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県内11小選挙区出口調査を分析 自民 風に乗り急伸

 衆院選の県内十一小選挙区で各候補がどのような票を得たか、西日本新聞社と共同通信社の出口調査に基づいて分析した。支持政党や年代別、地域別の得票状況をみると、「小泉旋風」の追い風に乗って各区で自民支持層が拡大したことに加え、自民候補が無党派層も含めた幅広い有権者に浸透、九選挙区で勝利を得る原動力となった。一方、民主をはじめとする野党陣営は、それぞれの政党支持層を固めるのが精いっぱいで、広がりを持てなかった。

 ●1区 無党派の5割松本氏に
 民主前職の松本龍氏が六選を果たしたが、自民新人の遠藤宣彦氏に約七千票差まで詰め寄られる辛勝となった。出口調査によると松本氏は民主支持層の82・7%、自民支持層の27・8%、無党派層の48・5%を獲得。年代別でも各世代から安定した支持を受けた。
 前回選挙の自民候補に比べ大きく票を伸ばした遠藤氏は自民支持者の七割近く、公明支持者の七割余りを獲得。年代別では二十代前半が六割、四十代、七十代以上でも五割を超えており、「小泉旋風」を裏付けた。
 共産新人の橋本英一氏は共産支持層の七割を固めたが、他党支持や無党派層への浸透が図れなかった。

 ●2区 山崎氏が全年代に浸透
 自民前職の山崎拓氏が十三万票を突破、大勝した福岡2区。支持政党別では自民支持層の81・8%、公明支持層の77・2%を獲得した。無党派層の42・3%も取り込み、二十代―七十歳以上の全年代で民主新人の平田正源氏を上回った。男女別では男性の過半数、女性のほぼ六割から支持された。
 平田氏は民主支持層の78・6%、無党派層の43・2%に浸透。共産、社民支持層の票も一部取り込んだが及ばなかった。年代別では四十、五十代の支持が四割に達した。
 社民新人の西村健志郎氏への投票は社民支持層で42・9%、共産新人山田博敏氏は共産支持層で48・0%にとどまった。

 ●3区 太田氏、幅広く支持得る
 自民元職の太田誠一氏が自民支持層の82・0%、公明支持層の87・5%に浸透。民主前職の藤田一枝氏は民主支持層の80・4%を固め、共産支持層の三割に食い込んだ。無党派層は藤田氏が50・3%で太田氏の43・1%を上回った。
 年代別にみると、二十代では太田氏がほぼ六割を取り込み、30%代の藤田氏を突き放した。他の年代でも幅広く五割前後から六割の支持を集めたのに対し、藤田氏は五十代で47・3%の票を獲得したのが最高だった。
 共産新人の中園辰信氏は共産支持層の65・4%を固めたが、年齢別では最も支持が高かった二十代後半でも一割に達していなかった。

 ●4区 渡辺氏、自・公票固める
 自民前職の渡辺具能氏は当初、郵政民営化法案採決を棄権した影響が懸念されたが、前回並みに自民支持層の八割弱をまとめたほか、初めて推薦を受けた公明支持層の約七割を取り込んだ。年代別では二十代と五十代以上で有権者の五割以上に支持された。
 民主前職の楢崎欣弥氏は、無党派層の約半分の支持を集め、民主支持層の八割強を固めたが、力を傾けた粕屋郡だけでなく、頼みの都市部でも渡辺氏に大きく離された。三十―四十代の支持は渡辺氏を上回った。
 共産新人の新留清隆氏は社民支持層や無党派層の一部にも食い込み、前回票に約二千八百票を上積みした。

 ●5区 原田氏、女性に高い支持
 五選を果たした自民前職の原田義昭氏は、自民、公明支持層の八割以上を固めたほか、「小泉改革路線」のアピールなどで、無党派層の四割近くを取り込んだ。各年代で満遍なく支持を得ており、男女別では女性から高い支持を受けていた。
 民主前職の楠田大蔵氏は、二十代の支持は高かったが、四十代以上への浸透が低調だった。「小泉内閣を支持しない」層の七割を固めたものの、全体として「支持する」と回答した人が多く、「自民旋風」に圧倒された形となった。
 共産新人の河内直子氏は、他政党支持層の一部も取り込み、前回より票を伸ばしたが、全般的な広がりはなかった。

 ●6区 鳩山氏、6市町でトップ
 東京18区から選挙区替えした自民前職の鳩山邦夫氏が、選挙区の四市二町すべてで得票一位(得票率52・1%)となり、民主前職の古賀一成氏を圧倒した。有権者が最も多い久留米市でも一万九千票差をつけた。
 出口調査によると、鳩山氏は衆院解散五日前の出馬表明だったにもかかわらず、全年代で古賀氏を上回った。自民、公明支持層の八割を固め、無党派層の三割強からも支持を得た。
 一方、古賀氏も民主支持層の九割、社民支持層の八割近く、無党派層の五割超から支持を得たが及ばなかった。共産新人の中西和也氏は、共産支持層からの支持も四割に満たなかった。

 ●7区 50代超過半数が古賀氏
 自民前職の古賀誠氏が郵政民営化法案採決を棄権した批判をはね返し、圧勝した。ただし、投票率が前回比約7ポイント増える中、得票は同約七千票減の十一万二千四百二十票、得票率も同約10ポイント減の54・1%に落ちた。
 出口調査によると、古賀氏は自民支持層の八割以上、公明支持層の七割以上を固めた。世代別では五十代以上の過半数に支持された。
 一方、民主新人の中屋大介氏は、公示直前の立候補表明だったが、民主、社民支持層の七割以上に浸透。二十七歳の若さからか、年代別でも二十―三十代で50%前後の支持を得た。共産新人の大森秀久氏は共産以外に浸透できなかった。

 ●8区 麻生氏が県内最多得票
 自民前職の麻生太郎氏が県内最多の十四万五千票余りを獲得して、前回に続き圧勝した。選挙区内の全二十市町でトップ。対立二候補の地元直方市を除いて、得票率は50%を超えたほか、全世代で半数を超える支持を受け、二十代前半では75%に迫った。
 自民支持層の八割強を獲得、公明支持層の八割近くにも浸透した。また、自民票が比例で公明に流れた形跡はなく、公明との票のバーターがないままの圧勝劇で地力を見せつけた。
 一方、民主新人の大島九州男氏は民主支持層で75%の支持にとどまり、共産新人の渡辺和幸氏も共産支持層の七割弱しか固めきれなかった。

 ●9区 三原氏、無党派で互角
 自民前職の三原朝彦氏が前回比約二万二千票増やし、民主前職の北橋健治氏に勝利した要因の一つは、無党派層の得票率アップ。前回は三割弱にとどまったが、今回四割を取り込んだ。また、自民と、推薦を受けた公明支持層の約八割をそれぞれまとめ、小選挙区初勝利の原動力とした。
 北橋氏は、民主支持層の約85%をまとめ、社民支持層からも七割近い支持を取り付けた。しかし、前回六割を取り込んだ無党派層の支持が四割強と伸び悩み、三原氏と拮抗(きっこう)したことが敗因の一つとみられる。
 共産新人の真島省三氏は、共産支持層の八割を固めたが、他への広がりはなかった。

 ●10区 公明票の7割西川氏に
 比例九州単独からくら替えした自民前職西川京子氏は、地縁のない選挙区で九万八千票近くを獲得。二位に三万票以上の差をつけて大勝した。
 出口調査で支持政党別の投票行動を見ると、西川氏は自民支持層の約六割をまとめたほか、自主投票にもかかわらず公明支持層の約七割を固め、「自公連立」が順調に機能した。加えて民主、共産、社民支持層からも一割前後を取り込むなど、幅広い浸透を見せた。
 一方、無所属前職の自見庄三郎氏は、頼みの自民支持層からの支持が三割程度。民主前職の城井崇氏も民主支持層の六割強しか固めきれず、ともに支持基盤の揺らぎが西川氏の圧勝を許した。

 ●11区 公明票が武田氏後押し
 郵政反対派の無所属前職、武田良太氏が四百四十九票のわずかな差で再選された。無所属ながら自民支持層の三割近く、公明支持層の少なくとも半数近くが投票したとみられる。さらに候補擁立を見送った社民支持層の三割以上の支持も得て、勝利に結びつけた。
 自民元職の山本幸三氏は自民支持層の七割近くを固め、前回よりも約一万六千票増やし、武田氏に迫った。小泉人気に支えられ、年代を問わない得票で接戦に持ち込んだことをうかがわせた。
 民主新人の稲富修二氏は民主支持層の半数近くから得票したが、支持の広がりに欠けた。共産新人の村上勝二氏には社民支持層の票も流れた。

【20050913朝刊】

■ 連 載

【連載】衆院・福岡11小選挙区 公示前情勢(2005年08月16日〜08月26日)
【連載】支えの裏側で 2005年衆院選(2005年08月25日〜08月29日)
【連載】団塊は問う ’05衆院選―筑豊の視点(2005年08月26日〜)
【連載】郵政人金選挙 地方の現場から(2005年08月27日〜08月29日)
【連載】無党派どこへ・衆院選ふくおか(2005年09月07日〜09月10日)

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