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軍隊も「脱・蒋介石」? 台湾 銅像撤去めぐり波紋
歴史評価に直結 与野党真っ向対立
2006.03.27掲載
台北市の中正紀念堂にある蒋介石の巨大像
 独裁者として長年君臨した故・蒋介石総統の銅像を軍施設から撤去するかどうかをめぐり、台湾の立法院(国会)やメディアで論争が起きている。国民党政権下では、個人崇拝に近い形で多くの公共施設にあった蒋介石像も二〇〇〇年の民主進歩党(民進党)への政権交代以降に撤去が進み、軍隊は「最後の聖域」ともいえる場所。蒋介石像問題は、国民党独裁政権の歴史的評価にもつながる事柄だけに、与野党の意見は真っ向から対立している。 (台北・遠矢浩司)

 軍施設からの蒋介石銅像撤去は、野党・国民党寄りの論調で知られる台湾紙「聯合報」が十九日付夕刊で「陳水扁総統が蒋介石、(長男で後継者の)蒋経国両総統の銅像撤去を命令した」と報じ口火を切った。これに対し、総統府は「総統が命令したことはない」と反論。立法院での質問に国防部(国防省)担当者も「総統の命令ではなく、全面撤去の予定はない」と答弁した。ただ「施設改築や文物保護の目的で移設している」とも答え、一部では銅像を撤去していることも認めた。
 一九八七年に戒厳令が解除されるまでの国民党独裁下では、軍は「党の軍隊」とされ、蒋家と党の権力を支える基盤だった。陳政権は、軍人事などでの改革を進めようとしているが、軍は依然として国民党色が強いとされる。
 また、学校や公共施設にあった銅像の撤去は進んだものの、台北市には蒋介石の巨大像が安置されている「中正紀念堂」(中正は蒋介石の名)があり、台湾各都市の中心部に「中正路」が残るなど蒋介石の存在はまだまだ大きい。
 今回の像撤去は、総統府の否定にもかかわらず陳政権の台湾化路線の一環と受け止められており、与党・民進党の立法委員(国会議員)は「政府を支持する」と表明。一方、国民党側は「銅像撤去は歴史を否定する、共産党の文化大革命のようなもの」などと批判している。

 ●ワードBOX=蒋介石と台湾
 対日戦争勝利後の中国共産党との内戦に敗れた蒋介石と中国国民党政権は1949年12月、台湾に逃れた。50年3月、一度辞任していた中華民国総統に再び就任、75年4月に88歳で死去するまでその地位にあった。中華民国が中国の正統政権との立場を崩さず、大陸反攻をスローガンに戒厳令を敷いた。台湾発展の指導者としての評価がある半面、国民党軍が台湾人を虐殺した二・二八事件の最大の責任者であるとの研究報告書が今年2月に出されるなど、恐怖政治を敷いた独裁者としての批判がある。




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