百年におよぶ地元の熱心な誘致運動が実を結んだ九州国立博物館が十五日、東京、奈良、京都に次ぐ全国で四番目の国立博物館として、福岡県太宰府市石坂に開館した。国内外の約千人が出席して同日、開館記念式典が開かれ、「アジアの交流」にスポットを当てる新たな文化拠点の船出を祝った。十六日には開館記念特別展「美の国 日本」(西日本新聞社など主催)が開幕、一般公開が始まる。
九州国博の誘致は、美術運動指導者の岡倉天心が一八九九年に設置を提唱したことに始まり、戦後、九州の官民が一体となって募金活動などを展開。長くアジアとの交流窓口だった九州の重要性をアピールし、実現にこぎつけた。式典には、天心のひ孫の岡倉徹志・富山国際大教授、中国や韓国の博物館長も出席した。
河合隼雄文化庁長官は「関係者の努力が開館に結びついた。九州国博の開館を機に、九州からの文化力の発信を大いに期待している」とあいさつ。国と共同運営する福岡県の麻生渡知事は「われわれ九州の百年の夢がついに実現した。アジアとともに発展したい」と感慨深く語った。
悠久の歴史を感じさせる雅楽演奏の後、募金を進めた九州国立博物館設置促進財団の大野茂理事長、地元の誘致運動をリードしてきた有吉林之助・九州国立博物館を支援する会会長らも加わってテープカットした。
九州国博の基本コンセプトは「日本文化の形成をアジア史的観点からとらえる」。屋根は波形、壁面はガラス張りで、延べ床面積は約三万平方メートル。常設の文化交流展示室にはアジアとの交流を物語る文化財が並び、スーパーハイビジョンの解説、アジア文化体験エリアなど新しい試みも多い。
特別展の第一弾「美の国 日本」(十一月二十七日まで)は、九州初公開の正倉院宝物など国内外の至宝を紹介。第二弾として、中国と周辺民族の交流をたどる「中国 美の十字路」(来年一月一日―四月二日、西日本新聞社など主催)が開催される。