福博飾り山めぐり

 博多祇園山笠の華は、福博のまちを華麗に彩る飾り山。
博多人形師たちが腕を競った山笠人形が歌舞伎の名場面、古戦記、人気のアニメなどを再現。
ライトアップされた飾り山が福岡市内の商店街やメーンストリートで「博多の夏絵巻」を繰り広げている。
今年の祭りにお目見えした飾り山は十二本。それぞれの見どころを紹介する。(西日本新聞都市圏版掲載)

一番山笠/千代流

 表は「一矢雲上鎮」(いっしうんじょうをしずめる)。頭はサル、胴はトラ、尾はヘビの姿をした怪物「鵺(ぬえ)」を退治する、源三位頼政や猪早太らの表情が真に迫る。見送りは「名優捲舌石堂関」(めいゆうしたをまくいしどうのせき)。幕末の志士、高杉晋作が博多に身を隠したときの逸話を再現。人形師は川崎修一さん。(博多区千代一丁目、パピヨン24前)


五番山笠/東流

 表は「大江山頼光之誉」(おおえやまらいこうのほまれ)。刀を振り上げた大江山の酒呑童子に、勇敢に挑む武将たちの奮戦ぶりが伝わってくる。見送りは「桜雲花咲爺」(おううんはなさかじい)。昔話でおなじみの花咲じいさんが、飾り山にも見事な花を咲かせた。人形師は表が中村信喬さん、見送りは室井聖太郎さん。(博多区上呉服町、エレデ博多寿屋前)


六番山笠/中洲流

 表は「小牧・長久手合戦」(こまきながくでのかっせん)。
白馬に乗った本多忠勝やよろい姿の羽柴秀吉らの合戦が、飾り山を舞台に繰り広げられている。見送りは「老公義侠宰府詣」(ろうこうぎきょうのさいふもうで)。水戸黄門が家来の助さんと格さんを従え、太宰府の門前町で悪者をこらしめる。人形師は三宅隆さん。(博多区中洲四丁目、旧エヌ・パサール前)


八番山笠/上川端通

 表は「快傑博多諷」(かいけつはかたのひとふし)。来夏、開館する「博多座」が上演する歌舞伎の演目。見えを切る毛剃(けぞり)九右衛門が勇ましい。見送りは「キャッツ奇跡の舞台」。福岡公演が始まった劇団四季のミュージカル。「走る飾り山」で十二日、十五日に「櫛田入り」する。人形師は表が田中比呂志さん、見送りは田中勇さん。(博多区上川端町、上川端商店街内)


九番山笠/新天町

 表は「建速須佐男命智勇誉」(たけはやすさのおのみことちゆうほまれ)。頭と尾が八つの大蛇を退治する、須佐男命(すさのおのみこと)が飛び出してくるような迫力。神話の世界が、時空を超えて飾り山に現れた。見送りは、テレビで人気のヒーロー「ウルトラマンダイナ」。子どもたちの目を楽しませそうだ。人形師は亀田均さん。(中央区天神二丁目、新天町・メルヘン広場)


十番山笠/渡辺通一丁目

 表は「加藤清正猛虎征」(かとうきよまさもうこをせいす)。白馬にまたがった加藤清正が、猛虎にやりを向ける姿に躍動感があふれる。トラのそばには、よろいを着た武将福島正則の姿も。見送りは「アニメ名探偵コナン」。テレビの人気者の少年探偵コナンが、飾り山でも大活躍。人形師は表が中野親一さん、見送りは三宅隆さん。(中央区渡辺通一丁目、サンセルコ広場)


十一番山笠/博多駅商店連合会

 表は「博多小女郎浪枕」(はかたこじょろうなみまくら)。来夏に開館する「博多座」のこけら落としで上演される歌舞伎にちなんだ。遊女小女郎の表情がいきで、つやっぽい雰囲気が漂う。見送りはアニメの「ドクター・スランプ」。人気者のアラレちゃんと仲間たちで、飾り山のペンギン村も大にぎわいだ。人形師は置鮎正弘さん。(博多区博多駅中央街、JR博多駅前広場)


十二番山笠/ダイエー香椎駅前店

 表は「大江山鬼討」(おおえやまおにをうつ)。口から火を吹く酒呑(しゅてん)童子に勇敢に立ち向かう、源頼光たちの奮戦ぶりが伝わってくる。見送りは「一休誉虎縛」(いっきゅうほまれのとらしばり)。将軍足利義満と名僧の一休さんが繰り広げた、「びょうぶの虎」をめぐる問答を飾り山で再現した。人形師は置鮎琢磨さん。(東区香椎駅前二丁目、ダイエー香椎駅前店)


十三番山笠/キャナルシティー博多

 表は「助六由縁江戸桜」(すけろくゆかりのえどざくら)。歌舞伎十八番「助六」の名場面。江戸時代の吉原遊郭が舞台で、遊女揚巻(あげまき)や助六の衣装もあでやか。見送りは「昔噺し一寸法師」(むかしばなしいっすんぼうし)。お姫さまを襲う赤鬼を退治する一寸法師が大活躍。人形師は置鮎琢磨さん。(博多区住吉一丁目、キャナルシティ博多・サンプラザステージ)


十四番山笠/ソラリア

 表、見送りともに「関ヶ原合戦の場」。一七八八年に描かれた「博多祇園山笠図屏風(びょうぶ)」をもとに、江戸時代の古式山笠を再現。表=写真では、徳川家康や石田三成らの武将が火花を散らし、見送りでは、千姫や淀君らがあでやかな表情を見せている。飾り山を照らすライトの色が変化して、演出も効果的だ。人形師は小島一義さん。(中央区天神二丁目、ソラリアプラザ)


十五番山笠/川端中央街

 表は歌舞伎で有名な「勧進帳」(かんじんちょう)=写真。巻物を手にした弁慶の表情がダイナミック。源義経の衣装の「そで」には、華麗な博多織が使われている。見送りはテレビアニメの「ドラえもん」。人気者のドラえもんとその仲間たちが愉快なしぐさで飾り山を彩り、親子で楽しく見物できる。人形師は表が中野親一さん、見送りは中野浩さん。(博多区上川端町、川端中央街)


番外/櫛田神社

 表は「嗚呼壮烈岩屋城」(ああそうれついわやじょう)=写真。白馬にまたがった高橋紹運や島津忠長など、合戦を繰り広げる五人の武者たちに躍動感があふれる。見送りは「天地之初發」(あめつちのはじめ)。日本国誕生の神話の世界が幻想的な雰囲気を漂わせている。この飾り山は山笠行事の後も、来年六月まで公開される。人形師は中野親一さん。(博多区上川端町、櫛田神社境内)

表紙に戻る最強の山笠ページに行く西日本新聞ホームへ戻る◆