博多湾の人工島(アイランドシティ)事業を担当する福岡市の第三セクター「博多港開発」の高額ケヤキ購入問題で、まだ人工島に移植されていないのに、鹿児島県のほ場からの運搬費約一億三千万円を同社が「前払い」していたことが十三日の市議会で明らかになった。この問題について、山崎広太郎市長も「不明な点が多々ある」と述べた。事業推進派の市議会与党内にも同社関係者の参考人招致を求める声が上がっており、疑惑追及の動きが強まりそうだ。
市議会一般質問で、質問に立った笠康雄議員(福政会)は、博多港開発が購入し、鹿児島県のほ場で養生されているケヤキ五百四十三本について「購入先の業者に人工島までの運搬費約一億三千万円が前払いされている。業者が倒産すれば回収できない」と指摘。酒井勇三郎港湾局長は「事実上の前払いという見方も成り立つ」と認めた。
運搬費は一九九五年十月から二〇〇一年十二月まで三回に分け、業者に支払っていた。
また、笠氏は博多港開発が購入先と結んだ契約について「保証人を立てなかったり、枯れた場合の補償がなかったり、常識を欠く内容。重大な背任に相当する」とした上で「市と博多港開発との関係の在り方を考え直すべきだ」と詰め寄った。これに対して山崎市長は「善後策を考えるところにきている。博多港開発は自ら改善策を提示すべきで、その後、関係の在り方を明確にしたい」と述べた。
この問題については市が十一月、事実関係の調査に乗り出したものの、議会では詳細な経緯を明らかにしておらず、与党内にも「説明に誠意が感じられない」との不満が噴出。十六日に開かれる常任委員会で「参考人招致を求めるべきだ」との声が強まっている。同市議会で常任委員会での参考人招致は前例がないという。
× ×
●人工島ケヤキ・庭石問題の経緯=表、略