西日本新聞
ニュース > 耐震強度偽造問題 九州・山口関連 スポーツ  ■ バナ天+α
耐震強度偽造問題


■耐震強度偽造(共同)>

耐震強度偽造 木村建設が関与否定 社長会見 姉歯氏に「怒り」

 姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市)による耐震強度偽造問題で、問題が発覚したマンションやホテルを施工した木村建設(熊本県八代市)の木村盛好(もりよし)社長は二十四日、熊本市内で会見し、今月下旬にも破産の申し立てを熊本地裁に行う方針を正式に表明した。姉歯事務所に怒りをあらわにし時折、涙で声を詰まらせるなど悔しさをにじませた。

 会見で、木村社長は「建設会社としての義務を厳守できなかった責任を強く感じる」と謝罪。偽造への関与は「全く知らず、(同事務所にコストダウンの)圧力をかけた事実はない」と繰り返し否定、同事務所に対しては「怒りがいっぱいで、告訴したい」と語った。

 会見に同席した同社役員によると、同社が姉歯事務所に構造計算を下請けに出したのは一九九六年、取引先の鉄工所から紹介されたのがきっかけ。二〇〇二年以降に全国で設計、施工した建築物のうち、姉歯事務所が構造計算した物件は三十五件(うち未着工二件、九州は福岡県の一件)だったという。

 マンションの住民などへの補償については「破産手続きの中で行う。管財人に任せたい」(代理人弁護士)と明言を避けた。保有する債権などを相殺した後の実質の負債総額は約七十億円とみられ、同社が現在手掛けている三十六件の建築工事については「事業を継続する資力がない」として中断し、既存のマンションの取り壊しも行わない方針。

 一方、熊本県は同日、木村建設本社を立ち入り検査。保存が義務付けられている五年間(二〇〇〇年度以降)の建築確認申請書を調べた。千葉県の調査で当初、姉歯事務所がかかわったとされた八代市の民間倉庫・事務所は別の設計事務所が担当していたことが分かった。

    ×      ×

 ●木村社長一問一答 告訴念頭/住人に申し訳ない

 耐震強度偽造問題で二十四日会見した木村盛好社長ら木村建設幹部との主なやりとりは、次の通り。

 ―今の率直な感想を。

 木村社長 痛恨の極み。こんな事態を予想もしなかった。姉歯建築士には怒りの気持ちでいっぱい。告訴も考えている。

 ―偽造は知らなかったのか。姉歯と知り合った経緯は。

 同 全く知らない。姉歯については「鉄工所から紹介を受けた」と東京支店の担当者から聞いただけ。姉歯にコストダウンの圧力をかけたこともない。

 ―なぜ今まで気づかなかったのか。

 同社役員 安全を大前提として設計を依頼し、検査機関も(安全基準を)確認した。構造は特殊な分野。われわれ施工は上がってきたものを信じるしかない。

 ―だまされたということか。木村建設に責任はないのか。

 同 そうです。

 ―自己破産では補償責任を果たせなくなるのではないか。

 代理人弁護士 破産手続きの中で破産管財人が(補償などの)処理をすることになる。偽造にかかわっていれば責任は否定できないが、今のところ当社は偽造にかかわっていないという認識だ。

 ―より低コストで利益を追い求め過ぎた結果をどう思うか。

 木村社長 構造計算を偽造してもうけようとは思っていなかった。こんなことで足をすくわれるとは思わなかった。マンションの住民や、一緒にやってきた社員たちには申し訳ない気持ちでいっぱい。できる限りのことをしたい。

[2005/11/25]



<<<関連記事に戻る
Copyright 2005 The Nishinippon Shimbun.All rights reserved. 
掲載記事・写真の無断転載はできません。すべての著作権は西日本新聞社に帰属します。

ネットワーク上の著作権については新聞協会の考え方を御参照ください。media@nishinippon.co.jp

西日本新聞