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| 古き良き城下町の風情を伝える臼杵市中央通り商店街 |
通りの石畳に打ちつける初夏の雨音が店の中にまで響く。大分県臼杵市の中央通り商店街は今年四月、新しい愛称を「八町大路」と決めた。
二十五年間頭上を覆ったアーケードを外して電線類は地中に埋め、足もとのカラー舗装は石畳に一新した。長さ三百メートルの商店街は、城下町・臼杵の歴史と風情が薫る通りに生まれ変わった。
商店街の店舗は四十二。一国一城のあるじたちを説き伏せた臼杵市中央通り商店街振興組合の高村晃正理事長(56)は「通りが明るくなったと評判は上々。土日に商店街を歩く人の数が増えた」と手ごたえを感じる。
▼危機感から団結
一時五万人に迫った臼杵市の人口は現在三万五千人と減少が続く。典型的な地方の小都市だ。
中央通り商店街「シルバーロード」のにぎわいは一九八〇年ごろがピーク。その後、大分自動車道建設に合わせ臼杵インターチェンジ周辺に大型量販店が出店し、商店街の人出は潮が引くように減った。「核店舗だったスーパーまでが郊外に移転し、商店街にぽっかり穴が空いてしまった」という。
資金負担の問題などで老朽アーケードの改修対策を棚上げしてきた商店街だが、長引く不況で危機感が高まった。「周辺の歴史的街並みと調和した街づくりをしよう」と市役所が呼びかけ、アーケード撤去と景観整備が商店街の出した「再生への答案」だった。二〇〇〇年二月のことだ。
▼半数以上が改修
格子窓に大きな木の看板―商店の店構えも変わった。大分県、臼杵市が三分の二を負担する助成制度を利用し、この三年間に酒屋や理髪店、シイタケ屋、呉服店など十三店が木造や蔵づくり風に外装を改めた。
江戸時代の狭い路地がそのまま残り観光客に人気の高い「二王座歴史の道」とよく調和する。〇四年度までにさらに十店以上が改修する見込み。景観統一事業に加わる店が過半数を超える。
「不景気で数百万円の負担は重く、改装で売り上げが増えるとはかぎらない。それでも何かやってみよう、というムードが広がってきた」
商店街の前田勝雅副理事長(45)はみんなの背中を押した。今年から臼杵商工会議所が空き店舗対策に本腰を入れ、市役所、商工会議所との三位一体の取り組みが始まる。他の自治体からの視察が増えている。
▼広がる刺激の波
高村理事長は「ハードの整備はやった。残るソフトは個店の取り組み次第だ」と指摘する。通り過ぎる観光客の増加をどう商売に結びつけるかは経営者のアイデア次第だからだ。
二十五年ぶりに臼杵に里帰りしたオーナーが、商店街初の飲食店として昨年十月に開業した「うさぎ茶屋」。布団店跡を改装した。古伊万里や有田焼の器で食事やお茶が楽しめ、口コミで集まった骨とう品愛好者や若い女性客らでにぎわう。地元の老舗みそ会社もアンテナショップを出した。古井戸に投げ込んだ小石が、刺激という波紋を広げる。
六月中旬、「八町大路」に初めての夜市が立つ。多くの観光客を呼ぶ晩秋の「うすき竹宵」の竹ぼんぼりをアレンジし、新しい夏の風物詩をつくる準備に忙しい。
通りの上に空が広がり、商店街に忘れていた意欲が戻ってきた。
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