’04参院選ちくほう・私の視点<4>自然教育かね塾代表 兼子聡介さん―連載
▼自然教育かね塾代表 兼子聡介(かねこ・そうすけ)さん(31)=桂川町土師 佐世保の小学生殺害事件は、インターネットが原因になっているかのようなとらえ方がある。とかく少年事件では、メディアは分かりやすいきっかけを探し、特効薬を求めたがる傾向がある。しかし、そこに至るまでにいろんな積み重ねがあるわけで、それを知らずに安易に原因を決めつけることはできない。 引きこもりの若者に接していると、そこに至るまでに積み重ねてきたものを肌で感じる。彼らは、親の言われたことに従い、学校教育に適合しすぎているきらいがある。知識偏重で生活の実体験が少ない。頭でっかちで地に足がついていないのだ。そんな彼らは社会不適応者といわれるが、実は、ほとんどがまじめで気の優しい人たちだ。そんな彼らが生きづらいという社会の在りようはどうなのだろうか。 今の社会は大人も子どももギスギスして余裕がない。ある小学校で朝の声かけ運動を始めた人が、不審者と思われたという話があるくらいだ。社会全体が問題を抱えている。引きこもりは、こうした社会の問題を映し出していると思う。彼らのような人間が外に出ていける社会にならなければ、世の中から優しさ、まじめさが失われていく気がする。 教育基本法の改正でどうこうなるという問題ではない。さまざまな分野の“現場”にいる人たちが、異なる視点で議論する必要がある。それらの意見を吸収し、制度を変える必要があれば変えるべきだ。政治家は官僚の言いなりでなく、官僚と戦ってほしい。もちろん結果がすぐ出る話ではないので、十年、二十年先を見据えてもらいたい。 ◇ ▼プロフィル 九州工業大大学院中退後、福間町の引きこもり自立支援施設のスタッフとして訪問支援を始めた。2年前、筑穂町に「自然教育かね塾」を構え、先月、桂川町に転居。NPO法人・福岡青少年支援センター筑豊支部長。
【20040628朝刊】
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