西日本政経懇話会の十月例会が十六日、福岡市・天神の福岡国際ホールで開かれ、財団法人日本総合研究所会長の寺島実郎氏が「世界の潮流と日本の進路」をテーマに講演。日本が産業活力を高めていくには、自動車に代わる中核的産業となりうる航空宇宙産業の展開、食料自給率の向上、海洋資源開発の推進などが重要と強調した。
世界的な金融危機の端緒となった米国のサブプライム住宅ローン問題について寺島氏は「犯罪にも近い虚構のビジネスモデル」と痛烈に批判。米政権が金融機関への公的資本注入に踏み切ったことなどを取り上げ「市場主義を掲げる米国が目指した新自由主義は破たんした」と指摘した。
また、イラク戦争の泥沼化とドル安、資源高騰などで「疲れ果てた米国」と、中国・ロシアなど新興国の急速な台頭を対比して説明した。これに関連して「世界的な物流の変化が生じ、韓国・釜山港が世界の拠点港湾になっている」と語った上で、「福岡は太平洋側と日本海側をつなぐ有利な位置にある」と指摘した。博多港と北九州港の連携による機能拡充を提案した。
さらに、新たな成長産業と期待される航空宇宙産業の拠点を九州に誘致するには九州経済界の結束が重要と訴えた。
=2008/10/17西日本新聞=