ピッコリ監督信念貫く ナビスコ杯 19日も第1戦と同じ布陣!?
「常にベストメンバー」 Jリーグ側と認識にずれ
起用法変えず
 ピッコリ監督、初志貫徹―。アビスパ福岡はナビスコ・カップのJ2・湘南戦初戦を「主力温存」と報道され、Jリーグ側から異例の事情聴取を受けたが、次の湘南とのカップ戦(19日・博多の森)も同メンバーで戦うことが17日、濃厚となった。この日、ピッコリ監督は「(メンバーについては)今日は言えない」と明言を避けたが、練習では15日に行われたリーグ戦スタメンには見向きもせず、カップ戦に出場した選手を熱血指導。これまでの起用法を堅持する意向だ。
15日リーグ戦のスタメン
FWモントージャ 山下
MF中払 野田 石丸 バデア
DF三浦 小島光 河口 藤崎
GK小島伸
12日カップ戦のスタメン
FW江口 松永
MF牛鼻 篠田 鈴木 久永
DF橋口 三好 水筑 平島
GK塚本
写真=19日のナビスコカップ第2戦に向け、17日・博多の森球技場の練習で激しくボールを追うアビスパの選手たち。
練習風景 18日スタメン発表
 いかなる強風が吹こうとも指揮官の振るタクトは乱れない。「次のカップ戦のスタメン? 明日(18日)には言うよ。ベストメンバーをね」。17日、ピッコリ監督はこう言って練習場を去った。しかし、注目のカップ戦第2戦(19日・湘南)も初戦のスタメンで戦う方針であることは、この日の練習状況が十分に物語っていた。

ピッコリ監督 写真=熱心に指導するアビスパ・ピッコリ監督。「主力温存問題」の中、あくまで従来の起用法を堅持しそうだ
 カップ戦を2日後に控えたこの日、15日のリーグ戦・柏戦のスタメン出場選手は、一切ボールを使った練習を行わず、ランニングのみで終了した。対照的にカップ戦初戦のスタメンが、熱発で練習を休んだMF牛鼻健を除いて集合。ピッコリ監督の鋭い視線を受けながらシュート、戦術、ミニゲームと約2時間半かけてみっちりと練習を行い、臨戦ムードを漂わせた。

 そして、ピッコリ監督は、「ベストメンバーで戦うことに変わりはないよ。ただ今回は柏戦でFW山下芳輝、GK小島伸幸らが足を痛めているからねえ」と、ポロリ。ピッコリ監督が一貫して主張する“ベストメンバー”とは「その状況において最高のパフォーマンスを提供する選手のこと」。今回のJリーグの事情聴取について、森孝慈・管理強化部統括部長は「双方の見解が食い違っていることが事の発端」と言う。

 Jリーグ側はリーグ戦のスタメンから大幅に入れ替わっていることを新聞報道で知って行動に出た。Jリーグ規約の公式試合の条項にある「最強のメンバー(ベストメンバー)をもって試合に臨む」に抵触する可能性があると判断したからだ。カップ戦のスポンサーへの配慮ももちろんある。

カップ戦後事情聴取
 Jリーグの事情聴取は、19日のカップ戦でも行われ、最初のカップ戦と柏戦を含めた3試合で最終的な判断が下されることになっているが、「うちのベストメンバーの選択は間違っていないし監督の起用を信じる」と、クラブ側の監督への全面支援は変わらない。アビスパのホームページには多くのファンから「若手育成を重視するピッコリ監督が若手選手を実戦で使うことは悪いことではないし、試合にも勝っているじゃないか」など支持するメールが送られてきているという。ベストメンバーの線引きをどこでするか。あくまで自分流を通してカップ戦に臨むピッコリ・福岡。Jリーグの出方が注目される。(松尾正和)

「主力温存問題」経過 Jは制裁金を検討中
 カップ戦はリーグ戦と並行して今月12日に開幕、1カ月で8試合を戦う超過密日程。ピッコリ監督はカップ戦1回戦、J2湘南との試合を控えた10日、「トップの休養が大事」「このメンバーで新たな戦力を試してみたい」などとして、湘南との初戦を控え組で戦うことを明言した。

 このことを11日付の新聞報道で知ったJリーグ側は、リーグ規約の「最強のメンバーをもって試合に臨む」とする条項に抵触する可能性があるとして、同日、電話で異例の事情聴取を行った。アビスパ側は「今の状況ではこれがベストメンバー」というピッコリ監督の主張を追認し、電話と文書で報告。

 12日の湘南戦の先発は、それまでのリーグ戦での出場実績があるのは4人だけだった。J側は木之本専務理事が会場を訪れ、福岡の森管理強化部統括部長から事情聴取したが、森部長は「だれがベストだと判断するのか」などと反論し、クラブ側の正当性を主張。J側は「いつものメンバーの過半数は出ていない。今日の試合を含めあと3試合をみて制裁金(1500万円以下)を科すかどうか決めたい」と両者の主張は平行線をたどった。

 福岡は15日のリーグ戦、柏戦では、湘南戦でのスタメンと11人全員を入れ替えて柏に快勝している。

2000年4月18日 西日本スポーツ掲載


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