博多湾の人工島(アイランドシティ)事業を担当する福岡市の第三セクター「博多港開発」の志岐真一社長(65)は、十五日の同社取締役会で辞意を表明する。同社は総額十億円のケヤキ・庭石購入問題で、市議会から強い批判を浴びており、新たに元市議の関係会社が取引に介在して一億数千万円の転売益を得ていた疑惑も発覚。こうした混乱の責任を取らざるを得ないと判断した。後任は当面、山崎広太郎市長が兼務する。大規模公共事業をめぐる三セクのずさんな経営体質が、トップの責任問題に波及した形だ。
市は昨年十月に市議会で問題が浮上して以来、購入経緯が不透明だとして、取引の流れや価格が適正かどうかについて調査を実施。博多港開発側は「土地の付加価値を高めるために購入した」とした上で「価格は妥当だった」との調査結果を昨年十二月に発表した。
しかし、市議会で再調査を求める声が強まり、今月十七日の常任委員会で審議される予定になっっている。これに加え、市が二月の本年度補正予算案に計上予定の同社に対する約二十五億円の増資議案などについても、与党会派の一部から「否決すべきだ」との声が上がっている。
このため、市は「混乱が続けば、人工島事業への影響は避けられない」(幹部)として十三日、志岐氏に早期辞任を要請。志岐氏もこれを受け入れた。ただ、志岐氏は「言われるような疑惑には一切関与していない。増資が完了するまで社長としての責任がある」と強調。辞任時期は「遅くとも六月の定時株主総会までに」としており、流動的だ。
志岐氏は一九九九年三月末に市助役を退任し、二〇〇〇年六月に同社社長に就任。昨年六月の株主総会で再任され、任期は〇四年六月まで。