●出て来い!山下
1999年9月2日付 西日本スポーツ
マキ、西田もエール 出て来い!山下
キレなくともキラリ 菊川監督スタメン結論先送り
スタメン復帰に向けて九共大と練習試合でプレーするアビスパFW山下芳輝。調子が悪かったが、随所に光るプレーも アビスパ福岡は1日、雁の巣球技場で九共大と練習試合を行い、左足首をひねってまだ第2ステージ試合に1度も出場していないFW山下芳輝(21)をレギュラー組で起用した。体のキレは悪いながらも、MFマスロバルら攻撃陣を互いに生かす動きを見せ、これまでアビスパの攻撃で感じられなかった得点の期待を抱かせた。FW陣は上野が微熱、深川は左足首を痛めて戦列を離れ、山下1人しかいない状況。それでも菊川凱夫監督は4日の鹿島戦(博多の森)でのスタメン起用の決断を先送りした。また、これまでレギュラーだったMF三浦泰年(34)、MF中払大介(22)の鹿島戦でのスタメン落ちが濃厚になった。
凍っていた攻撃陣をFW山下が生き返らせそうだ。九共大との練習試合では自他ともに認めるように、体のキレは悪かった。だが、これまでアビスパ攻撃陣ではほとんど感じることがなかった『点が入りそうな予感』を十分に山下が生み出した。
他の選手の能力を山下が引き出した。マスロバルにパスが渡る前にDFを置き去りにして飛び出す。そしてキラーパスを受けてシュート。そして、中盤でボールを奪って駆け上がるMFフェルナンドとはワンツーでアシスト。下がりながらパスを受けると、ダイレクトで右サイドにけり出し、MF西田を走らせた。
ラストパスのターゲットが戻ってきたことに、マスロバルは「まだまだ山下は走れるし、連係も合うはず。でも一緒に試合をやっていないからすぐには無理だろうが、期待していてほしい」とエール。西田も「山下が入ると、自分も山下も生きると思う」と大歓迎だ。だが、菊川監督の評価は厳しい。FW陣は現在、山下しかいない状況だが、九共大との練習試合を終えても「鹿島戦のスタメンはまだ様子を見てみよう」と結論を先送りにした。その理由を「合格点はやれない。積極的にボールに絡まないからね」と語っている。
山下はその評価を気にしない。自分が気にしても仕方がないと割り切ったのか、冷静に自己分析。「今日は体のキレが悪かった。でも全体的に調子は上がっている。マキ(マスロバル)にも言われたとおり、もっとマキがボールをもったら思いっきり走るようにしたい」と笑顔すら見せた。「いろいろ考えても…。点を取ってアピールすればスタメンも、五輪代表も転がり込んでくる」と何かを振り切るように話した。フェルナンドとマスロバルが絶好調だけに、これにもう一枚加われば強豪チーム相手にも見劣りしない。成績が急降下を始めたアビスパ。その中で山下が博多の森のファンに希望の灯をともせるか。「やっぱり山下だ」とうならせてほしい。 (坂田恵紀)
●主力続々 スタメン落ち?
〇…この日の練習試合で、MF中払大介、MF三浦泰年、期待の助っ人MFラニエリがトップチーム組を外れ、控え組に回った。菊川凱夫監督は「中払はFWの動きが周りとかみ合っていない。それに腰も痛めており万全でない。三浦は今日の布陣でいけばちょっと合わないから…」と歯切れが悪い。また、本調子でないラニエリも後半に顔を出しただけ。その上、FW上野優作は風邪で練習を休んでおり、強豪鹿島戦を前に厳しい状況。菊川監督は「現有戦力で戦うしかない」と浮かない表情だった。
●自主ミーティングで激論
1999年9月3日付 西日本スポーツ
自主ミーティング 気持ちは1つ 連敗止める アビスパ戦士
練習後三浦、篠田中心に車座 40分間激論を展開
練習終了後、三浦(中央)を中心に選手だけの緊急ミーティングを開くアビスパ福岡の選手 現在2連敗中のアビスパ福岡イレブンが選手同士の思いをぶつけ合った。鹿島アントラーズ戦(4日・博多の森)へ向けた練習が行われた2日、福岡市東区の雁の巣球技場のピッチで練習後に選手たちが自主的に緊急ミーティングを開いた。プレーの意思統一やメンタル的な問題など40分間以上も話し合った。
いつもの練習が終わった直後だった。MF三浦泰年の呼びかけで、選手全員がグラウンドの芝生の上に集合。車座になり、その中心に三浦や主将のMF篠田善之が立った。三浦は「ピッチで実際にプレーするのは選手自身なので責任も選手自身に降りかかってくるんだ」と主張した。
三浦は身ぶり手ぶりに加え、ペンを手にホワイトボードで熱弁を振るった。篠田やフェルナンドも意見を述べた。MFマスロバル、GK小島伸幸らベテラン、それに若手も全員が真剣な表情で参加。前線からの守備の重要性や実際のプレーでの意思統一、それにメンタル面などが話し合われたという。
これまで「おとなしいチーム」と言われ続けてきたアビスパが一皮むけようとしているようだ。DFの中心選手である森秀昭は「実はこの日の練習後にヤスさん(三浦)に相談して、皆で話し合いを持ちたいと思っていたんです。こういうのは必要なことだと思う」と話した。選手だけのミーティングはこれで今季2回目。前回は第1ステージ開幕から3連敗を喫した後だった。このときは次戦に勝って、連敗阻止に成功した。
選手からミーティングの報告を受けた倉田安治ヘッドコーチも「2連敗で落ち込んでいるので、これで士気が高まってくれれば…」。鹿島戦でミーティング効果が出るか。アビスパ戦士は、2日後の博多の森で答えを出すはずだ。 (松尾正和)
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●通訳・早川エジソン正吉さん
1999年9月3日付 夕刊
フィールドの風=日本サッカーと外国人選手の懸け橋に 早川エジソン正吉さん
アビスパ福岡通訳 言葉のアシストを 選手の悩み事の相談も
アビスパの縁の下の力持ちとして活躍する早川エジソン正吉さん(左) プロを目指して来日しながら夢破れた日系ブラジル三世の元サッカー選手が現在、Jリーグ・アビスパ福岡の通訳として奮闘している。早川エジソン正吉さん(32)。サッカー王国・ブラジル・サンパウロ出身で「外国人選手の気持ちを代弁して、チームの活躍に一役買いたい」。日本人選手、そして日本サッカーと外国人選手の懸け橋になろうと、早川さんは第二の“サッカー人生”に全力投球だ。
☆波乱の人生
午前九時、雁の巣のグラウンド。監督、ヘッドコーチらが選手に次々と指示を出す中、外国人選手の傍らにぴったりと、早川さんが寄り添っていた。「通訳する言葉に、自分の感情が入りそうになるんですよ」(笑)。元選手だけに、話の内容によっては熱い血が騒ぐ。今はまだその気持ちをぐっとこらえるのに、ひと苦労なのだという。
もともとピッチでの活躍を夢見て渡った日本。「ブラジルの知人の紹介で入団テストを受ける予定だったのに、空港にはだれも来なかった。だまされていたんです」。当時二十三歳。波乱の人生の幕開けだった。それでも翌年、何とか熊本県の社会人リーグに属する東亜建設工業サッカークラブ(現ブレイズ熊本)へDFとして入団したが、二十七歳で解雇。一九九二年に発足したプロサッカーJリーグのスポットライトを浴びることなくユニホームを脱いだ。☆言葉の壁に苦しむ
その後、いくつかの仕事を転々。勤めていた会社の倒産も経験した。日本語は来日してからの“独学”。苦労が多かった。「『あんたバカか』と言われたこともある。忘れられないね」
その“語学力”が再び早川さんをピッチに呼び戻した。昨年、ポルトガル語新聞の通信員のアルバイトで、アビスパ福岡対ジュビロ磐田戦(熊本)を取材。ブラジル人選手と知り合い、そのつてでチームから誘われ、今年四月から通訳を任されることになったのだ。
「懐かしい芝の感触をまた味わうことができる。うれしかったね」
言葉で苦労してきただけに、通訳の仕事には思い入れもある。「ここにいる外国人選手にはそんな思いだけはさせたくない」。早川さんはつぶやいた。☆購入した携帯電話
練習後には一緒に食事に出かけて、選手の悩み事の相談に乗ることも。生活習慣や日本のサッカー選手との意識の違いを語り合い、選手の息抜きに一役買っている。
通訳の仕事を始めてから携帯電話も購入した。「(外国人選手からの電話を)いつでも受けられるようにね」。日常生活で起こるささいなことでも電話があれば、じっくり話し込むという。
「私はブラジルと日本のフィーリングを持つので両者の関係がスムーズにいくことだけを考えている。ボールはけらないが、将来もずっとプロのピッチで言葉のアシストを送るのが夢」。通訳キャリア四カ月。早川さんのキックオフの笛は鳴ったばかりだ。 (松尾正和)
◆ ◆ ▼早川エジソン正吉(はやかわ・えじそん・まさよし)
1967(昭和42)年3月4日、ブラジル生まれ。趣味は読書と映画、音楽鑑賞、カラオケでは人気ポップスグループのスピッツや井上陽水を好んで歌う。好きな言葉は「友情」「連帯」「希望」。妻の江理子さん(29)と長男の健斗くん(2つ)を熊本市に残して福岡市に単身赴任。173センチ、75キロ。
●3連敗にも希望の光
1999年9月5日付 朝刊
鹿島×福岡 3連敗にも希望の光 山下2アシスト
【福岡―鹿島】後半9分、DFをかわしドリブルで持ち込む山下 ▼鹿 島 3―2 福 岡
神様が絶賛するアシストだった。ケガで出遅れていたFW山下が先発で第2ステージに初登場し、いきなり2アシスト。前半35分、0―1からの同点ゴールにつながったアシストには、鹿島のジーコ総監督が「あのスルーパスは素晴らしい」とうなった。アビスパは3連敗となったが、山下が再びチームを上昇気流に乗せそうだ。
前半18分に日本代表FW柳沢に先制されてからは、本拠地のピッチに両チームの力の差が出始めていた。そこで、山下は中盤からのパスを胸でワントラップ。鹿島の3選手が囲んでいたが、トラップしたボールが地につくと同時に、一八〇度ターンしてダッシュ。フェルナンドにつないだ。
後半2分に突き放されたが、同7分、山下はまたもDFを振り切ってゴールライン際にドリブル。クロスを上げ、DF藤崎のプロ初ゴールを演出した。フェルナンドは「今日の主人公は山下」とJ2落ちの危機が漂い始めたチームの救世主になるべき男のカムバックを歓迎した。六月のシドニー五輪一次予選の香港戦で左足首をひねった。アビスパでは「練習から響いてくるものがない」(菊川監督)と外され、五輪代表候補からも漏れた。リーグ戦には約四カ月ぶりの先発。「何か吹っ切れた気がする」。心に活力を取り戻した山下は、自分がやるべきことが分かっている。(坂田恵紀)
●アビスパ試練の連戦
1999年9月7日付 朝刊
アビスパ試練の連戦 J1残留へライバル対決アビスパ福岡がJ1残留をかけ、十一日からの3試合に挑む。十八日までの八日間に平塚、浦和、京都相手に3試合という強行日程だが、いずれもJ1残留レースでのライバルチーム。菊川凱夫監督も「(残留できるかどうかは)この3戦で決まる」と決意をみせている。
J1残留をかける、がけっぷち3連戦といえそうだ。アビスパは現在3連敗中で今季の総合順位も13位で、J2への落選ライン(15位)が目前という状況。十一日に最下位(16位)の平塚、十五日に15位の浦和、十八日に11位の京都と対戦する。お互いにライバルチームに勝たなければ、その後に上位チームを倒さない限り降格の可能性が高くなるだけに、事実上の“J1残留決定戦”になる。
アビスパには3試合のうち2試合がアウエーと厳しい日程。しかし、菊川監督は「ケガ人もいる。だが、そんなことを言っている場合ではない。無理をしてでも試合に出てもらう」と語った。絶好調のMFフェルナンド、MFマスロバルに加え、FW山下芳輝も復活した。選手起用が大きなカギを握りそうだ。(坂田恵紀)
●「ゴール決める」山下
1999年9月11日付 西日本スポーツ
きょう平塚戦 「ゴール決める」山下 「体調いい」復活アピール
J1残留へ正念場 居残りでシュート練習
前節の鹿島戦では2アシストの活躍も得点はナシ。居残りでシュート練習に励む山下(右) アビスパ福岡はJ1残留へ生き残りをかけたベルマーレ平塚戦(11日・平塚)へ向けて10日、福岡市東区の雁の巣球技場で最終調整を行った。アビスパは前節の鹿島戦(4日・博多の森)で惜敗したが、第2ステージで初スタメンのFW山下芳輝が2アシストで復活をアピールするなど収穫もあった。現在、今季総合順位で13位のアビスパは3連敗中だけに、最下位(16位)の平塚には負けられない。この日居残りでシュート練習をした山下は「必ずゴールを決めますから」と言い切って、敵地・平塚へ乗り込んだ。
◆ ◆ J1残留へ正念場の戦いを前に、アビスパの選手、首脳陣を緊迫した空気が包んだ。次の平塚戦を落とせば2部落ちの危険ゾーンに突入。次に控える浦和戦(15日・博多の森)、京都戦(18日・西京極)の2試合にも影響を与えかねない。「絶対に(試合を)落とせないことは承知している」と菊川凱夫監督も厳しい表情で話した。
J1残留でがけっぷちに立たされているアビスパにとって、平塚戦は雌雄を決する戦いといっても過言ではない。この日の練習では、前節の鹿島戦と同じ布陣で最終調整。「(鹿島戦は)負けはしたが、ジュビロ戦、ヴェルディ戦に比べるとかなりいい試合ができたから」。倉田安治ヘッドコーチは強豪相手に互角の戦いを展開した布陣で勝利を狙う。
それには前節、第2ステージ初スタメンで体のキレを見せたFW山下の動きが勝利のカギを握りそうだ。その山下は居残り練習で、終了ぎりぎりまでシュート練習を繰り返した。「やるしかない」と平塚戦への決意をみなぎらせた。
今季は満足な補強ができず、慢性的なFW不足に悩まされ続けてきた。「財政的な問題から補強は難しいだけに、現有戦力でなんとか切り抜けてほしい」と柳専務も祈るように話す。それだけに、残留には山下の完全復活が不可欠。その山下は「体調はとてもいい」と強調した。前節で2アシストをマークしたがチームは惜敗、やはり天性のゴールゲッターがシュートを決めないとアビスパに勝利を呼べない。(松尾正和)
◆ ◆ ●ベンチ入りできず ラニエリ
〇…アビスパの新外国人MFラニエリが平塚戦もベンチ入りしないことになった。先月14日に来日してから、ラニエリの出番はヴェルディ川崎戦(8月29日・等々力)でピッチに立った約20分間だけ。「どこのポジションがベストなのか、まだ迷っている」と菊川監督。得点力不足を補うためにやってきた助っ人はスタメンどころか目指すポジションすら決まっていない状態だ。
●3点差ゲーム3年ぶり
1999年9月12日付 朝刊
アビスパ 残留へ価値ある勝利 3点差ゲーム3年ぶり
【平塚−福岡】後半30分、フェルナンド(右)は平塚のGK本田をかわし、2点目を挙げる ▼福 岡 3―0 平 塚
3連敗のうっぷんを晴らすように、アビスパが平塚を圧倒した。3点差以上の勝利は一九九六年以来、三年ぶり。菊川監督はスコアより「勝ってよかった」と白星そのものにホッとしていた。
総合順位最下位(16位)の平塚に負ければ、J1残留へ黄信号がともるところだった。「そんなことはみんな分かっていた。勝つという意思統一はできていた」と篠田主将。入れ替え戦を戦った昨年の経験が、このゲームで生かされた。
1点をリードして後半に入ったが、終始押されっぱなし。「厳しかったが、あの場面で点をやることは許されなかった」(篠田主将)。GK小島が好セーブを連発すると、攻撃陣も少ないチャンスを確実にものにした。後半30分にフェルナンドが、その41分には石丸がダメ押しゴールを押し込んだ。
これで総合勝ち点を23とした。総合15位の浦和、同11位の京都との戦いに勢いがついたはずだ。「あと2試合大事なゲームだ。ぜひとも白星で飾りたい」と菊川監督には手ごたえがある。J1残留というゴールはもう目の前まできている。 (田中 耕)
●アビスパ3発快勝
1999年9月12日付 西日本スポーツ
アビスパ3発快勝 3連敗のうっ憤晴らした
「ヤマ場3連戦」残留へ前進 攻守の歯車かみ合った
【平塚―福岡】前半27分、先制のゴールを決めた福岡・森(左)は山下ら福岡イレブンの祝福を受ける 揺れる、揺れるゴールネットが揺れる。3連敗のうっぷんを晴らすようにアビスパの攻撃陣が大暴れ。平塚のDF陣を木っ端みじんに粉砕して3―0という圧勝だ。Jリーグに昇格した1996年以来、3年ぶりの3点差以上の勝利でJ1残留へ明るい兆しがみえてきた。
インタビュールームで菊川監督が「勝ってよかった」と開口一番、本音を漏らした。内容より結果が大切なゲーム。この意味を何よりも選手自身が肌で感じていた。総合順位で最下位の平塚に負ければ、J1残留へ黄色信号がともってしまう。「そんなことはみんな分かっていた。絶対負けられない。何としても勝つという意思統一はできていた」と篠田主将。昨年入れ替え戦を経験した苦しみがこのゲームで生かされた。
前半27分にFKのチャンスにDF森が頭で決めて先制したが、波に乗れない。それどころか後半は、押されっ放しだった。「厳しかったが、あの場面で点をやることは許されなかった」(篠田主将)。GK小島が再三にわたって好セーブを連発。DF陣も体を張ってゴールを守ると、攻撃陣も少ない好機を確実にものにした。後半30分にフェルナンドが、その11分後には石丸がだめ押しゴール。攻守の歯車が、見事にかみ合った。
貴重な勝ち点3を挙げ、総合勝ち点を23とした。続く浦和、京都戦に連勝すれば、J1残留に当確ランプが点灯する。「あと2試合大事なゲームだ。内容に不満が残っただけに、もう少し頑張ってぜひとも白星で飾りたい」と菊川監督。気が抜けないゲームが続くが、J1残留のゴールはもう目の前まできている。(田中 耕)
◆ ◆ ●小島好セーブ連発
〇…GK小島が守りの主役を演じた。古巣平塚の猛攻を跳ね飛ばし、好セーブを連発。シャットアウト勝利に貢献した。「負けられない試合だったからね。うちより下のチームに取りこぼせない。生き残りは、げたを履くまで分からない。これからも大事なゲームが続く」。経験豊富なベテランGKはJ1残留へ気を引き締めていた。
●きょうレッズ戦
1999年9月15日付 朝刊
残留へのヤマ場 きょうレッズ戦 アビスパアビスパ福岡はJ1残留のライバル相手との3連戦の第2戦になる浦和レッズ戦(十五日・博多の森球技場)へ向けて十四日、福岡市東区の雁の巣球技場で調整した。前節の平塚戦では3―0と圧勝したが、現在年間総合順位で15位の浦和は同13位のアビスパにとっては負けられない相手だ。
浦和戦を前に菊川凱夫監督は「今回は絶対に落とせないし、落とさない」と気合十分。浦和は出場停止や故障者が多く、アビスパが有利ともいえる。ただ、二部落ち危険ゾーンを完全脱出するには、浦和戦の次の京都戦(十八日・西京極)でも勝っての3連勝が必要。MF三浦泰年は「チームの行方を大きく左右する」と気持ちを引き締めた。
●劇的延長Vゴール
1999年9月16日付 朝刊
アビスパ 劇的延長Vゴール J1残留に前進
【福岡−浦和】延長前半6分、アビスパMFフェルナンドがVゴールとなるボレーシュートを決める ▼福岡 2―1 浦和
劇的な延長Vゴール。J1残留レースのヤマ場でもある下位チームとの間で続く3連戦第2ラウンド。絶対に負けられないゲームをものにした。「とにかく勝ててよかった」。菊川凱夫監督は激戦に疲れ切った様子ながら、安どの表情を隠せない。
1―1で迎えた延長前半6分、貴重な1点を演出したのは頼れる外国人MFフェルナンドだった。相手陣内中央から放ったMFマスロバルのFKが相手DFに当たり、そのこぼれ球をすかさず右足で押し込んだ。「シュートというよりは体を投げ込んだだけの幸運なゴールだった」。フェルナンドは勝利にも淡々と試合を振り返った。
「いつものように2点目が取れなくていやなデータが頭をよぎった」(菊川監督)。この日は前半から圧倒的に浦和を攻めながらも決定力に欠いた。内容は決して良かったわけではないが、勝ち点をきっちり手にした。総合順位は12位とひとつあげ、二部落ちデッドラインである15位の浦和とは9点の勝ち点差をつけた。「今の調子を保って次の試合に挑みたい」。鹿島戦から3試合連続得点のフェルナンドは最後まで気を緩めなかった。(松尾正和)
●アビスパ連勝
1999年9月16日付 西日本スポーツ
フェルナンドV弾 ヤマ場で3戦連発 アビスパ連勝
残留安全圏へ前進【福岡―浦和】J1残留を左右するライバルとの決戦、第2ラウンド。MFフェルナンドのVゴールに、ピッチに歓喜の輪ができた。菊川監督も思わず革靴のままグラウンドになだれ込んだ。
ヤマ場の試合での3戦連続弾を決めたフェルナンドがMFマスロバルに飛びつく。「言葉は通じなくとも相手がやりたいことはわかる」と互いのプレーを認め合う2人が、最高の笑顔を交わした。
延長前半6分、2人で決めたVゴール。「フェルが走るのが見えた。あそこしかない」とマスロバルがけったFKに、フェルナンドがDFを抱えながらなだれ込む。「シュートの態勢ではなかったから体を投げ込んだ」。相手DFがGKにパスしようとしたボールをボレーで押し込んだ。
ゲームの悪い流れも、さい配ミスも、選手の不調も、すべてを2人の活躍が吹き飛ばした。
前半は一方的に攻めながらも1得点。後半は追いつかれた上に、前半1人で中盤の底を支え、前線にパスを出し続けた三浦と、先制点を決めながらもさえのない篠田の運動量が落ちながら、ベンチは引っ張りすぎた。MF野田が控えにいただけにさい配に疑問が残った。後半に入ってからは、福岡に攻め手なし。「あの2人の一発しかなかったと思っていた」のは菊川監督も博多の森のファンも同じだっただろう。
福岡は残り8試合。これで降格ラインである年間順位15位の浦和(残り7試合)との勝ち点の差が、90分内での勝利、3試合分と同じ9と開いた。平塚と浦和の下位2チームを倒し、当面の危機を脱出だ。安定したDF陣の踏ん張りにGK小島伸の好セーブ。そして最後に決めるのは外国人の2人…。終わってみれば今季を象徴するいつもの勝ちパターンだが、まだまだアビスパの力はこんなもんじゃない。(坂田恵紀)
◆ ◆
●寄付募り作製 応援旗を寄贈 フラッグ作成委
福岡市の有志でつくるアビスパビッグフラッグ作成委員会がファンから寄付を募って製作した高さ20メートル、幅40メートルのビッグフラッグが完成。15日、博多の森球技場でチームに贈呈し、選手入場時にバックスタンドに登場した。
同委員会はファンの気持ちのこもった応援旗でアビスパを後押ししようと、2年半前から1口1000円の寄付金を集めてきた。今回贈ったのはホーム用で、アウエー用も計画中。
寄贈のセレモニーで乙藤計造同委員会会長は「皆さんの寄付が形となりました。アウエーの旗作りにまた力を貸してください」とあいさつした。
●注目の三浦対決
1999年9月18日付 朝刊
アビスパ 3連勝で残留決めろ 京都戦 注目の三浦対決アビスパ福岡はJリーグ昇格後初の3連勝がかかる京都戦(十八日・西京極)に向けて十七日、福岡市東区の雁の巣球技場で最終調整を行った。現在年間総合順位12位。二部落ちするのは年間最終15、16位の2チーム。現在15位の浦和レッズには勝ち点差9をつけている。京都に勝てば、J1残留へ大きく前進する。
今季第1ステージでは2―0で京都を圧倒した。しかし、監督交代で刷新を図った京都は、攻撃の核としてFW三浦知良を補強するなどチーム強化を進め、第2ステージ2位と好調だ。
四年ぶりの兄弟対決を迎えるMF三浦泰年は「カズ(三浦知良)を抑えることが勝利に一番近い道となる。ボランチ(守備的MF)の自分のところで止めてみせる」。三十四歳のベテランはこの日の練習でもスムーズな動き。体を張って弟を封じる決意だ。(松尾正和)
◆ ◆
●フェルナンドが発熱
〇…アビスパ福岡のMFフェルナンドがへんとうをはらして発熱し、十七日の練習を休んだ。遠征には帯同するが十八日の試合出場は、当日朝の様子をみて決める。目下3試合連続得点、今季チーム最多の7得点をマークしている大黒柱だけに、「出場は大丈夫だと信じている。信じるしかない」と祈るような菊川監督。フェルナンド欠場に備えて遠征メンバーにMF栄井を追加した。
●残留へ安全圏
1999年9月19日付 朝刊
アビスパ気迫の3連勝 残留へ安全圏
【京都―福岡】後半35分、アビスパ福岡の山下は4点目のゴールを決めガッツポーズ ▼福岡 5―1 京都
福岡は森と山下がともに2得点。森は前半1分に左足ボレーを決め、後半9分には混戦から左に流れた球をけり込んだ。福岡は3連勝。
山下は細かくトリッキーなパス交換で相手守備の間を縫い、後半35、41分に得点。京都は単純なパスミスでリズムを崩した。
◆ ◆
●記録尽くしの大勝
Jリーグ昇格四年目にして3連勝も初なら、5得点も、4点差勝利も初。5―1。アビスパが球団史上記録尽くしの大勝で、J1残留の安全圏に突入した。「いや…。辛抱強く選手が頑張った。次につながるよ」。ゴールを突き刺すたびに顔を真っ赤にしてガッツポーズを作ってきた菊川監督はもうグッタリ。それほどすさまじい怒とうの攻撃だった。
開始早々の前半1分、MF三浦のシュートがDFに当たって跳ね返ったところをDF森がFW選手顔負けの左足ダイレクトボレーで先制。前半終了間際に同点に追いつかれたが、ここでまたまた森だ。
後半9分、FKからのゴール前のこぼれ球を左足で流し込んで勝ち越し。流れを再び呼び込むと三浦だ。弟である京都・カズとの4年ぶりの兄弟対決に燃えないわけにはいかなかった。同30分、ゴール正面約18メートルからのFK。七枚の壁をあざ笑うかのような鮮やかな弾道で左すみにズバリだ。トリはFW山下。2連続ゴールと最後まで手を緩めず、首位攻防を演じている京都を粉砕した。
今年シーズンの総合順位で、前節の12位から11位に浮上。二部落ちラインの15位の浦和との勝ち点の差は12と大きくリードした。
「なんか“初めて”ばかりだね。でもそれだけチームが良くなってきているってことだよね」。三浦の言葉を何よりも、その数々の「数字」と選手たちの歓喜が証明していた。(坂田恵紀)
◆ ◆
●知良―泰年 兄弟対決兄に軍配
福岡の三浦泰年と京都の三浦知良が、一九九五年十一月のV川崎―清水戦以来となる“兄弟対決”。
直接FKを決めた泰年は「あの位置は練習しているから」としてやったりの表情。「カズは前半に切れが良かったから、危ないかなと思っていたけどね」といたずらっぽく笑った。観戦したりさ子夫人に「泰さんにやられちゃったね」と声を掛けられたカズは「攻撃の起点になっていたね」と兄の活躍をたたえていた。
▼4年ぶりの兄弟対決に試合前、にこやかな表情をみせた三浦兄弟だったが(左は弟の知良、右は兄の泰年) ▼前半38分、福岡・藤崎(12)のスライディングタックルを受け、倒れ込む京都・三浦知
●3連勝だ J初体験
1999年9月19日付 西日本スポーツ
アビスパ5発だ 3連勝だ WでJ初体験
ヤスFK弾 兄弟対決に圧勝●森&山下ともに2得点 1部残留へ安全圏
アビスパがJ1残留の安全圏に入った。かなめのフェルナンドを風邪で欠きながら、第2ステージ2位につけていたパーブルサンガの顔色を真っ青にするゴールラッシュ。DF森が2ゴール、カズとの4年ぶりの兄弟対決を迎えたMF三浦がFKをけり込み、FW山下も2ゴール。J昇格後最多の5点を奪い、初の3連勝を決めた。今季の総合順位は11位となり、下には5チーム。1ケタ順位への躍進も夢ではない。
◆ ◆
DF森秀昭 「自信がついた。京都まで観戦にきてくれたサポーターにこたえられたことがうれしい」
MF三浦泰年 「カズのほうがやりにくかったと思うよ。試合前、整列したらチームメートがジロジロ見るんだ。僕は意識しなかったけど。まあ、これから食事にいくよ。兄弟だから」
DF小島光顕 「5―1になり、どう守っていいのか迷ってしまった。ほとんど経験ないし。でも中盤が安定していて守りやすかった」
菊川凱夫監督 「フェルナンドがいない分、いつもよりみんながよく声をかけあってプレーしていた。選手にも言っているが、一戦一戦勝ちを狙う。3連勝で自信をもってほしい」
◆ ◆
●フェルナンド欠場
アビスパ福岡のMFフェルナンド(32)が18日の試合を欠場した。へんとう腺(せん)がはれて17日の練習を休んだが、出場に向けて同日出発の遠征に帯同していたが、同日午前、菊川監督らと話し合い、「はれは収まっていたが、微熱があり、試合は無理ということになった」(同監督)。大黒柱の穴が心配されたが、MF三浦は「フェルの話は選手間では一度も出なかった。空いた穴は一人ひとりが埋めなければならないことはわかっていたと思う」と振り返った。
◆ ◆
●加茂監督 暴言退席処分に
鼻差で首位清水を追いかけていた京都が、最悪の試合内容で1―5と大敗。揚げ句にシーラスが退場し、加茂監督も暴言で退席処分を食らってしまった。
1―4と大差をつけられた後半38分、シーラスがこの試合2枚目の警告で退場。後半41分に山下に5点目を入れられると44分、ついに加茂監督がぶち切れた。退席処分に「負けたら1点取られても5点取られても同じや」と吐き捨てて監督は車に飛び込んだ。
一時は同点ゴールのアシストをしたカズも「だらしないよね。FWにはどうしようもない展開。連敗だけはしないようにがんばる」と言葉少な。(荒川敬則)
●きょう名古屋戦
1999年9月23日付 朝刊
アビスパ福岡 J1残留正念場 きょう名古屋戦アビスパ福岡は二十三日午後七時から、福岡市の博多の森球技場で名古屋グランパスと対戦する。同日、福岡が勝って年間総合順位15位の浦和レッズが敗れると、福岡はJ1残留をほぼ確定することになる。
J2自動降格となるのは、年間の順位が16チーム中の下位2チーム。福岡が名古屋に勝つと年間の勝ち点は31に達する。浦和は敗れると勝ち点16のままで、残り5試合を全勝(90分内の勝利で勝ち点3)しても勝ち点は31。福岡が残り6戦全敗でやっと並ぶ。
この場合、得失点差で順位が決められるが、現在、福岡がマイナス2に対し、浦和はマイナス22。数字上は浦和の逆転が可能だが、現実的にはほぼ不可能な数字だ。福岡が名古屋に勝った場合、勝ち点13で現在年間順位最下位の平塚は、横浜戦に敗れると福岡より下位が決定する。
主将のMF篠田は「とにかく試合に勝っていくこと。残留が目標ではなく、上位に食い込むことが狙いだから」と言いきり、菊川監督も「数字の計算はしない。この勢いを大事にしたい。勝っていけば欲も出てくる」と、狙いは上位進出にある。
前節、京都に大勝してチーム初の3連勝。他チームより試合数は1試合少ないが、失点10は16チーム中2位と、守りが安定。4連勝中と波にのる強豪名古屋の猛攻をしのぎ、一気の“残留王手”を狙う。(坂田恵紀)
●J1残留王手
1999年9月23日付 西日本スポーツ
J1残留王手 「3連勝」勢いそのままきょう名古屋戦
ストイコビッチ徹底マーク DF陣食い止める
第2ステージでの失点リーグ2位の安定した守備を柱に、今日の名古屋戦で1部残留に王手をかけたいアビスパ福岡 アビスパ福岡はきょう23日、博多の森球技場で名古屋と戦う。J昇格後初の3連勝で勢いに乗っており、22日の雁の巣での練習でもイレブンはいい動きを見せた。攻撃力のある名古屋は4連勝中。第2ステージに入って安定している守りでストイコビッチらゴールハンターを止め、アビスパは4連勝とJ1残留をつかみにいく。アビスパが名古屋に勝ち、浦和がG大阪に敗れれば、アビスパのJ1残留がほぼ確定する。
アビスパは前節の京都戦で5―1と圧勝し、J昇格後初の3連勝を成し遂げた。第2ステージに入ってから得失点差はプラス5。失点は8試合で10と、1試合平均(1・25)では16チーム中5番目に少ない。この数字が安定した戦いを繰り広げている証明だ。
名古屋はエースで日本代表FWの呂比須が前節の試合で左足を負傷し、23日は欠場する。FWストイコビッチ、MF山口らを擁する攻撃陣は分厚い。アビスパDF陣がいかに食い止めることができるかが勝敗のカギとなる。
「今は全体的な動きもそうだけど、DFラインの統制が取れている。名古屋戦ではストイコビッチだけ注意しておけばあとは怖くない」と、DF小島光顕は自信を見せる。今年の第1ステージでは、ストイコビッチにゴールを決められ、名古屋に0―1で惜敗。
倉田安治ヘッドコーチは「ゲームでDFラインが崩れても、うまく修正できるようになった」と成長を認める。ゴールラッシュを見せた京都戦の勢いに乗って1試合平均失点2・1、トーレスを警告の累積で欠く名古屋DF陣を突破し、ストイコビッチを止めれば、4連勝、そしてJ1残留も確実になる。(松尾正和)●塚本がベンチ入り
〇:完全復帰直前で右ひざのじん帯痛を再発させ、戦列を離れていたGK塚本が、23日の名古屋戦で今季初のベンチ入りをする。全体練習には合流していたが、まだ実戦経験がない。「試合感は鈍っていると思うが、それもわからない」という状態。だが「ベンチに入るだけでも、感触はある程度つかめる」と意欲をみせながら「もう9月も終わりか―」と、苦しんだリハビリの日々を振り返っていた。☆アビスパ福岡のJ1残留の可能性
福岡が23日の試合を90分以内で勝って勝ち点3を挙げ、年間総合順位15位の浦和が敗れると、福岡のJ1残留がほぼ確定する。J2自動降格となるのは、年間順位が15、16位の下位2チーム。福岡が名古屋に勝つと、年間の勝ち点は31。一方、浦和が敗れると、同16のままで、残り5試合を全勝しても勝ち点は31。得失点差で福岡が浦和を20点上回っているだけに、浦和の逆転は考えにくい。また、年間順位最下位の平塚が敗れた場合、残り5試合全勝しても勝ち点28。延長戦で勝ち、残り5試合全勝でも勝ち点30にしかならず、福岡に及ばない。Jリーグ第2ステージ第9節までの失点表(9月22日現在)
順位 チーム 失点 得点 第2S順位 1 清 水 9 18 1 2 福 岡 10 15 9 3 横 浜 11 20 3 4 柏 12 16 2 4 G大阪 12 8 10 ※柏、京都は残り5試合、
福岡、広島は7試合、その他は6試合
●福岡連勝ストップ
1999年9月24日付 西日本スポーツ
福岡連勝ストップも収穫 2戦連発山下
逆転負け“残留当確”ならず ゴールへ猛進 復活見えた
【福岡―名古屋】前半7分、福岡FW山下が先制ゴールを決める ▼名古屋 3―1 福岡
J1残留の当確ランプをともせなかった。FW山下芳輝の先制ゴールを生かせず、アビスパは逆転負け、連勝も3で止まった。「相手に落ち着いてボールを回されて崩された。広島戦までにチームを立て直す」。菊川凱夫監督は次の戦いに気持ちを切り替えた。前半は押しまくった。シュート数は10―3。「自分は得点してアピールするしかないんです」。シドニー五輪最終予選のメンバーから漏れた山下が再三、相手ゴールを脅かした。
前半7分、MF三浦泰年から渡った浮き球のパスを、相手陣内右サイドにいたMFマスロバルが相手DFを抱え込みながらヘディングで山下へ。待っていましたと言わんばかりに山下が右足でボールを受け、切り返した左足で先制ゴール。その瞬間、台風18号の影響による雨が降り注ぐ博多の森のスタンドが揺れた。
「ゴール中央に走り込んだときに、マキ(マスロバル)からボールが渡ると思っていた」と山下。「オレがボールを持ったら必ずボールを出すから」。山下は練習のときからマスロバルに言われてきた言葉を信じていた。
前節に第2ステージ待望の初得点を挙げ、これで2戦連続ゴール。「復活? まだまだですよ」。だが、この日対戦した東福岡高の後輩で五輪代表のDF古賀正紘は「山下さんはワンタッチで球をさばくので、やりづらかった。あのゴールは完全に山下さんにやられました」と脱帽だ。
それでもまだ菊川監督は満足していない。「山下は立ち上がりは良かったが、時間がたつにつれて相手マークに押され気味になった。動きが90分続くプレーヤーになってほしい」。この注文にこたえられれば、アビスパの、そして山下自身の未来は明るい。(松尾正和)
▼逆転負けを喫し、降りしきる雨の中を引き揚げるアビスパイレブン ▼【福岡―名古屋】後半26分、シュートを放つアビスパMFフェルナンド(左)と、懸命にブロックするグランパスMF望月(9月24日朝刊掲載)
●ダイエーVに喜びの声
1999年9月26日付 朝刊
福岡ダイエーV 関係者喜びの声 アビスパにも喜び▽真鍋純哲・アビスパ福岡社長 アビスパにとってもうれしいニュースです。先輩ホークスに負けないよう頑張って10年以内の優勝を目指します
▽菊川凱夫・アビスパ福岡監督 根本さんのめい福を祈りつつおめでとうございます。われわれも次の目標に向かって努力し、同時優勝が早くできるように頑張っていきます
●アビスパサッカー教室
1999年9月26日付 朝刊
プロの指導にハッスル アビスパサッカー教室
少年少女168人が参加アビスパ福岡は二十五日、福岡市中央区の平和台陸上競技場で小学生を対象にした少年少女サッカー教室を開催。百六十八人が参加した。プロ選手とじかに触れ合うことでサッカーにもっと関心を抱き、同時に地元球団を盛り上げてもらおうという狙い。
まず新田大介選手(19)らがキック、トラップなど基本プレーを披露。遊び感覚を取り入れた指導で、リフティングなどを得点方式で競い合い、アビスパチームと対戦するミニゲームで仕上げ。福岡市東区の本多結希さん(10)=松島小五年=は「アビスパと引き分けてうれしい。もっとうまくなりたい」と話した。
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