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20030321付 朝刊
◎福岡県/市議会告発 三セクの「闇」白日に 「利権体質」市民の怒り/ふくおか都市圏
 昨秋以降、福岡市政を揺るがしてきた第三セクター「博多港開発」の高額ケヤキ・庭石購入問題は二十日、西田藤二・元市議(51)、志岐真一・同社前社長らの刑事告発で、市議会としての調査は一応の決着をみた。未解明に終わった転売益の使途など疑惑の核心の解明は司直の手に委ねられたが、問題の背景ともいえる三セクの不透明な経営体質の改善は市政の課題として残されている。
 (地域報道センター・宮田英紀)

 「博多港開発は経営の独善性が先行し、普通では到底考えられない事件を引き起こした」
 市議会百条委の委員長報告は、極めて厳しい表現で同社を批判した。
 西田氏や市港湾局長だった志岐氏による同社へのケヤキ購入の働きかけ、取引への西田氏関係会社の介在、関係会社から西田氏への不自然な金の流れ…。三セクの異常な取引実態は、文字どおり一皮一皮むくように明らかになった。
 関係会社社長が三人とも証人喚問を拒否するなどの限界はあったが、百条委は転売の構図のほぼ全容を解明し、博多港開発の経営のずさんぶりをあばき出した。西田氏は証人喚問での前言を翻して取引当時から関係会社の関与を知っていたことを認め、適正な取引であることを強調してきた志岐氏も非を認めざるを得なくなった。
 しかしなお「議会がもっと早くから本腰を入れて追及していれば」との思いはわだかまる。
 与党会派にも追及に力を入れた議員はいたが、大勢は百条委設置に慎重姿勢をみせ、一時は幕引きムードさえ漂った。それを許さなかったのは、ケヤキ一本百万円というただでさえ庶民の常識をはずれた買い物に、政治家の関係企業がかかわっていた事実への市民の怒りにほかならない。
 市の対応はさらに鈍かった。問題の発覚時は「(購入)手続きは適切。調査を行う考えはない」とまで言い切り、正当性を強調する博多港開発の調査を追認。同社の増資を控え、議会側の批判を志岐氏の解任でかわそうとした思惑が転売の発覚で破たんするなどの混乱ぶりは、同社に市の監督が及んでいなかったことを如実に示している。
 疑惑の舞台となった人工島、総事業費四千六百億円の巨大公共事業はこれからも進む。
 今回、百条権限を与えられた委員会は、市総務企画局長の汚職事件を機に二〇〇一年に設置され、同年の副議長による汚職事件、ケヤキ・庭石問題と、次々と調査対象が追加された。この事実はまた、行政や議会に潜む利権体質の根深さを物語る。そして、市民はどの不祥事にも今回と同様の怒りを抱いてきた。
 議会が超党派的に疑惑解明に取り組んだ背景には、間近に改選を控え、最も有権者の反応に敏感な時期だったという事情もある。告発を節目に各議員は本格的に選挙へと走り出す。だが、市民の目が市政や議会に注がれているのは選挙のときだけではない。求められているのは、ふだんからの議会のチェック機能だ。それは忘れてほしくない。


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