【宮崎】希少キリン繁殖へ“年の差婚” 熊本の1歳雄が宮崎の5歳雌に「婿入り」

仲良くえさを食べるマサイキリンの「冬真」(左)と「コユメ」=宮崎市フェニックス自然動物園
仲良くえさを食べるマサイキリンの「冬真」(左)と「コユメ」=宮崎市フェニックス自然動物園
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 宮崎市フェニックス自然動物園に、熊本市動植物園の1歳の雄、マサイキリン「冬真(とうま)」が婿入りした。5歳の雌「コユメ」とつがいにして繁殖させる作戦だ。絶滅危惧種のマサイキリンは入手が難しく、国内には計8頭しかいない。全国的に動物の「少子高齢化」が進む中、両園の協力によって縁談が成立した。冬真は人間で言えば幼児。かなり気の早い“年の差婚”は子宝に恵まれるのか、関係者は首を長くして見守っている。

 体高約5メートルのマサイキリンはアフリカ東部に生息し、体表の茶色の模様が不規則なのが特徴。網目のような模様があり、全国に120頭ほどいるアミメキリンと違って飼育数は少ない。

 1971年の開園当初からマサイキリンを飼育していたフェニックス自然動物園には、最盛期の82年に17頭いたが、年々減り続け、2015年10月からはコユメだけ。ほかには熊本が冬真を含めた3頭、鹿児島市の平川動物公園が3頭、徳島市のとくしま動物園が1頭飼育するだけだった。

 キリンは密猟などで急減し、国際自然保護連合(IUCN)が昨年12月、世界の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)に追加したばかり。海外から購入すれば数千万円かかる。国内でも近親交配を避けるため、つがいの組み合わせが難しい。鹿児島では15歳以上離れた雌と雄を縁組させるなど、各園は苦心している。

 そんな中で昨年1月、冬真が誕生。フェニックス自然動物園は日本動物園水族館協会(東京)を通じて、熊本市動植物園に貸借契約を打診した。生後2カ月半で熊本地震を経験した冬真は、復興へ歩む被災者の人気者だったが、同園は「種の保存に協力したい」と受け入れた。

 大きくなって移動が難しくなる前に、フェニックス自然動物園が輸送費を負担し、冬真は今月1日に約200キロ離れた同園に移送された。マサイキリンは5歳前後から繁殖の適齢期を迎える。冬真が大人になりコユメの妊娠が可能になるまで早くて4年、出産まで約450日かかる見通しで、生まれた子どもの所有権は両園が協議して決める。

 姉さん女房であるコユメは、顔や首を冬真に擦り付けるなど、早くも仲の良い姿を見せており「相性は良さそうだ」(飼育員)。26日には「披露宴」ならぬ来園お祝い会を開き、来園者にえさやりをしてもらう。

 同園の竹田正人飼育課長は「動物園同士で相談しながら、長い目で赤ちゃんを増やしていきたい」と話している。

=2017/11/19付 西日本新聞朝刊=

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