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シドニー五輪=ソフトボール銀 「悔しい。でも重いメダル」 4年後には金 福岡出身、20歳の内藤選手


2000年9月27日 朝刊掲載

晴れの銀メダルを受ける内藤恵美選手(右) =26日、シドニーのソフトボールセンター(撮影・大月崇綱)

  【シドニー26日諸隈光俊】二十六日のシドニー五輪のソフトボール決勝で、銀メダルを手にした日本チーム。その中でも二十歳とチーム最年少の内藤恵美選手(福岡市、九州女子高―豊田自動織機)が、胸にかかった勲章に手をやり、こう口にした。「負けは悔しい。金メダルがよかったけど、このメダルも重いです」

 内藤選手は決勝で先発した増淵まり子投手(東京女子体大)と並ぶチーム最年少の二十歳。大会前までは控えで、初戦も途中出場だったが、守りを買われ、2戦目から二塁手で連続スタメン出場。この日も米国のエース・フェルナンデス選手から1安打を放つなど活躍した。  兄の影響でソフトボールを始めたのが有田小三年(福岡市)。チームで唯一の女子ながら、六年生では四番打者。強豪の九州女子高(同)に進んでも一年生からレギュラーに座り、インターハイ3位、国体準優勝などに貢献した。そして同競技では九州出身者として初の五輪舞台に立った。

 スタンドには福岡から駆け付けた父英二さん(51)と母まさ子さん(49)がいた。内藤選手の練習のため、四十歳を過ぎて車の免許を取得したまさ子さんの目の前での活躍。「原点に戻り、自分の力を高めていきたい。また代表になって、四年後は金メダルを取りたい」。挑戦は終わらない。

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シドニー五輪・第10日=マラソン 高橋 圧巻の金 陸上女子初、五輪最高記録で
2時間23分14秒 自信と余裕 完勝レース
山口7位、市橋15位



2000年9月25日 朝刊掲載

2時間23分14秒の五輪最高記録で日本陸上女子史上初の金メダルのゴールに飛び込む高橋尚子
=24日、シドニーの五輪スタジアム(撮影・大月崇綱)

 【シドニー24日本社五輪取材班】鮮やかスパート、期待の高橋尚子(28)=積水化学=が日本陸上界悲願の金メダル―二十四日行われたシドニー五輪女子マラソンで、日本最高記録保持者の高橋が2時間23分14秒の五輪最高記録で、日本陸上女子初の五輪制覇を成し遂げた。陸上での日本勢の金メダルは一九三六年ベルリン大会の男子マラソンで当時は日本の植民地下にあった朝鮮の孫基禎、男子三段跳びの田島直人以来、六十四年ぶり。日本の女子マラソンは有森裕子(リクルートAC)のバルセロナ銀、アトランタ銅に続く三大会連続のメダルとなった。

 高橋は35キロ手前でリディア・シモン(ルーマニア)を振り切り、栄光のゴールに飛び込んだ。山口衛里(天満屋)は7位入賞、市橋有里(住友VISA)は15位だった。

 沸き上がる歓声。総立ちのスタンド。高橋尚子(積水化学)が両手を高々と突き上げ、八万五千人が待ち受けるゴールを駆け抜けた。ウイニングランでは日の丸や花束で覆われた。とても42・195キロを走り終えたとは思えない笑顔、笑顔。

 「声援が多くて、42キロとは思えない短さでした。応援が背中を後押ししてくれて、すごく楽しい42キロでした」
 その笑みが消えたのはフィールドから控室に戻る途中、積水化学の小出義雄監督と目が合ったときだった。「ありがとうございました」「良かった。きつかったろう」。師の胸に顔をうずめ、大きな目から涙がこぼれた。

 県岐阜商高時代はインターハイの決勝にも進めなかった。大阪学院大時代、インカレの頂点に立ったこともない。転機は大学四年の夏。「どうせやるなら日本一の所で」と当時、リクルートで指導していた小出監督のもとに押し掛け、卒業後、実業団入り。安静時の脈拍が普通の人より少ない毎分35回という驚異的な心肺能力。「やめろと言ってもやめないんだ」(小出監督)という練習熱心さ。一九九八年のアジア大会では2時間21分47秒の日本最高記録で突っ走った。

 しかし、落とし穴が待っていた。昨年八月のセビリア世界選手権は左足の故障で欠場。今年三月の名古屋の五輪最終選考会は直前に食あたりのアクシデント。それを克服して、たどりついたシドニー。前代未聞の三千五百メートルの超高地トレーニングなどで鍛えた体で、最高の走りを披露した。

 「スタートラインに立てたのがうれしくて」
 この日、小出監督が最近出版した著書の一部を切り取ってお守りに入れ、ランニングパンツに縫いつけて走った。そこには「高橋はつらい練習に耐え、強くなってくれた。後は天命を待つだけだ」と書かれていた。

 「あしたになったらまた走ってると思います。また違う目標を見つけて走りたい」
 レースから一転、夜の表彰式は雨。光る金メダル。その様子を見つめる小出監督は彼女との約束通り、すっぱりとひげをそり落としていた。(シドニー・諸隈光俊)

女子マラソン高橋「金」 九州でも快挙たたえる声
 九州各地の街頭でも二十四日、高橋尚子選手の快挙をたたえる声が相次いだ。

 西日本新聞社は同日、福岡市や北九州市、佐賀市、熊本市などの繁華街や駅で、高橋選手の金メダル獲得を報じる号外計約二万部を配った。熊本市下通商店街で号外を手にした、同市長嶺東二丁目の主婦溝口智子さん(42)は「朝からテレビにくぎ付けだった。高橋さんの快走が、サッカー敗退の悔しさを晴らしてくれた。さわやかな笑顔が印象的でした」。

 福岡市・天神では、大分県日田市から買い物に来た古賀靖子さん(26)が「途中までテレビ観戦して自宅を出てきたので気になっていたんですが、金メダル取ったんですね。すごい」。福岡市早良区の会社員竹内志乃さん(24)も号外に目を通しながら「感激しました。『頑張ってくれてありがとう』って伝えたい」と優勝を喜んでいた。

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【社告】五輪ドラマ 特別紙面で 朝刊4−5ページ
郷土選手の活躍も満載



2000年9月14日 朝刊掲載

 今世紀最後のオリンピック、シドニー五輪が15日に開幕します。西日本新聞は、10月1日の閉幕までの17日間、カラー写真をふんだんに使った五輪特別紙面をお届けします。

 朝刊では、地元選手の動向を満載した郷土版1ページを含む4―5ページ、夕刊では2―3ページの特別面のほか、1面や社会面でも熱気あふれる競技経過や選手の表情をお伝えします。

 出番を前にした郷土勢の意気込みを伝える「夢舞台カウントダウン」、郷土の次代のホープを紹介する「アテネに輝け」のほか、陸上五冠をめざす米国のマリオン・ジョーンズ選手の独占手記や記者コラム「南風」、祭典の変遷を第1回アテネ大会から紹介する「五輪の歴史」も掲載します。ご期待ください。

 西日本新聞のホームページ(http://www.nishinippon.co.jp/)でも、郷土選手の活躍や競技記録を速報します。

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