西日本政経懇話会の九月例会が二十六日、福岡市・天神の福岡国際ホールであり、国際日本文化研究センター名誉教授で宗教学者の山折哲雄氏が「日本人のこころ~21世紀を生きる」と題して講演した。
山折氏は、現代を、うつ病患者の増加や「誰でも良かった」という身勝手な殺人が起こるなど、「不安や不満が充満した時代」と指摘。その背景として、医療技術の向上で飛躍的に寿命が延びたことを挙げ「死と生は隣り合わせだったのが、その間に『老い』や『病』という問題が入ってきた。社会がうまく対応しきれていないために、うつを生む」と話した。
また、「殺意がいつ暴発するか分からない時代」とも指摘。戦後の「横並び平等主義」の教育により、先生・生徒、親子の関係が「仲間」に近くなってしまい敵意を抑える存在がいなくなったという。同氏は「師と子弟の垂直の関係を見直すことで、殺意を鎮める装置になる」と訴えた。
=2008/09/26 西日本新聞=