[2000年01月23日掲載分]
「げんちゃんのふしぎなおやつ」
落合順子・著
池永久美子・絵
「げんちゃんのふしぎなおやつ」
林田印刷
952円
絵本の主人公「げんちゃん」は卵や牛乳などを食べると体中がかゆくなるアトピー性皮膚炎の子どもだ。ある日、知り合った女の子の家に招かれ、卵のたっぷり入ったシュークリームを食べる。その夜、体中がかゆくて苦もんする―。

著者は熊本市在住の主婦で、現在小学三年生の長男・弦ちゃんが「生まれた時から様々なアレルギー症状を持ち…完全にパニックに陥った」経験を持つ。やがて「熊本アレルギーの子を持つ親の会」の存在を知って入会、勉強を重ね、今では同会の代表で活動している。

絵本作りの動機は、親しくなった人たちに、食物アレルギーのことや弦ちゃんが自由におやつを食べられないことをわかってもらいたいと思い悩んでのことだった。

絵本は同会員らと共同で制作、末尾には、げんちゃんが食べられる「げんちゃんのふしぎなおやつレシピ」まで付いており、アレルギー症で悩んでいる人には親切な内容になっている。

本書の希望者は落合さん=096(326)4633=へ。




「鮨くう日々」
滝悦子著
「鮨くう日々」
求龍堂
1300円
コラムや放送番組の台本執筆、ラジオのパーソナリティーなどマルチに活躍する著者のエッセー集。冒頭の表題作で鮨(すし)屋の魅力を「やっぱり私は、人間に会うために通っていると、改めて知る」と記している通り、本書でも著者の巡り合った魅力的な人物やものごとの印象が、博多弁の歯切れのよい会話とともに、軽妙につづられている。取り上げられた話題も松田聖子の離婚、SMAPのコンサート、横綱貴乃花の愛妻ぶり、書店回りと花の好きな長嶋茂雄…など、おう盛な好奇心の赴くままに幅広い。

著者は一九四九年、長崎県出身。本書は「GARIYA」「西日本リビング」などに掲載された原稿に加筆してまとめられた。




「句画集「見て忘る」
森澄雄・句
堀越千秋・画
「句画集「見て忘る」」
架空社
3800円
本紙の西日本読者文芸の俳句選者である森さんの俳句と、スペイン在住の画家である堀越さんの抽象画が出合い、刺激的に響き合う本だ。

堀越さんは、森さんの長男潮さんの画学生時代からの友人。その縁から森さんの句集がスペインに届いた。堀越さんはこう書いている。「僕は目を見開く思いだった。小さな一行の中に、大きな空間がぽっかりと口を開けていたのだ」

そうした感動がこの句画集に結実した。取り上げられている四十五句は、堀越さんが選んだものだが、いずれも森さんの“愛着の句”ばかり。そして森さんも堀越さんの作品を「句の時空を越えるような美しい見事な画」と書く。

冒頭の「亀鳴くといへるこころをのぞきゐる」をはじめ、森さんの自筆の句も入っている。

三八〇〇円。架空社=東京都練馬区、03(3929)1891=刊。

なお、原画展(「堀越千秋展―見て忘る」)が三十日まで、福岡市中央区赤坂三ノ九ノ二八、画廊香月で開かれている(二十四日は休み)。




「ささいなことでイライラするな」
堀田かつひこ・
菅野泰蔵共著
「ささいなことでイライラするな」
法研
1100円
「オバタリアン」でおなじみの漫画家堀田さん(福岡市在住)と、「こころの日曜日」シリーズ編著者で心理カウンセラーの菅野さんが、コンビを組んだ“イライラ解消読本”。“人間ウオッチャー”堀田さんが、漫画と文で日常のイライラを描いてみせ、その八十の事例について、菅野さんがそれぞれ“心の専門家”としてアドバイスする。

「捜しものは見つからない」との章はこうだ。ビデオが故障した。取り扱い説明書を読んでなんとかしようとするが、捜して出てくるのは他の電気製品のものばかり。

ここでカウンセラーは「それは、期せずして、ふだんはサボっている引き出しや棚の点検作業になっている」と“発想の転換”のススメ。そして「なかなか見つからないほど益は大きいのだ」。

家の中で、街で、仕事で、遊びで、小さなことと分かっていても、イライラの種は尽きないもの。あなたも思い当たるケースがあるのでは…。