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有明海のノリ色落ち問題で始まり、川辺川ダム建設問題で揺れた二〇〇一年も残りわずか。序盤の三カ月は年明け早々、阿蘇地方で震度5の地震が発生し、球磨川漁協が総代会で国の漁業補償案を否決するなどの大きなニュースがあった一方で、地元のサッカークラブがJFLに昇格し、水俣市が「エコタウン」に指定されるなどの明るい話題もあった。県内の主な出来事を三カ月ずつ四回に分けて振り返る。
■1−3月 主な出来事
1・1 有明海養殖ノリ色落ちで、諫早湾干拓事業に反対した福岡、佐賀、熊本県荒尾市の漁業者が潮受け堤防付近で海上デモ実施。13日、18日にも海上デモ
1・10 夜、阿蘇地方を震源とする地震が発生、文部科学省が設置した高森町役場の震度計が震度5強を観測。斜面から道路に約1トンの落石や、民宿のかわら約300枚が落ちるなどの被害
1・22 小国町森林組合を舞台にした背任事件で、前組合長の北里達之助元県議に、熊本地裁は執行猶予付きの有罪判決
1・25 熊本市の社会人サッカーチームのNTT西日本熊本フットボールクラブが、JFLに昇格
1・27 国交省が川辺川ダム建設で球磨川漁協に約16億5000万円の漁業補償案提示
1・28 任期満了に伴う波野村長選が投開票され現職の市原新氏が再選
1・31 業務上横領容疑で逮捕された波野村の村診療所女性元職員に、熊本地裁は懲役2年の実刑判決
2・1 傷みの激しい天草五橋・松島橋の改修工事がスタート。完了後は車道の幅員が現在より50センチ広い7メートルになる
2・6 水俣市は九州で3番目の「エコタウン」に承認された。推進本部設置から2年。一時は承認も危ぶまれたが、水俣市独自の「小都市型プラン」が評価された。エコタウン承認で、リサイクル企業には建設資金が融資されるなど、企業誘致に弾みをつけた。10月には、第1号の瓶のリユース企業が操業を開始した▽有明海のノリ色落ち被害で、水俣病研究で知られる原田正純熊本学園大学教授らが視察。「国は有明海に関するあらゆるデータを公開し、市民側に立った原因調査が必要」と主張
2・9 熊本市の国立熊本病院で、脾臓(ひぞう)などの摘出手術の際に腹部の動脈を傷つけ、男性患者重体
2・10 玉名署の元巡査部長=当時(56)=が大矢野署交通課に勤務していた1996−98年にかけ交通反則切符など21件を検察庁に送致せず放置し、時効になっていたことが発覚。県警は、同巡査部長を停職3カ月の懲戒処分、当時の署長ら6人を本部長訓戒
2・12 1972年4月以来、無投票が続き29年ぶりの選挙戦となった旭志村長選で、元村議会議長の石井光幸氏が無所属の2新人を退け初当選を果たす
2・21 長洲町の町地域福祉センターで利用者13人がお好み焼きを食べた後、こん睡状態になるなどして入院。県警は同月26日、服用中の精神安定剤などの薬物をお好み焼き混ぜ、利用者13人に急性薬物中毒を起こさせたとして傷害の疑いで、センター常連客の無職男を逮捕▽2002年W杯サッカーのベルギーのキャンプ地に熊本市が内定
2・22 県が3年間で歳出を1314億円削減する財政健全化計画を発表
2・25 高齢化と人手不足に悩む野焼き作業にボランティアが助っ人、瀬の本高原の輪地(防火帯)づくりが5年ぶりに復活
2・28 球磨川漁協総代会が漁業補償契約案を否決
3・13 荒尾市が、経営破たんした第3セクター「アジアパーク」に補助金と金融機関への損失補償名目で公金を支出したのは違法として、住民40人が北野典爾市長を相手取り支出済みの公金約2億8500万円の返還などを求める訴訟を熊本地裁に起こす
3・17 スペイン風の飾りを豊富に採り入れたゴシック風建築が特徴の県立玉名高校(玉名市)の本館、正門、前庭池が国の登録有形文化財に指定される
3・21 県教委は古代山城の鞠智(きくち)城跡から、国内初の水くみ場が出土したと発表
3・23 県営天草空港(五和町)が開港1周年。福岡便の好調ぶりと対照的に、熊本便の苦戦が続く
■1−3月 経済・スポーツ話題・事件司法・行政・政治
■経済
▼ノリ不作で県が緊急融資制度創設
有明海の養殖ノリの色落ち問題で県は一月十八日、被害を受けた生産者に対する低利融資など緊急融資制度を創設すると発表した。昨季の本県のノリ不作被害は荒尾沖が中心で、販売枚数は前期比18%減となったが、他県の被害深刻化により、販売額は同3%減に食い止めた。ノリ色落ちは今季も熊本市沖などで十一月下旬に発生したが、ノリ網一斉撤去や海況好転で、ひと息ついている。
▼天草空港が開港1周年
県営天草空港(五和町)が三月、開港から一周年を迎えた。第三セクター「天草エアライン」が福岡、熊本両空港との間に運航する定期便の利用率は平均72%に達し、採算ラインの65%を上回る好調ぶり。特に福岡便は「日帰り出張が可能」とビジネス客に歓迎され80%台を維持。
▼イ草業を守れ 県経済連など県内のイ草生産者約千六百人が三月三十一日、八代市で「い業生産者総決起大会」を開催。中国などからの輸入が急増しているイ草について、緊急輸入制限(セーフガード)の発動を国に求める大会決議を採択した。政府は四月二十三日、畳表(イ草)など農産物三品目のセーフガードを暫定発動した。
◇
■スポーツ話題
▼阪神大震災被災者支援を
八代高専生ら九州の高専生が三月十五日、阪神大震災の被災者支援を呼びかけながら自転車で九州一周するキャラバンをスタート。被災者が作った壁掛けタオル「まけないぞう」を売って回り、三十一日に八代市にゴールした。企画者の一人は「九州人の親切に触れ、震災を風化させてはならないと感じた」と話した。
▼アルエット、JFLに昇格
熊本市の社会人サッカーチーム「NTT西日本熊本フットボールクラブ」(アルエット熊本、河野忍監督)が、一月二十五日、JFLに昇格。県内初のJFLチームの誕生となった。アルエット熊本は一九六九年に社員の同好会として創設。九州リーグに所属し六回優勝、全国地域リーグ決勝大会で三位になり、昇格を申請していた。
▼「芦北ひまわり学校」開校
芦北町の町民が中心に進めてきた募金で、カンボジアに学校が開校。三月末、竹崎一成町長や児童、生徒代表が現地に赴き開校式に立ち会った。校舎の周りには日本から携えたひまわりの種を植えたという。
◇
■事件司法
▼本渡市の小学校教師が女児着替え盗撮
本渡市の小学校で男性教師=当時(29)=が昨年七月、女児が着替える姿を盗撮していたことが一月十二日、明らかになった。この教師は、五年生のクラス担任で、水泳のため更衣室として利用していた空き教室で着替えていたクラスの複数の女児を、段ボールで隠したビデオカメラで盗撮していたという。同教師は、懲戒免職処分になった。
▼熊本市川尻で不発弾処理
熊本市川尻三丁目の加勢川河川敷で昨年十二月にみつかった不発弾の処理が一月二十一日、付近の住民約千三百人を避難させて行われた。不発弾は太平洋戦争中に米軍が投下した五百キロ爆弾。陸上自衛隊目達原駐屯地(佐賀県三田川町)の不発弾処理隊が作業にあたった。作業中、現場近くを走るJR鹿児島線の普通列車など交通機関が一時ストップ。
▼「水俣病待たせ賃訴訟」最高裁で敗訴
水俣病認定申請者が、長期間の認定業務の遅れで精神的苦痛を受けたとして、国と県に損害賠償を求めた「待たせ賃訴訟」で、最高裁は二月十三日、原告の上告を棄却し原告敗訴が確定した。一、二審とも原告全員に賠償を認めたが、最高裁は二審判決を破棄し、差し戻し。差し戻し控訴審は原告逆転敗訴の判決を言い渡し、上告していた。提訴から約二十二年での終結だった。
◇
■行政
▼諫早湾干拓工事反対の海上デモ
昨年十二月初旬から有明海の養殖ノリに色落ちが発生、被害が拡大したことから原因は国営諫早湾干拓事業にある、とする福岡県、佐賀県や、県内でも最も被害が出た荒尾市の漁業者らの漁船二百隻が一月一日、潮受け堤防周辺に結集し抗議行動を行った。
▼「まちつくり酒屋」復元
江戸時代に建築したとされる旧造り酒屋を補修、復元した宮原町の文化交流施設「まちつくり酒屋」が一月六日、完成。敷地面積約千二百七十一平方メートルに、木造二階建て(延べ床面積約四百平方メートル)。町内に数少ない純和風屋敷として町が一九九五年に買収し、改修を進めていた。
町は同施設をくらし博物館や工房、宿泊研修、交流サロンなど多目的に活用。同町出身でプロ野球福岡ダイエーホークスの秋山幸二選手の資料も常設展示している。
▼球磨川漁協総代会がダム補償案否決
川辺川ダム(相良村)流域の球磨川漁協に対し、国土交通省が一月二十七日、約十六億五千万円の漁業補償案を提示。同漁協との漁業補償契約は、ダム計画に残された最後の法的手続き。ダム容認と反対の二派に割れた同漁協は、二月二十八日の総代会で、議長を除く総代九十九人が補償案受け入れを採決した。結果は、賛成五十九、反対四十。容認派は可決に必要な三分の二を確保できず、補償案は否決された。
▼県が財政健全化計画を発表
県は二月二十二日、民間企業の倒産に相当する「財政再建団体」への転落を回避するため、本年度から五年間の財政健全化計画をまとめた。〇三年度までの「緊急・集中取組期間」に歳出を千三百十四億円削減するなど、歳入・歳出両面で量的目標を掲げ、〇五年度に財源不足を解消することに一応の道筋をつけた。公共事業の大幅削減や県職員の給料2%カットなどが盛り込まれた。また、本年度当初予算も前年度本予算比3・7%減の「超緊縮型予算」となった。
▼玉名市の学校給食委託料をめぐり市民が監査請求
玉名市が玉名農協に対して正規の委託料とは別に「米飯加工委託料」を払っていた問題で、同市内の児童、生徒の保護者らが「不当な公金支出に相当する」と住民監査を請求。同市議会委員会も支出に疑義を唱えるなど、その使途の解釈をめぐり紛糾した。同市は「県学校給食会からの正規委託料だけでは農協が米飯加工業務を維持できない。補助金として必要」と主張。県から「市に明確な説明を期待する」と注文を付けられるなど波紋が広がった。
◇
■政治
▼魚住氏が自民党に復党し比例に出馬へ
自民党熊本県連(木村仁会長)は一月七日、無所属で熊本選挙区選出の魚住汎英参院議員の復党を承認した。魚住氏は同党復党で今夏の参院選では比例代表で出馬すると表明し、同県連は参院選での保守分裂を回避した。同選挙区は、今回から改選数が二から一に減少。魚住氏は「復党が認められなければ無所属で出馬する」との意向があっただけに、同党は一議席死守に向けた態勢が整った。
四月は、阿蘇中岳第一火口で九カ月ぶりに土砂噴出を確認。五月には熊本地裁がハンセン病国賠訴訟で国の賠償責任を認める判決を出した。一方、川辺川ダム問題では六月に慎重論を唱えていた人吉市議会が早期着工を求める意見書を可決し、促進路線に転換した。
■4−6月 主な出来事
4・1 町に「つなぎ美術館」がオープンした。展示室のほか町民が利用できるアトリエなど設置▽阿蘇郡内7JAの合併によるJA阿蘇が発足
4・4 児童数減少に伴う複式学級の解消などを目的にした坂本村の統合小学校の敷地造成工事がスタート。村内8校のうち当面は7小学校を統合、2003年4月の開校を予定。残り1校も08年春までには統合の見込み
4・4、5 大矢野町など天草東部4町と、本渡市など11市町がそれぞれ任意の合併協議会を設置。ともに来年4月の法定協議会発足を目指す
4・6 阿蘇中岳第一火口の南側火口壁下部で9カ月ぶりに土砂噴出を観測
4・9 産山村の「うぶやま牧場」の風力発電施設(最大600キロワット)が完成し起動式
4・10 甲佐町糸田の路上で乗用車で通行中の熊本市の暴力団幹部が別の車の男2人から短銃で撃たれ死亡。県警は11日、殺人の疑いで同じ系列の暴力団組員の男2人を逮捕
4・13 久木野村の日本国際童謡館が金融機関から土地・建物の競売を申し立てられ経営不安が表面化
4・16 地元の木材をふんだんに使用した温泉健康増進施設「ゆーかむ」が鹿北町に落成
4・20 高速道路などのトンネル工事でじん肺になったのは粉じん対策を怠ったためとして元建設作業員らが大手ゼネコンなどに損害賠償を求めた「トンネルじん肺訴訟」で、熊本地裁に提訴していた第1次原告17人と被告33社について、九州で初の和解が成立
4・26 県教委は、公立中学校の男性教諭(29)が、学校の女子寮舎監室で女生徒の体を触るわいせつ行為をしたとして、同日付で懲戒免職処分にした
5・1 熊本市の熊本学園大の文科系サークルが開いた新入生歓迎コンパで焼酎を飲んだ新入生男子が急性アルコール中毒とみられる症状で死亡。コンパには新入生や部員、OBら約150人が参加。死亡した新入生は上級生から焼酎の一升瓶を渡され一気に飲み干した後、死亡した
5・8 熊本市のバーテンダー元松麗子さん(25)がカクテル作りで、九州一に
5・10 熊本市の肥後タクシーが、車いすのまま乗降できる全国初の小型のユニバーサルデザインタクシー「ユニタク」を導入
5・11 ハンセン病国賠訴訟(第1次から4次までの原告127人)の判決が熊本地裁であり、「らい予防法に基づく国の隔離政策は違憲」として、見直しを怠った厚生省や国会議員の立法不作為を含めた国の賠償責任を認め、国に総額18億2300万円の支払いを命じた
5・12 ミヤマキリシマ観光シーズンに深刻な道路渋滞が発生する一の宮町の仙酔峡で今年からシャトルバスを運行、渋滞解消が実現
5・23 国がハンセン病国賠訴訟の控訴を断念
5・25 中球磨地域5町村の合併協議会が合併推進を確認、事実上合併に合意
5・30 県内初となるごみ固形化燃料(RDF)加工施設の起工式が阿蘇町跡ケ瀬地区の建設用地で
6・1 阿蘇郡内の7組合が合併し阿蘇郡森林組合が発足
6・7 「恐竜の島」をPRして地域振興を図る御所浦町に初の修学旅行団
6・8 荒尾市の「アジアパーク」敷地4・4ヘクタールを福岡県飯塚市の会社社長に17億円で売却
6・18 2月の総代会で否決された川辺川ダムをめぐる漁業補償交渉が再開
6・19 南関町の大石駿四郎町長が、民事訴訟の一部敗訴を受け、損害賠償分の368万円を給与減額案提案、21日可決▽坂本村議会が川辺川ダムの住民投票条例案を否決▽潮谷知事が菊池恵楓園を訪れ、入所者に「無らい県運動」など県の隔離政策を謝罪
6・20 熊本市の崇城大工学部の上岡龍一教授(応用生命科学科)らが「焼酎の製造過程で出る廃液の蒸留かすに、がん細胞の増殖を抑制する効果がある」と発表した
6・21 人吉市議会が川辺川ダムの早期本体着工を求める意見書を可決。同市議会は3月に環境アセスメントを求める意見書を採択し、慎重論に転換していたが、促進に再転換
6・29 梅雨前線の活動が活発化し阿蘇地方で局地的豪雨、阿蘇町狩尾で鉄砲水が発生し住宅や納屋3棟が全半壊
■4−6月 話題・政治・事件司法・経済
■話題
▼“ユニタク”を導入
熊本市の肥後タクシー(野々口英子社長)は、車いすのまま乗降できる小型のユニバーサルデザインタクシー「ユニタク」を導入、県庁で五月十日、出発式をした。小型のユニタクは全国初。ユニバーサルデザインは健常者や障害者らだれもが快適に使える設計、デザイン。通常八人乗りのRVを五人乗りに改造。車内が広くスロープを使い車いすのまま乗り込んでも対面座席で同乗者と会話ができる。初乗り運賃は同社の小型と同じ五百六十円に据え置き。また九州初の特定大型(七人乗り)も同時導入。
▼御所浦町に初の修学旅行団
町内で見つかった恐竜の化石を生かして「観光と学習の島づくり」を打ち出している御所浦町に六月七日、初めての修学旅行団がやってきた。岐阜県坂祝町の中学生百人余りが、七軒の旅館と民宿に分かれて一泊した。生徒たちは、恐竜の骨格レプリカやアンモナイト化石を展示した資料館を見学したり、約一億年前の地層が残る場所で化石掘りを体験した。
▼金ぱく瓦片が出土
八代市教委が六月七日、同市古城町の麦島城跡から、金ぱくが施された瓦(かわら)片を出土したことを発表。発掘による金ぱく瓦の発見は県内初。金ぱく瓦の使用は当時、主要な城にのみ許されており、市教委は「麦島城が単に熊本城などの支城、出城にとどまらず、重要な意味を持つ城だったことが裏付けられる」と分析。
▼「つなぎ美術館」オープン
県南の地に文化の華を咲かせたいと、四月一日、津奈木町に美術館がオープンした。二階建てで延べ床面積は約八百二十平方メートル。美術館を望む舞鶴城公園との間を結ぶモノレールも合わせてオープンした。
◇
■政治
▼「熊本保健大」白紙に
八代市は同市日奈久地区に誘致を進めている四年制の「熊本保健大学(仮称)」について、五月二十三日、白紙に戻す方針を明らかに。市は大学を設置する東京の医療法人・大坪会が新たに申し出た当初計画の変更に合意できず、現状で大学建設などの補助金確保も困難と判断した。
▼水俣病申請書に県職員が差別表現
水俣病認定の申請書類に、県職員が「聞こえにくいのは誇張」「ニヤニヤ笑うばかり」など、差別や偏見に満ちた記述を行っていたものが多数あったことが、県の調査で判明。六月五日、県幹部が水俣市を訪れ、患者団体に報告、陳謝した。
▼「国立水俣病情報センター」開館
水俣病関係書類の収集、保存を目指す情報センターが、六月九日、水俣市に開館した。水俣市立水俣病資料館や県環境センターに隣接、三館の有機的な連携が期待されている。
▼吉井正澄水俣市長、引退表明
吉井市長は六月十二日の同市議会一般質問で「スピードのあるうちにバトンを渡したい」と、来年二月の市長選不出馬を表明した。
◇
■事件司法
▼「水俣病関西訴訟」控訴審判決
関西地区に移り住んだ水俣病被害者が国や県、チッソに損害賠償を求めた「関西訴訟」は四月二十八日、大阪高裁で控訴審判決が言い渡された。「国、県は排水規制などをせずに被害を拡大させた過失がある」と、高裁では初めて行政責任を認めた。病像面でも疫学を取り入れた感覚障害重視の新たな判断を示した。半面、原告個々については一審の賠償額を減額されたり、棄却される人も出るなど厳しい判断も。国、県は五月十一日、判決を不服として最高裁に上告した。
▼八代で連続不審火
八代市の八代白百合学園高校や近くの寿屋八代店で五月三日、連続不審火が発生。その後、六月までに八代東高校などでも発生。八代署は九月、八代市の八代一中の放火容疑で同市の土木作業員を逮捕。その後の調べで、作業員は五月以降の四件の放火を自供した。
▼熊本地裁でハンセン病国賠訴訟原告に勝訴判決
国の強制隔離政策で基本的人権を侵害されたとして西日本各地の国立ハンセン病療養所の入所者ら元患者が、国に損害賠償を求めた訴訟の判決が五月十一日、熊本地裁であり、杉山正士裁判長は「医学的知見などを総合すると一九六〇年以降、隔離の必要性は失われ、らい予防法の違憲性は明白だった」と判断。政策見直しを怠った厚相と法の改廃をしなかった国会の不作為まで含めた国の責任を認め、原告全員に総額約十八億円の支払いを命じた。政府は責任を認め、二十三日に控訴断念。潮谷義子知事は六月十九日に菊池恵楓園を訪問し、「謝っても謝りきれない」と「無らい県運動」による隔離政策を謝罪。県は、ハンセン病の正しい理解に関する啓発活動などに取り組んでいる。
▼熊本市下硯川町の強盗傷害事件で岐阜市の男など3人を強盗傷害容疑で再逮捕
昨年十二月十七日夜、熊本市下硯川町の建設業の男性が自宅で二人組の男に襲われ現金を奪われた事件で、県警捜査一課と熊本北署は五月十六日、強盗傷害の疑いで岐阜市の飲食業葛谷秀夫被告(38)=同罪で起訴=ら三人の男を逮捕した。調べでは三人は共謀し建設業の男性宅に押し入り、家人をゴルフクラブで殴ったうえ現金百五十万円入りの財布を奪ったとされる。
▼熊大生飲酒死で教授ら16人を書類送検
一九九九年六月に熊本大医学部漕艇(そうてい)部の新入生歓迎会に参加した男子学生=当時(20)=が急性アルコール中毒とみられる症状で死亡した事故で、五月二十四日、県警捜査一課と熊本北署は傷害致死などの疑いで教授や上級生ら計十六人を熊本地検に書類送検した。
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■経済
▼うぶやま牧場の風力発電施設が起動
産山村山鹿の第三セクター「うぶやま牧場」で県内最大規模(最大出力六百キロワット)の風力発電施設が完成し四月九日、起動式が行われた。村試算では、年間の発電量は村全戸数の約四割の消費電力に相当する約百万キロワットで、牧場内施設で使用するほか一部は九電に売電する。
▼サントリー社長が熊本工場着工を発表
サントリーの佐治信忠社長は五月三十一日、嘉島町と御船町にまたがる同社所有地(約四十ヘクタール)に建設する「九州熊本工場(仮称)」の概要を発表した。ビール・発泡酒に加え、清涼飲料も生産する総合工場とし、来年二月に着工、二〇〇三年春に年十三万キロリットル体制で操業を開始する方針。投資額は約三百億円、従業員は約百三十人を予定。建設計画は一九八八年の進出協定締結以来、再三延期されていたが、発泡酒の売り上げが急速に伸び着工が具体化した。
七月、県内は猛暑に覆われ、中学一年生の男性が熱中症とみられる症状で死亡した。八月は、八代市の秀岳館高校が夏の甲子園大会に初出場し、全国の強豪と互角に戦い、3回戦まで進出。さらに「ひのくに新世紀総体」が開幕するなど、スポーツ面で明るい話題が紙面を飾った。一方、九月は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の人材養成大臣会合が開かれ、九州の中核都市「クマモト」を各国にアピールするなど国際色豊かな一カ月となった。
■7−9月 主な出来事
7・ 3 県教委は、今年1月、上益城郡の中学校で男性教諭(39)が担任として受け持っていた2年生男子生徒の顔を平手打ちして鼓膜を破るけがを負わせた問題で、この教諭を戒告処分にした。県教委によると、教諭は冬休み期間中に生徒が髪を茶色に染めたため「二度とこんなことをするな」と、顔を2回たたいたという
7・ 5 熊本市内の中学校で同級生や教師への暴力を繰り返すなどしていた14―16歳の中学生8人と卒業生5人の計13人を、7件の傷害や暴力などの容疑で、熊本東署が摘発▽国立天文台は南小国町在住のアマチュア天文家の宇都宮章吾さんが、アマチュアのすい星発見者に贈られる「エドガー・ウイルソン賞」を日本人で初受賞したと発表
7・25 八代市の秀岳館高校が、夏の全国高校野球熊本大会で優勝し、初の甲子園出場を決めた。第83回全国高校野球選手権大会では、秀岳館が3―0で春夏連覇を目指した優勝候補の常総学院(茨城)を破り3回戦へ。
7・29 参院選熊本選挙区で自民党の三浦一水氏が再選
8・ 1 ひのくに新世紀総体が開会
8・ 4 全国高校総体で阿蘇高校女子剣道部が団体の部3連覇
8・15 県教委と各市町村教委や県内の国立、私立中学は、2002年度の教科書採択結果を明らかにし、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の中学歴史・公民教科書(扶桑社刊)は、内容の難しさや記述の偏りなどが問題視され、採択はなかった
8・24 人吉市南部の森林農園建設計画で土地を所有する財産区が土地売買覚書を可決。水質悪化を訴える地元住民らが猛反発▽九州農政局(熊本市)の第三者委員会が長崎県の国営諫早湾干拓事業の見直し答申
8・31 荒尾市の「アジアパーク」の臨時株主総会が開かれ、特別清算業務終了が報告され、同社は消滅した
9・ 1 ごみの不法投棄防止へ山鹿市と近隣の10郵便局が情報提供協定を締結
9・10 九州新幹線の並行在来線対策検討協議会で10年間の黒字試算を県が公表▽熊本大大学院自然科学研究科で学んできた元大学教授の佐々貫敬さん(80)=大津町吹田=が、工学博士の学位を取得し、授与式が行われた
9・11 2003年4月合併予定の中球磨地域5町村の新町名が「あさぎり町」に決定▽熊大病院(熊本市)は、肝臓の難病アミロイド・ポリニューロパシー(FAP)患者とともに別の肝臓病患者を救う国内では8例目の「生体ドミノ肝移植」を実施
9・13 狂牛病の感染を調べるため畜産農家の緊急立ち入り検査開始
9・17 保守党の扇千景党首が党首を解任され、衆院熊本2区選出の野田毅幹事長が党首に昇格
9・18 県緊急雇用対策会議が発足
9・19 本渡市は、環境管理システムの国際規格「ISO14001」の認証取得へ向けて、職員11人で構成するプロジェクトチームを発足。来年末までの実現を目指す。ごみ排出量削減、河川浄化、暖冷房や照明など庁舎内のエネルギー節約−などについて実践計画を策定。来年4月から3カ月間、各部署で実行し、実績を審査機関に提出する予定。
9・22 阿蘇町黒川の西巌殿寺の本堂から出火、全焼し県指定重要文化財の仏像7体など多数を焼失
9・27 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の第4回人材養成大臣会合が熊本市で開幕
9・28 人吉市議会が川辺川ダム建設の是非を問う住民投票条例案を否決▽本社移動編集局が大牟田・荒尾で開催。局幹部と読者が意見交換
■7−9月 事件司法・政治・行政・経済・スポーツ
■事件司法
▼中学生にエアガン乱射の男逮捕
七月七日朝、熊本市渡鹿の市道で、登校中の中学生十二人がエアガンで撃たれ、顔や腕などに軽いけがをした。熊本東署は同九日、傷害と暴行の疑いで近くに住む塗装店アルバイトの男(21)を逮捕。男は熊本地裁に起訴され、懲役二年、保護観察付き執行猶予五年(求刑は懲役二年)の判決が言い渡された。
▼熱中症の症状で中一男子死亡
七月二十四日午後二時ごろ、日本一の石段で知られる中央町坂本の石段(三千三百三十三段)で、東陽村北の東陽中一年吉崎雄太君=当時(11)=が突然倒れ、病院に運ばれたが約四時間後に死亡した。熱中症とみられる症状だった。熊本地方気象台によると県央部の最高気温は三五度を超す猛暑だった。
▼熊本市で入庫中の路面電車が脱線、衝突
八月九日夜、熊本市大江の同市交通局の市電車庫前で熊本駅発交通局前行き路面電車(一両)が入庫しようとしたところ、ポイント切り替えのトラブルが発生、車体後部が対向軌道にはみ出し、近づいてきた別の路面電車(二両編成)と衝突した。乗客にけがはなかった。同交通局は操作ミスをした職員や監督責任のある幹部職員ら五人をボーナスカットなどの処分にした。
◇
■政治
▼参院選で自民三浦氏が再選果たす
参院選熊本選挙区は七月二十九日に投開票され、自民前職の三浦一水氏が約四十八万票を獲得、民主新人の香山真理子氏、共産新人の西川悦子氏、自由連合新人の三角和雄氏、新社会新人の石田博文氏を大差で破り、再選を果たした。自民は、改選数が二から一に減ったことで候補者を調整。厚い保守地盤と、終盤に熊本入りした小泉首相の人気を最大限活用し、一議席を死守した。
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■行政
▼熊本市でAPEC人材養成大臣会合
アジア太平洋の二十一カ国・地域が加盟するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の第四回人材養成大臣会合が九月二十七日から四日間、熊本市内のホテルで開かれた。同会合の地方開催は初めてで、県にとっても初の政府間会合だったが、通訳ボランティアが二百人近く集まるなど、市民の関心の高さは予想以上。情報技術(IT)格差解消に向けた協力をうたった「熊本宣言」を採択し、開催地熊本を印象づけた。
▼熊本市が交際費取扱指針
熊本市は八月二十五日、局長以上の交際費について支出ができる相手や事項、金額など具体的基準を設けた「熊本市交際費取扱指針」と「同市交際費公開指針」を策定した。同市長交際費に関しては、一部が公私混同があるなどとの指摘があったことに伴う措置。同市の交際費問題は、その後九月に「くまもと・市民オンブズマン」が市長交際費約百万円について住民監査請求を行い、十一月に同市監査委員は、結婚式の祝儀代など約七十六万円について同市長に返還を勧告。同オンブズマンは十二月に残額約二十三万円も市に返還するよう提訴した。
▼水俣湾水銀値調査継続
水俣湾の魚の水銀値を測定する県の調査が、八月下旬行われた。県では過去の調査がいずれも基準値を下回っているとして、前年度での調査打ち切りを予定していたが、地元患者団体などの強い要請を受け、規模を縮小させて調査を継続することになった。
▼「アジアパーク」消滅
荒尾市の第三セクター「アジアパーク」の臨時株主総会が八月三十一日開かれ、清算人会が、敷地四・四ヘクタールの売却益約十七億円を、債権者十六団体に配分を終了し、清算業務を終えたことを報告、承認され、アジアを体感するテーマパークとして一九九三年に開業したアジアパークは“消滅”した。
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■経済
▼情報技術(IT)不況が深刻化
三菱電機は七月十八日、熊本工場(西合志町)など主要半導体工場で生産を十日程度休止すると発表した。世界的な半導体需要の低迷が県内の生産現場にも深刻な影を落とし、同社は熊本工場の能力増強投資も二〇〇二年度以降に先送りした。またNEC九州(熊本市)は九月から十月にかけて従業員の三割の約千人が一時帰休した。IT不況の深刻化は県内製造業の新規雇用の削減などにも影響を与えた。
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■スポーツ
▼秀岳館高校が甲子園で活躍
八代市の秀岳館高校が七月二十五日、八代勢としては28年ぶりの快挙を果たし、初の甲子園出場を決めた。第83回全国高校野球選手権大会では、春夏連覇を目指した優勝候補の常総学院(茨城)を破り3回戦へ。続く横浜(神奈川)戦で惜敗したが、県代表として強豪校と互角以上の戦いを演じた秀岳館ナインに、地元はかつてない盛り上がりを見せた。
▼熊本で「ひのくに新世紀総体」開幕
2001年全国高校総合体育大会「ひのくに新世紀総体」が八月一日にスタート。選手、監督約3万3千人が参加し、28競技が繰り広げられた。
十月はノリの色落ちや不作が続く有明海の水質状況を調査する民間の研究プロジェクトが始動。長引く牛肉の消費低迷を受けて、国が狂牛病の全頭検査をスタート、安全性アピールに乗り出した。また、教職から角界に飛び込み“センセイ”の愛称で親しまれた八代市出身の智乃花関が惜しまれ引退。十二月には経営不振が続いた九州最大手のスーパー寿屋が民事再生法を申請するなど、スポーツ、経済面で大きく揺れ動いた。
■10−12月 主な出来事
10・ 2 俵山第1トンネルで貫通式。これにより西原と久木野両村が結ばれ、2003年開通に向け工事が進む
10・ 4 有明海養殖ノリの種付けが解禁。県内でも一斉に網の張り込み作業
10・15 玉名工レスリング部3年の高尾誠君、国体で優勝し130キロ級で高校全国4冠達成
10・16 熊本県立大など全国7大学と2つの民間機関の研究者による合同調査研究チーム「有明プロジェクト」が、有明海全域の海水流動状況調査を開始した
10・18 大相撲の智乃花関(37)=八代市出身、立浪部屋=が引退を決断▽狂牛病の感染を調べる全頭検査開始
10・28 「有明海の波響く」をテーマに荒尾・玉名地区で4年ぶりに「県民文化祭in荒玉」が開催。オープニングには「白秋とグレン・ミラー」と題した音楽会も開かれるなど郷土色豊かな催しが繰り広げられた
10・30 社会人野球のNTTグループ九州野球クラブ(熊本市)が、「資金面での支援などが困難」との理由から31日限りで廃部すると発表
10・31 第109回九州高校野球大会で、九州学院が27季ぶり3度目の優勝を果たした
11・ 1 県警が助役選任をめぐる収賄容疑で鏡町の前町長、塚本静雄容疑者を逮捕。同容疑者は収入役選任でも現金100万円を受け取ったとして収賄容疑で再逮捕された。すべて前職とはいえ、町のトップ3人が絡んだ事件だけに町民の間に動揺が広がった
11・ 4 任期満了に伴う産山村長選で新人の井道行氏が当選
11・ 6 第26回九州地区盲学校音楽大会(福岡市博多区)に、九州、沖縄の計11の盲学校生約150人が参加、県立盲学校がグランプリに選ばれた
11・ 9 忠臣蔵ゆかりの全国10市町が集まり、山鹿市で「忠臣蔵サミット」を開催
11・11 相良村長選で元衆院議員の矢上雅義氏が現職を破り、初当選
11・15 三井三池鉱の爆発事故の、CO(一酸化炭素)中毒患者4人が病院からの帰宅タクシー代を求めた三池CO協定訴訟の控訴審訴訟で福岡高裁は、原告らの主張を一部認めた一審を支持、三井鉱山などに原告にタクシー代を支払うよう命じた
11・19 三加和町監査委員は池上緑良町長の上京、陳情に同行した6人分の旅費支出を不当として池上町長に37万円を返還するよう勧告▽しし座流星群が大出現、星空の美しい山間部などに多くのファンが訪れ天体ショーを堪能した
11・22 中球磨5町村合併で首長が合併協定書に調印
11・28、29 球磨川漁協臨時総会で川辺川ダム建設に伴う漁業補償契約案を否決
11・29 阿蘇中岳第一火口の南側火口壁下で観測されている赤熱現象が発生から1年が経過。過去観測例がなく観測機関は推移を見守る
12・ 4 県教委は、卒業した教え子とのみだらな行為を撮影した写真のコピーを校内に持ち込んでいたとして、県北部の中学の男性教諭(35)を懲戒免職処分にした▽熊本大病院(熊本市)は、肝臓の難病アミロイド・ポリニューロパシー(FAP)患者とともに、別の重い肝臓病患者を同時に救う国内9例目の「生体ドミノ肝移植」を実施
12・ 7 寿屋は、卓球、女子陸上、女子弓道、相撲のラララ運動部を2002年3月限りで廃部すると発表
12・ 9 相良村で川辺川ダムを考える住民大集会が開かれ、7時間のマラソン討論に3000人が参加
12・12 県議会が阿蘇郡区の定数1減を決定
12・18 三井三池鉱の労働者たちによる三池じん肺訴訟の判決で、福岡地裁は原告103人に約16億円の支払いを命じた▽川辺川ダムをめぐり、国土交通省九州地方整備局が球磨川漁協の漁業権と関連する土地の強制収用の裁決を県収用委員会に申請
12・19 九州最大手のスーパー寿屋が民事再生法の適用を申請
12・23 男子第52回全国高校駅伝競走大会が、京都市であり7区間で争われ、九州学院が2時間4分1秒の記録で2位に輝いた
■10−12月 経済・話題スポーツ・行政・事件司法
■経済
▼月星化成熊本工場、来年6月で閉鎖
ゴム靴製造・販売大手の月星化成(福岡県久留米市)は十月十九日、熊本工場(熊本市)を来年六月末に閉鎖すると発表した。同工場の従業員約二百十人は、希望退職か久留米工場に配置転換される。同工場の前身は、一八九六(明治二十九)年に建てられた熊本紡績熊本工場。月星化成は一九四二(昭和十七)年に操業開始。同工場は国の熊本合同庁舎の移転先候補で今後は県の用地交渉が本格化する見通し。
▼ソニー新工場が完工式
ソニーの子会社、ソニーセミコンダクタ九州(福岡市)は十一月一日、菊陽町で建設していた新工場「熊本テクノロジーセンター」の完工式を開いた。同センターはデジタルビデオカメラなどに使われる電荷結合素子(CCD)や小型液晶表示装置(LCD)を生産。LCDは十月から試作を始めており、来年三月に出荷を開始する。CCDは〇三年四月から生産。従業員は四百人で稼働しており〇五年度までに八百人体制にする。
▼寿屋が民事再生法適用申請
経営再建中の地場最大手スーパー寿屋とグループ十二社の経営が破たんし、十二月十九日に民事再生法の適用を申請した。福岡、山口を地盤とする中堅スーパーのサンリブ(北九州市)との間で資本・業務提携を目指していたが、条件が合わず、自主再建を断念した。負債総額は寿屋本体で二千百二十六億円、十三社合計で二千九百五十九億円となり、九州ではフェニックスリゾート(宮崎市)グループに次いで過去二番目の規模となった。
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■話題・スポーツ
▼日奈久ICが開通
国土交通省などが建設を進める南九州西回り自動車道日奈久インターチェンジ(IC)が十月六日開通。低迷が続く地元日奈久温泉旅館は開通記念イベントを計画するなど、温泉街再生の起爆剤として期待を寄せる。開通区間はすでに運用を開始している八代JC―八代南ICの延長で、八代南―日奈久間の五・四キロ。時間短縮、渋滞緩和への効果が見込める。
▼“センセイ”感動をありがとう
八代市出身の智乃花関=本名・成松伸哉、立浪部屋=が、十月十八日、現役引退を決意。八代市では「先生」の愛称で慕われた人気力士の引退を惜しみつつ、これまでの活躍をたたえる声が広がった。
智乃花関は二十七歳のとき、県立高校教師から角界入り。一九九二年春場所でデビューを飾り、同年十両に昇進。九四年には小結まで番付を上げたが、体重一一八キロの小兵ゆえにけがに悩まされ九六年から十両に転落していた。
▼高尾君、全国高校4冠達成
玉名工レスリング部の高尾誠君=三年=が全国選抜選手権大会(三月、新潟)、高校総体(八月、熊本)、グレコローマン選手権(同、群馬)、国体(十月、宮城)の一三〇キロ級ですべて優勝、今年は全国でただ一人の全国高校四冠を達成した。
▼熊本市で電車サミット
路面電車を活用した新たな街づくりを探る「第五回路面電車サミットIN熊本」(都市交通会議主催)が十月二十四日から五日間、熊本市で開催された。路面電車が運行されている長崎市、鹿児島市を含む全国十九都市の市民団体や事業者などから約二百人が参加。外国人研究者が路面電車復活の動きが盛んな欧州の先進的な街づくりの事例を紹介、参加者と活発な意見交換をした。
▼寿屋、ラララ運動部を来年3月限りで廃部
寿屋は「厳しい経営環境下で全社を挙げて業績の回復に全力を集中する」との理由で、卓球、女子陸上、女子弓道、相撲の計四部のラララ運動部を来年三月三十一日限りで廃部することを発表した。
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■行政
▼水銀国際会議開催
水俣市で十月十五日から十九日まで「水銀国際会議」が開催。約四十カ国から五百人の研究者が、最新の研究成果を発表した。水俣病をめぐる病像論や微量だが長期に水銀汚染された場合の妊婦への影響など、健康被害への報告が相次いだ。
▼狂牛病感染の全頭検査始まる
狂牛病(牛海綿状脳症)の感染をチェックするために、市場に出荷するすべての牛の脳の一部を調べる全頭検査が十月十八日、全国一斉に始まった。検査には手間も費用もかかるが、消費者の牛肉離れを食い止めるため、欧米では検査しない生後三十カ月未満の牛まで調べるよう、国が決めた。検査をいつまで続けるかめどは立たず、焼却できずに保管している一部の肉骨粉処分も問題になっている。
▼球磨川漁協臨時総会で川辺川ダム建設に伴う漁業補償案を否決
国土交通省の川辺川ダム建設計画をめぐり、流域の球磨川漁協は十一月二十八―二十九日に人吉市で開いた臨時総会で、国が提示したダム建設に伴う補償金十六億五千万円などの漁業補償案を審議したが、可決に必要な三分の二以上の同意が取れず補償案は否決された。総会前には組合員が賛否を表明する書面議決書や委任状をめぐる争奪戦が展開され、総会でもダム賛成、反対両派が激しくぶつかった。補償案否決が決まったのは開会から十三時間が経過した二十九日午前零時半だった。
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■事件司法
▼西合志の夫婦殺傷事件で3容疑者を再逮捕
昨年九月二十九日、西合志町で発生した夫婦殺傷事件で、県警は八月十三日、強盗殺人容疑などで岐阜市若宮町、自営業葛谷秀夫(38)▽住所不定、無職篠原秀樹(31)▽名古屋市港区、暴力団組員、一柳勇一(37)の三容疑者を再逮捕した。調べでは三容疑者は暴力団組員と共謀し、昨年九月一日に強盗目的で西合志町の菅満さん方へ侵入し改造エアガンで妻のマツヨさんを撃って死亡させ菅さんにも軽傷を負わせた疑い。
▼水俣署員、負傷者放置
十月十一日未明、水俣市内で起きた交通事故で、事故処理に当たった水俣署員が負傷者が既に亡くなっているものと思い込み、現場に約一時間半放置していた。
▼あんもちを食べた保育園児らが集団おう吐
十二月一日、熊本市の城山保育園で開かれたもちつき大会に参加して、あんもちなどを食べた園児と保護者らが次々とおう吐や腹痛を訴え、計三百二十七人が病院に運ばれた。同市などが検査したところ、原因はもちの中のあんがいたみ、セレウス菌が増殖したことによる食中毒と断定した。
▼水俣病棄却取り消し求め提訴
水俣病の認定を申請していた女性の遺族が、「資料がそろわなかった」として申請を棄却した県の判断は違法だと、処分の取り消しを求める行政訴訟を十二月二十日、熊本地裁に提訴した。処分取り消し訴訟は二十年ぶり。
▼ハンセン病、全面解決へ筋道
ハンセン病の元患者団体と厚生労働省による「対策協」が十二月二十五日、都内で開かれ、元患者の社会復帰支援策など恒久対策について双方が大筋合意し、確認事項に調印した。国賠訴訟についても未解決のまま残されている療養所非入所者や入所者の遺族との和解についても同日、坂口厚労相が熊本地裁で和解に応じる方針を表明し全面解決へ大きく前進した。二十八日、熊本地裁であった協議でも、和解成立の方向で大筋で合意した。
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