニエリは頑張っていた。1月末から雁の巣球技場でスタートした今季、苦手なフィジカル中心の練習も、必死についてきた。昨年はほとんど出番がなかっただけに、新体制となった今季に期するものがあったのだろう。実は砂浜トレーニング初日の1日には、すでに右ひざは痛んでいた。メニュー消化中にトレーナーを呼んだが、それでも自らの意思で練習を続行。階段を下りるのもつらい状態ながら、最後まで離脱はしなかった。
だが、現実は厳しい。1日夜の戦術練習で初めて2000年度の新布陣がベールを脱いだ。4―4―2の攻撃的なシステムで選手は2組に分かれたが、山下、モントージャのツートップ、MFに三浦、中払、バデア、野田らが入るレギュラー組とみられるチームからは外された。ポジションが重なるバデアの評価がうなぎ登りなのも、ラニエリにはマイナス材料だ。
そしてこの日のリタイア。ピッコリ監督は「どこかを痛めて練習を離脱する選手が出てくるのは当然。無理してケガが長引き、リーグ戦を休むより、早く治療してほしい」と寛大な言葉を並べたが、ラニエリには、気休めにしか聞こえないだろう。(坂田恵紀)
裏方も地獄のキャンプ!! 1日3度の洗濯
裏方さんにとっても地獄のキャンプだ。1日3度の練習では、選手はそのつどジャージーやユニホームを着替えるわけで、その洗濯で想像を絶する忙しさになっている。選手は1回の練習が終わるたびに、宿舎に帰ってシャワーを浴び、洗濯物は廊下に。これからが安藤洋志キット=用具類担当=(56)の“地獄”が始まる。3つの階に分かれる部屋を回り、洗濯物を回収。ワゴン車で5分のコインランドリーに直行し、洗濯機に詰め込んでスイッチオン。さらに、1度宿舎に戻り選手の出し忘れを回収してリターン、再び洗濯機を回す。締めて1回の練習の後の洗濯物の量は50キロ超。
さらに乾燥機で乾かし、熱を持った洗濯物を汗だくになりながら1つ1つたたんで、振り分ける。この作業を練習後ごとに繰り返しているのだ。
夜間練習が行われると、コインランドリーから宿舎に戻るのが午後9時ごろ。作業終了は午前3時をすぎる。「自分の部屋よりランドリーにいる時間が長いよ」。そうは言うものの安藤キットは寝不足の表情は見せない。「6日からは新人たち(13人)が参加してくる。サイズがそろわないから着回ししないと」。裏方さんの体も頭の中も、洗濯機のように回りっぱなしだ。
地元から差し入れ
〇…宮崎の自治体などで組織する「Jリーグ等キャンプ受入協議会」から、アビスパ福岡に2日、地元特産のイチゴ、日向夏のそれぞれ10箱の差し入れがあった。「優勝を」とエールを送られたが、受け取った森統括部長は「昨年の順位より上を」とやや控えめ。2助っ人が練習切り上げ
〇…MFバデア(前柏レイソル)が2日夜の練習に参加しなかった。ピッコリ監督は「かなり疲労もたまっており、調整させた」と休養を指示。バデアは昨年末の天皇杯を戦い、ブラジル帰国。ほとんど休養をとれないまま来日しており、左足の付け根も痛めていた。またFWモントージャ(元オランダ・フェイェノールト)も2日夜の練習中に右ふくらはぎの違和感を訴え、途中で練習を切り上げた。2人とも大事をとったもので、3日の練習には参加予定。久永は別メニュー 左ひざに痛み
〇…アビスパ福岡のMF久永が2日の練習を別メニューで行った。1日の砂浜トレーニング後、競技場のトラックでの走り込みで、「急に左ひざに痛みを感じた」という。ひざ関節の炎症とみられ、しばらくは歩行トレーニングなどをする予定。「今はトレーナーもつきっきりだし、リーグ戦中でなくて良かったと前向きに考えたい」と久永は離脱の悔しさを断ち切っていた。離脱1号はフロントから
〇…アビスパ福岡のリタイア1号は猛練習を続ける選手からではなく、フロントから出た。広報宣伝部長へ就任するはずだった民間企業からの出向者が本人の希望などで1日に離脱していたことが2日、分かった。引き継ぎのため事前に2、3度事務所を訪れて選手にもあいさつを済ませていたが、これで同部長は空席にとなってしまった。
●GK小島「夢にまで出る」
2000年2月4日付 西日本スポーツ
砂浜トレなくなったのに…GK小島「夢にまで出る」 アビスパ福岡3日の練習メニュー砂浜地獄の次はソリの洗礼、苦しそうな表情を浮かべ引っ張るDF小島光=3日、宮崎県総合運動公園陸上競技場(撮影 大月崇綱)
ついに出た。ソリ・トレーニング―。アビスパ福岡の宮崎キャンプ4日目の3日、ピッコリ監督がアルゼンチンから持参した下半身強化のためのスペシャルマシンが登場。アビスパイレブンは計約14キロのソリ状のマシンを抵抗のある芝生の上で引っ張りながらダッシュを繰り返した。体力強化を最重点に手を替え品を替えての連日の猛練習。GK小島伸が「夢にまで走り込みの情景が浮かんでくる」と、選手の体に“異変”発生状況になってきた。
早朝の砂浜トレがメニューからなくなり、選手の口が少し軽やかになりかけていたときだった。
ボールを使って約1時間半のフィジカルトレーニングが終盤にさしかかったころ、裏方、コーチ陣が用具倉庫に向かった。そして、ひきずり出してきたのは、なんとソリだ。「アルゼンチンではよく使っている。体重の20―30パーセントの重りをつけ、スピードを落とさずに走るんだ」。ピッコリ監督の涼しい顔と対照的に選手たちの表情はみるみる曇った。
6台のソリは、ピッコリ監督がアルゼンチンから持参したものをモデルに、福岡で特注した。約4キロあるソリに10キロのプレートが置かれ、選手はソリと結ばれたヒモを腰に巻き、芝生の上を80パーセントの力で走るのだという。早朝の砂浜トレが消えたと思えば、新たなピッコリ兵器が待っていた。
ソリを引き、50メートルを5本、70メートルを4本。監督やコーチ陣の絶え間ないかけ声に押され、必死に腕を振り、前に踏み出そうとするが、「気持ちは前に言っているが、足が前に出てこないんだ」(DF小島光)。それでなくても連日の猛練習で選手の足はすでにガチガチ。しかも長めの芝生が一層負荷を高めてくる。
地獄のキャンプでも、指導者らが一緒に動き、声をかけ続け、選手の中にも場を盛り上げる人材が豊富なため、悲そう感はないが、体は素直だった。
GK小島伸は「走り込みをする光景が夢にまで出てきた」。MF三浦は「テレビをつけっぱなしで寝てしまい眠りが浅いのか、毎日夢をみる」。小島光にいたっては「食欲もなくなってきた。部屋に帰ったらそのまま熟睡。問題はまだ日程の半分もいってないこと」と、無限に広がる空を見上げた。
あすはどんなハードメニューが待ち受けているのか、予告通りの地獄トレ。直前まで知らされない選手たちは、今夜も不安なまま床につく。(坂田恵紀)
◇朝(3時間) 陸上競技場の芝生 (1)ボールを使った5種目のサーキットトレーニング(1時間30分) (2)ソリを使ってダッシュ50メートル5本、70メートル4本 (3)芝生の上で300メートル走5本 ◇夕方(2時間30分) (4)守備中心の戦術練習 (5)ミニゲームきょうの練習1回に ピッコリ監督が変更
〇…鬼の目にも涙! ピッコリ監督が3日夜、きょう4日に予定していた朝8時スタートの1日3回の練習を急きょ変更、午後3時30分からの1回とすることを決めた。選手に疲労がたまっていると判断したようだ。連日朝6時30分に起床し、3回の猛練習。選手たちが部屋にたどり着くのは午後8時を過ぎていただけに、少しばかり楽になりそう。だが、他チームやこれまでのアビスパの練習よりハードなのは変わりない。
ラニエリ病院送り 練習強行で右ひざ悪化
〇…前日2日の砂浜トレーニングの途中で右ひざの痛みからリタイアしたMFラニエリが、2日午前の練習に強行参加した。だが、フィジカルトレーニングの途中でまたも右ひざを痛め離脱して病院送りに。4日の状況次第だが、福岡に戻る可能性が高まった。また、FWモントージャ、MFバデアも右ふくらはぎ、右足の付け根部分にそれぞれ違和感があり、ソリのトレーニングを前に大事をとって引き揚げた。3人はいずれも午後の練習にも不参加だった。また、MF篠田も風邪をひき、3日の全体練習を休んだ。
グラウンドに来たものの、練習できず目を覆うラニエリ(中央)、バデア(左)、モントージャ(右)も午前練習を途中で切り上げる