ゴールデンウイークは目の前。1年で最も快適なこの季節、できれば野山にでかけ、風に吹かれてみたいもの。お昼はもちろんおにぎりだが、「最近は三角におにぎりを握れない親が多い」という風聞が巷(ちまた)にちらほら。ここは一つ究極のおにぎりで見返したい。目指すのは“おにぎりの鉄人”だ。
=2000.04.25朝刊掲載
■目指せ「おにぎり」の鉄人■
簡単なラップの紙包み(右上)、みそを塗った焼きおにぎり(右下)など。アイデア次第でいろんなおにぎりが出来る
コンビニエンスストアをのぞけば、驚くほど多種多様なおにぎりがあるが、やはり白米にのりが基本形。福岡市中央区のふくおか社会保険センターの料理講座で、特別に「おにぎり実習」を開いてもらった。講師は栄養士の猪俣美津子さん。
「一番大切なのは炊き立てを熱いうちに握ること」と開口一番言い切った猪俣さんの手はもう真っ赤。冷めた飯は粘りがなく、にぎりにくい。おまけに、でんぷん質が変質してしまって、うまみを失っているという。 このほか猪俣さんが教えてくれた「うまいおにぎりのコツ」は次の三つ。
(1)塩のつけ過ぎに注意。適量は二本の指先にチョンとつける程度
(2)握る力は軽く握手する程度
(3)四、五回転がして形をつくる。回数を増やすと固くなる
三角にぎりは手のひらを「く」の字型に曲げ、その形を崩さずにおにぎりをリズミカルに回転させるのがこつ。しかし、これが結構難しい。「三角形にこだわらず丸形でも、俵型でもいい。要は家族への愛情を込めてにぎること」と猪俣さん。
「超初心者向き」と教えてくれたのが、ラップをつかった「袋づつみ」。ご飯に刻んだ梅干しなどをまぜ、ラップにつつむだけ。弁当箱におかずと一緒に詰めても、汁や味が移らないメリットがある。
三角おにぎりのコツを教える猪俣さん(右から2人目)
さてここまでの基本編を踏まえて、「応用はアイデア次第。それぞれの家庭の味を作り出せる」のがおにぎりの楽しさ。郷土の味に挑戦するのもいい=
別表参照
。福岡市・天神、イムズの「お米ギャラリー天神」の伊藤玉子管理課長は「ふるさとのおにぎりは、その土地の素材をうまく使ってます。お米の味とうまくミックスされたおにぎりの名作ばかり」。
「あの連休、〇〇で食べたおにぎりおいしかったね」。家族でそんな思い出を語り合えるおにぎりを握ってみたい。
三角おにぎり
(2)下の手でおにぎりの厚みを決め、上の手で側面を平らにします。
(1)手をくぼませてくの字型にし、三角のそれぞれの角を作ります。
おむすび豆知識
「おむすび」と「おにぎり」
九州を含め関西以西は「おにぎり」、東は「おむすび」と呼ぶ地域が多い。古代、神への供物としてつくられ、万物の生みの神「産霊(むすび)の神」との関係を指摘する説もある。中世の絵草子には丸形のおにぎりが描かれている。また、三角むすびについては、民俗学者、柳田国男が「錘(おもり)の形を擬した」という説を唱えている。
■九州・山口のふるさとおにぎり■
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