地方自治体の抱える諸問題について 
 
   


MENU


趣 旨
◆◇◆◇◆
財政の健全化
◆◇◆◇◆
行政改革
◆◇◆
地方分権
地域の活性化
◆◇◆
福祉行政
◆◇◆◇◆
環境問題
◆◇◆
地方再編
◆◇◆
Top Page
 


 2.行政改革  
〜1 縄張り意識を取り払って、コスト安のシステムをつくろう〜
 ● 縦割り行政   「縦割り行政」といわれるが、確かに行政の組織は、横の連携が弱いように思う。なぜそうなったかはわからないが、職員に「私の仕事は、自分できちんと処理する。口を出さないでほしい。そのかわり、あなたの仕事は、あなたが自分でちゃんと処理してほしい。くれぐれも人に頼らないこと。」という意識が段々強くなっていって、そのような雰囲気ができてしまっている気がしてならない。その延長線上に、職場ごとの「セクショナリズム」があるのではないか。
 しかし、それは組織内部に通用する論理であって、対外的にそのようなことが通るはずがない。時代とともに変化していく住民ニーズに対応するために、統合した方が良いものは、セクショナリズムを排除して統合していかなければならないだろう。


 ● 統合と効率化     最近、福祉分野と保健分野の組織を統合する地方自治体が多いというが、これからは他の分野にも波及するだろう。「たらい回し」などの弊害を、完全になくす努力をしなければならない。
 組織にとっては、痛みを伴う部分もあるが、そうすることによって、住民サービスの向上のみならず、業務の効率化が進み、コストの削減も実現できるはずである。

〜 2 職員の数は多すぎるのだろうか 〜
 ● 政府の組織再編  政府は、これからの10年間で、国家公務員の職員数の25%削減を目指している。2001年の1月には、現在の1府22省庁から、1府12省庁へ組織を再編成することも正式に決まっている。このことの狙いは、肥大化しすぎた官庁組織の統廃合を行うことで、セクショナリズムのもたらしていた弊害を取り除き、小回りが利く組織とし、業務の効率化をはかり、それによって職員数も減らそうということだろう。今回の組織再編成で省庁がどう変わるかわからないが、少なくとも方向性は間違っていないと思う。

 ● 地方自治体では    それでは、地方自治体においてはどうだろうか。国と同じで、多くの地方自治体が職員削減に取り組んでいる。その結果、ここ5年ほど、地方公務員数は減少を続けている。
 では、地方自治体の職員数は多すぎるのであろうか。私は、世間一般にいわれるほどは、職員数は多すぎると思っていない。正確にいうと、多すぎるとか不足しているとか一概には言えないと思っている。
 なぜかといえば、理由は二つある。一つは、社会の成熟に伴って、10年前には想定していなかったような問題が発生してきている昨今、地方自治体の業務は増加してきており、10年後には、今はまだ想定できていないような難しい問題が新たに発生していると思うからである。
 そしてもう一つは、「地方分権」が実現することにより、地方自治体の担うべき業務が増えると思うからである。特に「地方分権」の影響が大きいと思うが、どの程度の分権が実現するかによって、大きく左右されるだろう。
いずれにしても、職員定数削減に努力すべきことはいうまでもない。そのためには、現在の業務を見直して、ムダをなくすことはもちろん、コストのかかる正規職員数を減らして、コストのかからない民間委託へ切り替えたりすることが必要となるだろう。

〜 3 勇気を出して、民間企業の会計を取り入れてみよう 〜
 ● 単式簿記制度と複式簿記制度  官公庁会計では、「単式簿記制度」を採用している。民間企業では、「複式簿記制度」を採用している。それぞれの制度について簡単に説明すると、「単式簿記制度」とは、「収入」と「支出」の面からのみ財務管理するものであり、「複式簿記制度」とは、「収入」と「支出」のみならず、「資産」と「負債」と「資本」、「現金収入」と「現金支出」などの様々な面から、財務管理するものである。どちらの制度が優れているのだろうか。
   現在、官公庁会計により財務管理している国、地方自治体は、瀕死の状況にあり、民間企業であれば、とっくに倒産しているといわれることから、どちらのシステムが優れているかいうまでもないだろう。

 ● 単式会計の問題点    単式会計がなぜ問題かというと、「借金」の存在が把握しにくいことである。「歳入」と「歳出」の内訳には、「借金による収入」「借金返済のための支出」が当たり前のように入り込んでいるが、収支が均衡していればそれでよしとなってしまっている。これでは「借金残高」もいつの間にか膨らんでしまう。
 しかし、複式簿記では、「資金調達表」「貸借対照表(バランスシート)」「損益計算書」などの財務諸表により、どこから運転資金を調達したのか、借金の残高はいくらあるのか、利益をいくらあげることができたのかなど、一目でわかるようなっている。そうすることで、明日も存在するために、財務の健全化を絶えずはかっているのである。

 ● 複式簿記の導入   国、地方自治体の借金残高は600兆円を超え、700兆円に達するのも時間の問題といわれる。景気回復のためには、更なる借金をしてでも、積極型の予算を編成しなければならないことは仕方ないかもしれないが、そのようなことがいつまでも続けられるはずはない。ここ1、2年のうちには、財政再建に向けた、本格的な取り組みが始まるだろう。その際、複式簿記の導入を、真剣に検討してはどうだろうか。すでに、「貸借対照表(バランスシート)」を作成している地方自治体がいくつかある。「資金調達表」「損益計算書」などの作成も検討してみるべきだろう。そうしなければ、借金を返済し、将来二度とこのような事態を招かないための予防線をはることはできないと思う。