色鮮やかで美しい「紅型(びんがた)衣裳(いしよう) 空色地 花籠燕文(はなかごつばめもん)(琉球王尚家(しようけ)伝来品、二十八日まで展示)」を見て、初めて自分で買った着物を思い出しました。
二十歳のころ、紅白歌合戦の審査員を務めるために求めた一枚には、空色の縮緬(ちりめん)地に小さな花籠の図柄がちりばめられていました。デザインがとてもよく似ていて、驚きました。この豪華な作品とは比べられませんが、あの着物のルーツは琉球王朝にあったのかと、大変うれしく思いました。
紅型の技術は、戦災ですべての資料が失われたため、一度は途絶えかけました。戦後の物資の少ない中、職人たちがさまざまな素材を工夫して、大変な苦労の末に復興した伝統文化です。
そうした歴史背景を考えると、琉球王朝から長い時間を経て伝わってきた紅型がどれほど貴重なものか、よく分かります。