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■どう守る都市・静岡からの報告 地震列島<4>家庭の防災 個人でしっかり備蓄
●食料は10日分
ヘルメット、布団、薬箱、下着、テント、米、ラーメン、鍋、やかん、釜、炭、バール…。 静岡市葵区北安東二丁目に住む鈴木昭二さん(77)が、自宅の庭先の倉庫を開けてみせた。中には備蓄品がびっしり。食料は家族三人の十日分がある。もちろん、東海地震への備えだ。倉庫自体、家屋がたとえ倒壊しても安全な位置に置いているという周到さである。 その家屋の耐震診断・補強は二〇〇三年に完了した。築五十年の天井が落下しないよう、約二百五十万円かけた。家具やテレビなど倒れる恐れのあるものは、ひもで柱などにくくりつけ、すべてのガラス窓に飛散防止シートを張った。消火器は五本ある。 昨年の新潟県中越地震では、自治体が支給する物資を待つだけの被災者が少なくなかった。「地震では行政もやられ、頼りにならない。自分のことは自分でやった方がうまくいく」というのが、鈴木さんの心構えだ。どんな大地震にも耐える―。そんな決意が家中にあふれていた。 取材を終えて別れを告げた玄関に、またヘルメットがあった。 ●抜き打ち訓練 「着替えを入れたリュック を玄関近くに用意している」「寝ているときに地震があってもいいように靴を置いている」 静岡県袋井市の浅羽北小学校。六年生に地震への備えを尋ねると、次々と答えが返ってきた。 同市では、一九四四年の東南海地震で小学校舎が倒壊し犠牲者が出たこともあり、東海地震への危機感は強い。浅羽北小では、児童のいすの背に防災ずきんの入った袋がかけられ、音楽室など別の教室に行くときにも、常に持参させる。 同校は校内や通学路で危険と思われる場所を地図上に表す、災害図上訓練(DIG)を実施。児童に対する抜き打ち訓練をして「廊下で転倒物にぶつからないよう、中央に伏せて頭を押さえる」など、具体的な身の守り方を学ばせている。 ●オオカミ少年 阪神、新潟、福岡…。地震列島・日本では予想外の場所で大地震が続く。「今度は東海か」と身構える静岡の市民たち。しかし“オオカミ少年”のように「来るぞ、来るぞ」と言われ続けることに慣れてしまい、個人の備えが進まない現状もある。鈴木さんのような「完全防災家庭」は静岡でも珍しいのだ。静岡県は一人一日三リットルの飲料水を三日分蓄えるよう、県民に呼び掛けている。しかし、三日分以上準備している家庭は27%(〇三年県調査)だけだという。 同県浜松市の会社員、浜江正孝さん(36)は今月十日、妻(25)、長女(2つ)と静岡市の県地震防災センターを訪れ、阪神大震災並みの揺れを体感できる装置に乗った。 浜江さんは実家がある佐賀県諸富町に帰省していた三月二十日、福岡沖地震に襲われた。東海地震への対策を家族で考え直そうと思った。 携帯ラジオや懐中電灯などを袋につめ、ベッド横に置く。賃貸マンションなので壁に穴を開けなければならない家具固定器具は避け、背の低い食器棚を使っている。 「でも、ぼくらの周りで地震に備えている家庭って、結構少ないんですよね。人ごとというか…」 大地震が続く状況を警鐘ととらえる浜江さん。表情が、少し曇った。 [2005/04/20] |
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