16チーム中7位
 ダイエーホークスのVで盛り上がる福博の街。だが、Jリーグ・アビスパだって負けちゃいない。その本拠地・博多の森球技場は、福岡ドームに劣らずヒートアップだ。今季第2ステージは、ここまですべてのホームゲームで1万人以上の入場者数をキープ。J116チーム中の7位と、過去最高の観客動員を誇っている。成績は11位だから「順位」以上の人気は、上位チームとの白熱した戦いと、市民のサポートのたまものだ。

 試合開始前。博多の森球技場に、選手の名前がコールされるころ、バックスタンドに大応援団旗が広がる。その大きさが尋常じゃない。縦20メートル、横40メートルと書いてしまえばそれまでだが、競泳用のプールに匹敵する広さだ。この巨大な旗、2年半前から1口1000円でファンが募金して作製。9月15日の浦和戦から登場した。大応援団旗が、観客の手でリレーされてゆっくり開き「AVISPA FUKUOKA」の文字が浮かび上がると、すでにスタンドは最高潮。その後の応援も熱を帯びる。
 ファンの盛り上がりは、はっきり数字に出た。第2ステージに入ってからのホーム入場者数はこうだ(表を参照)。8月7日のヴィッセル神戸戦の1万4530人を皮切りに、ジュビロ磐田戦(8月21日)ではJリーグ昇格後チーム最多の1万9094人をマーク。その後も勢いは衰えない。鹿島アントラーズ戦(9月4日)で1万5855人以降、浦和レッズ戦(同15日)、名古屋グランパス戦(同23日)も、1万4000人近い観衆が詰めかけた。
 アビスパが念願のJリーグ昇格を果たした96年でもホームでの年間リーグ平均入場者数は9737人。これまで1万人を超える試合は散発的にあっただけで、5試合連続は初めて。今季は、チーム過去最高記録を更新中だ。
 「第1ステージで11位と健闘したことが大きいのかも。地元球団としてファンの方に浸透してる証拠だと思います」
 アビスパの運営会社・福岡ブルックスの柳善博専務は、控えめに分析する。
 例えば、2―3で負けはしたものの、アントラーズとの接戦など、上位チームとも見ごたえのある戦いぶりがファンの網膜に焼き付いているのが、第2ステージの原動力になっている。
 この盛り上がりには前兆があった。ファンクラブの会員数だ。Jリーグに昇格した1996年の7000人をピークに毎年減少。98年には5300人にまで落ち込んだ。ところが、今年は100人増えて5400人に。
 「最初の7000人は、いってみりゃご祝儀相場みたいなものでじゃないですか…」(後援会関係者)。つまり、マジなファンが増え始めたのだ。
 一方、昨年リーグ陥落寸前の参入戦まで追いつめられたのはまだ記憶に新しい。実は、これも観客増につながっている―というから世の中分からない。
 チケットを扱う福岡ブルックス事業部の山田浩一副部長は「昨年の参入戦でチケット購入の問い合わせが殺到し、ファンに購入方法が広く知れ渡った」という。その“見えない効果”でプレイガイドでの購入数が増えていると明かす。
 加えて、今年からはコンビニに地元アビスパとJ2のサガン鳥栖ののぼりを立てたことも「じわっと」効いてきたようだ。
 当然だが、各種の応援グッズも売れ行き好調だ。
 「250枚用意したレプリカのユニホームは、第1ステージで完売。サポーターの注文に生産が追いつかない状態ですよ」と言うのは、アビスパグッズを販売する株式会社レッツ矢野徹課長。1枚8700円(税込み)のユニホームが完売とあって、ホクホク顔。タオル、メガホンなども昨年にはない売れ行きだ。

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 現在、アビスパはJ1残留に王手をかけた状態。あと1勝すれば、ほぼ確実だろう。ホームでの戦いはあと2回。サポーターの熱い後押しでさらなる上昇気流に乗れるか、頑張れアビスパ! (松尾正和)

 ●福岡市も応援
 福岡市は、球団からチケットを購入し、抽選で市民にプレゼントする動員対策を続けている。その数は、1試合につき3200人。ただ、これまでは、定員の70パーセントぐらいしか博多の森に足を運ばなかった。それが、今季第2ステージは常に80パーセント以上の人が球場に行くようになったという。

1999.9.30掲載


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