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20030329付 朝刊
◎福岡県/ケヤキ・庭石問題 福岡市行政監察・調査報告要旨 極めてずさん意思決定
地方自治のルール無視 植樹選定の公正さ疑問/ふくおか都市圏
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福岡市の第三セクター「博多港開発」による高額ケヤキ・庭石購入問題について、市行政監察班は二十八日、調査報告書を発表した。一九九三年から始まったケヤキ購入に関する動きのうち、四つの文書について関係者から事情聴取するなどした結果、「極めて不可解、不適切な事務執行」であり「極めてずさんな意思決定」が行われたと結論付けている。調査報告書の要旨は次の通り。 (肩書は当時)
【一九九三年一月十三日付で宮崎県高千穂営林署長から港湾局長あてに出された「ケヤキ購入依頼」について】
志岐真一港湾局長と参与(局長級)、担当課長で供覧した。係長以下の職員や担当部長の供覧がなく、事務執行上、異例な取り扱い。この文書が、その後の(市側から博多港開発側への)依頼文書や(市と同社が結んだ)覚書の発端となっており、当初から、一部の限られた関係者間で処理しようという意図があったのではないかとも疑われる。
【同年一月二十日付で、志岐港湾局長から博多港開発の大石秀雄社長あてに出された購入依頼文について】
依頼文には公印(福岡市港湾局長之印)はあるが、文書番号が記入されず、市作成の公文書とは異なる書式である。担当部長の押印はなく、誰が作成したかは不明。
二〇〇三年二月の市議会特別委で、志岐氏はこの文書について「営林署からの依頼文書を紹介した程度のもので、会社に送付されていないかもしれない」と発言。〇二年に常任委員会で(ケヤキ・庭石購入が)問題になったころ、港湾局から博多港開発に調査依頼したところ、当時の収発簿(文書発信と受け取りの記録)に収受の記録が確認された。しかし、同年暮れの文書整理の際、この収発簿は処分された。
具体的なケヤキなどの高木の利用計画がない段階で、会社に対して「確保」、すなわち購入を依頼したことは極めて不可解、不適切。文書を起案した市職員は「依頼文」本文は作成していない。
このような不適切で不自然な文書が作成され、公印が用いられて施行されたことの責任は、最終的に決裁を行った志岐局長にあると考える。
【九五年八月八日付で、桑原敬一市長から博多港開発の大石社長あてに出された購入依頼文について】
文書起案者によると、港湾局には同局専用の市長印があり、通常はこれを使うが、この依頼文書には総務局総務課に保管してある(別の)市長印が押印されている。
予定価格が六千万円以上の高額財産取得については、議会の議決が必要。そのため、通常は購入依頼前に所管の常任委員会への事前説明を行うなどの手続きがとられている。これらの事務手続きもなく、極めて不適切。予算確保の検討や方針決定もなされていないなど、将来、確実に買い取りできる見込みのない状況下で、極めてずさんな意思決定がなされている。
【九五年九月二十八日付で、末田能久港湾局長が博多港開発の大石社長に「ケヤキの買い戻し」を約束した覚書】
合議欄には大庭樹総務部長だけが押印しており課長以下の職員の合議がない。覚書はその末尾で、福岡市を代表する者を「港湾局長 末田能久」と記載。しかし、地方自治法の規定で、市の代表は原則として市長のみであり、代表権のない者の名で覚書を取り交わしたことは、地方自治の基礎的なルールを無視した不適切な事務処理である。
このような不適切な事務執行の下に、ずさんな意思決定で覚書締結が処理されたことは極めて遺憾であり、最終決裁者である末田局長に責任があると考える。
九五年の依頼文書と覚書に関しては、大庭氏が中心的な役割を担ったとの供述もあるが、事実確認するに至っていない。
【その他関連事項】
九二年度の地行中央公園整備工事で、ケヤキ三本(一本百万円前後)が植栽された。西田藤二市議または、西田氏関係会社の海浜公園振興から、営林署の木を使ってほしいという話があり、その際、大成産業(宮崎市の造園業者)からも見積もりを取ったと記憶している者がいた。
九三年度の地行浜緑地整備工事で、ケヤキ二十八本(一本百万円前後)が植栽された。この工事か地行中央公園整備工事かどちらかで、西田氏から「ケヤキを取り扱う会社の見積もりを送るからよろしく」との電話を受け、見積書が届いたと記憶している者がいた。
両工事とも議員(西田氏)の提案を受けてケヤキ植樹を決定しており、植樹の選定過程が公正であったか疑問が残った。
両工事とも、工事落札業者に見積もりを出した大成産業の名を教えた者がいた。これは工事落札業者に特定のケヤキ取り扱い業者との取引を指示したかのような効果を生じさせることとなっており、結果的に不適切な行為であった。
【市職員が博多港開発社員に同行したケヤキの現地調査などについて】
九五年に桑原市長名での「ケヤキ購入依頼文」が出される前の九四年八月二十五日、市港湾局工務課係長と博多港開発社員二人が宮崎県延岡市に出張した。目的は、種苗場に移植されているケヤキの品評だった。
九八年一月二十八日付で、港湾局技術課長が同局内の三課長に対してケヤキの使用依頼と使用本数の報告を求める文書を発信した。結果的に局内での使用予定はなく「ケヤキは今は使えない」との回答が博多港開発社員に口頭で伝えられた。文書発信の契機は「覚書」の締結に携わった、この社員が独自に働きかけを行ったためとみられるが、市では関係課長レベルで処理され、局長などへの報告はされていない。
九九年八月二十四、二十五日に港湾局開発第一課長と係長、博多港開発社員四人が熊本県人吉市と鹿児島県鹿屋市に出張。目的は市職員によると、同社が所有するケヤキと原生のケヤキの視察で、当時、同社と共同で取り組んでいた「アイランドシティ(人工島)プロジェクト」の参考になるとの考えだった。
しかし、その一週間後に、同社はケヤキ三百本を購入している。同社社員は、出張前から購入の話があり、出張目的には購入の事前調査も含んでいたとしているが、市職員には伝わっていなかったようだ。
【まとめ】
「覚書」については早急に効力を文書で解消することを協議し、改めて合意事項として文書で取り交わすべきである。
ケヤキ・庭石の購入は博多港開発の取締役会の議題にも取り上げられず会社側から港湾局への協議すら行われていなかったことが確認された。港湾局として事実を把握することは非常に困難であったと考える。しかし、会社に役員を派遣する出資団体の所管局として、かつアイランドシティ整備事業の共同事業者として、同社の総額十億円にも上るケヤキ・庭石購入の事実を把握できなかったこと自体について、購入当時の港湾局幹部の監督責任を問題にしなければならないと考える。
【再発防止策】
たとえ上司の指示とはいえ、その内容が不適切であると疑われるような事務処理を命ぜられた場合は、職員としてその理由、必要性を十分に問いただし、確認したうえで処理すべきことを再確認すべきである。今後、港湾局と博多港開発の間で、事業計画やその進行管理について十分な協議が行われるような仕組みを検討すべきである。
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