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年金・福祉・医療
今週のテーマ 介護保険の見直し
保険料 厚労省試算 どうなる 負担年齢下げ
2004年11月6日


●20歳で1700円か、2800円か 40歳以上はアップ抑制
 介護保険制度の見直しをめぐり、保険料を負担する被保険者の対象年齢を引き下げるか、どうか、最大の焦点となっている。厚生労働省は、今の「四十歳以上」から、「二十歳以上」などに引き下げた場合の試算結果を公表した。急速に進む高齢化で保険給付の増大は避けられない情勢とされるが、生活者としては安易な負担増は受け入れられない。今後、議論が本格化する。判断材料として、試算結果を詳しく紹介したい。
 (暮らし取材班・進藤卓也)





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 厚労省の試算は、「二十歳以上」「二十五歳以上」「三十歳以上」「三十五歳以上」にそれぞれ引き下げた場合を設定。それぞれ(1)新たな負担者(四十歳未満)と、第二号被保険者(四十歳―六十四歳)の保険料を同額にする(2)新たな負担者の保険料を、第2号被保険者の半額にする―という二ケースに分けて、月額保険料(全国統一)として示した=グラフ下参照。

 実施は、介護保険第三期(二〇〇六―〇八年度)からとし、第四期(〇九―一一年度)、第五期(一二―一四年度)ごとに推移を示した。

 さて、具体的に見てみると、「二十歳以上」に負担年齢を引き下げ、(2)の「半額」ケースにあてはめてみると、二十歳から三十九歳までの人の保険料は、〇六年度から、千七百円となる。〇九年度からは二千円、一二年度からは二千三百円に、それぞれアップするという。第二号被保険者(四十―六十四歳)の保険料は、〇六年度から三千四百円、〇九年度からは四千円、一二年度から四千六百円となる。

 一方、「二十歳以上」に負担年齢を引き下げた場合で、(1)の「同額」ケースで見ると、二十歳から六十四歳までの人の保険料は一律して、〇六年度から二千八百円になり、〇九年度から三千三百円、一二年度から三千九百円となる。

 これに対し、今の制度をそのまま継続した場合は、第二号被保険者の保険料は現在の三千三百円から、一二年度の六千円まで上がるという。保険料のアップを最も抑えることができるのは当然だが、「二十歳以上で保険料同額」のケースだ。

 保険料支払い年齢を広げると、四十歳以上の人たちの一人当たりの負担は抑えることができるが、四十歳未満の若年層には新たな負担を強いる。また、厚生年金の保険料負担増に続き、介護保険の負担が加わる経済界にも反発が強い。
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 なお、こうした保険料の金額は、会社員などサラリーマンの場合は事業主と折半して負担し、自営業者などは半額を国が負担することから、本人の実際の負担はいずれも示された金額の半額となる。
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■第1号被保険者の保険料 負担層拡大なら2号に準じる額

 原則的に、介護保険の給付対象となっている第一号被保険者(六十五歳以上)の保険料は、各市町村など自治体で額は異なるが、全国平均では現在、三千三百円。

 厚労省の試算では、現行制度をそのまま維持した場合、保険料は一二年度からの第五期には六千円に達する見込みだ。

 「介護予防サービス」の導入など給付抑制策を実施したら、〇六年からの第三期は三千九百円(現行制度維持なら四千三百円)▽第四期は四千四百―四千五百円(同五千百円)と保険料を抑えることができて、第五期も四千九百―五千二百円に収まるという=グラフ。

 さらに、保険料負担年齢の引き下げを実施した場合は、試算の中にある第二号被保険者の保険料にほぼ準じる見込み、と厚労省は説明する。
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■「介護予防」で給付費抑制へ

 今回の保険料負担年齢の引き下げをめぐる試算は、厚労省が介護保険の給付抑制の二本柱として検討している「介護予防サービス」の導入と、特別養護老人ホームなど施設入所者の負担増を前提として、はじき出している。

 介護保険の給付総額は、今の第二期(二〇〇三―〇五年度)の平均は年間約五・五兆円。厚労省の試算では、制度を変えない場合、第五期(一二―一四年度)には一〇・六兆円に脹らむ。しかし、「介護予防サービス」導入などを実施したら、第五期の給付額は八・七兆―九・二兆円になるという=グラフ上。

 また、保険料負担年齢を引き下げた場合、介護サービスの利用対象は、現在の「原則、六十五歳以上」から、四十歳未満の若年障害者や難病患者にも拡大するという。

 この点について、社会保障審議会介護保険部会では、障害者の支援費制度と介護保険の統合に慎重・反対の立場の委員からは「(財政問題を解決するため、障害者施策を介護保険に統合したい厚労省の)衣の下から鎧(よろい)が見える」など、強い反発の声も上がっている。

 同部会では、十二月初旬までに介護保険改革の部会案をまとめる予定だが、保険料負担年齢の引き下げと、支援費との統合問題などをはじめ、全体像を固めるには、なお曲折が予想される。



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