地方自治体の抱える諸問題について 
 
   


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趣 旨
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地方分権
地域の活性化
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環境問題
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地方再編
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 7.地方再編  

〜1 合併が必要といわれる理由〜
 ●道州制構想の中味
  ここ10年ほど、様々な機関から、行財政構造改革にからむ道州制構想が発表されている。主なものとしては、都道府県を12の「州」に、市町村を300程度の「市」に再編するとした読売新聞社の「地方再編構想」や、都道府県を12の「州」にする事は同じであるが、市町村を257の「府」に再編するとしたPHP総合研究所の「府州制構想」などを挙げることができるだろう。
 それぞれの構想について、内容を細かく見ていけば、違っているところは少なからずあるが、以下のような点は共通しているといえる。
(1)国は外交、防衛などの、国の存在の根幹に関わる業務についてのみ行い、その他の業務については、地方分権の受け皿として再編された、市を中心とする地方自治体に委譲を行って、小さな政府を目指す。
(2)都道府県については、警察や幹線道路の整備など、市ではできない広域的な業務を担当する。
(3)市は地域住民に一番身近な存在であり、福祉をはじめとする生活関連業務を幅広く担当する。
(4)今後は、市を中心とした行財政構造へ変えていくことが必要であり、そのために、今ある市町村を15万人から30万人規模にまとめて、概ね300程度の数に再編する必要がある。
(5)真の地方自治の確立、財政立て直しという二つの視点から、国から地方自治体への移転財源を可能な限り減らして、地方税源の充実をはかる。
 ●地域主権の確立 
 そして、構想の根底にあるのは、「地域主権の確立の実現」ということではないだろうか。つまり、市町村の合併を中心とした地方再編を行い、地方自治体の行財政能力を高めた上で、地方分権を進め、行政と住民とが一体となって、自分たちの住む地域のことを決めていくという社会づくりを求めているのである。これからの地方自治体は、行政の中心的な役割を果たさなければならないということである。
 現実問題として、今の地方自治体すべてに、それだけの能力が備わっているとはとても思えないが、地方分権は時代の流れとともに、否応無しに進んでいくことは間違いない。その成否は、地方再編にかかっているといっても、言い過ぎではないと思う。

 ●昭和の大合併 
昭和20年代末から30年代にかけて、いわゆる「昭和の大合併」が行われた。これは、戦後の学制改革に伴う中学校建設費の負担発生により、市町村の財政力増強のためにとられた措置であるが、昭和28年に9900あった市町村が、昭和36年には3400に減少するなど、大きな成果をあげた。
 その一方で、通学拒否の運動が起きたりして、合併に関わった者にとっては、大変な労力を要する作業であったらしい。
 しかし、「昭和の合併」があったからこそ、行政組織としての市町村が、一定の役割を果たし得たといえるだろう。

 ●平成の大合併の時代 
 そして今、「平成の大合併」の時代を迎えたといえる。地域には、それぞれ抱えている事情があり、合併をためらう地方自治体も出てくるだろう。その地域独自の文化が失われるのではないかという不安や、住み慣れた町名への愛着などを理由とした、住民からの合併反対の運動が起こるところがあるかもしれない。合併が難しいというところは、まず広域連合を組むなどして、合併に向けての実績を積んでいくことが必要となると思う。


〜2 都道府県は本当に必要だろうか〜
 ●二層性は必要か
 現在の制度では、地方自治体と呼ばれる行政組織は、都道府県と市町村である。地方自治法上は、市町村は基礎的自治体であり、都道府県は広域的自治体とされている。二つの地方自治体が存在することは、「二層自治体制」といわれるが、地方分権に備えた地方再編の必要性が語られ、果たして現在の二層性のままでいいのかという意見もある。例えば、原子力発電所や産業廃棄物処分場をはじめとする、いわゆる迷惑施設建設への対応などについて、都道府県と市町村が全く異なる意見を持つに至った場合、住民の帰属を巡って、混乱が起こるところが出てくるかもしれない。
 それでは、仮に一層性にするとしたら、都道府県は必要なくなってしまう。

 ●新しい広域的自治体 
 あくまで、私の個人的考えだが、現在の47都道府県という地方自治体が、絶対に必要かといえば、必ずしもそうはいえないと思う。
 実は、昭和32年には、第四次地方制度調査会は、都道府県の廃止の答申を出している。その時は、国と市町村の間に、ブロック単位に国の出先機関をおくことが検討された。
 私は、仮に現在の都道府県が廃止されたとしても、何らかの単位ごとにくくられた、広域的な自治体組織を置くべきと思う。国と市との間に位置する組織は、国の出先機関ではなくてもよい。国は、国の存立基盤に関わる業務に専念するべきだろう。