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鮮度高い魅力を更新し続けたい 映画「新宿スワン2」主演 綾野剛さん

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 映画「新宿スワン」(園子温監督)は新宿・歌舞伎町でスカウトとしてのし上がる龍彦が主人公です。好評の前作に続く「2」では横浜に乗り込み、対抗勢力と死闘を繰り広げます。主演の綾野剛さんは物語を引き立てるアクションシーンのために「俳優部」として提案するなど裏方的にも深く作品に関わっています。熱い語り口でした。

 -今回の龍彦像を、どう捉えたか。

 ★綾野 前作は龍彦の成長物語、新宿というミニマムな世界で個人の戦いだった。今回は新人も下にいていわば中間管理職。組織の戦いになりました。新人役の皆さんが並々ならぬパワーで参加してきて、龍彦もはじめはこうだったなって。気をつけたのは、今までの龍彦のように突発的なことはできないけど、あくまで「落ち着かない」ことでした。あと、龍彦は女性の前で一番輝く。今回ヒロインの広瀬アリスさんが龍彦のいいところをたくさん引き出してくれた。この映画は「野郎映画」と思われるけど、やっぱり女性の映画なんです。女性が男性を輝かせる。圧倒的な女性の強さと潔さを見せる作品だと思います。

 -横浜を牛耳る「滝」役は浅野忠信さん。恐ろしくも魅力的に役を演じきっています。

 ★綾野 世界で勝負されている方はこうも違うのかってくらいすごい。普段はジェントルマンなんですが、よーいスタートって始まると、見えないピストルをずっと突き付けられているような感覚の怖さ。脱帽です。

 -歌舞伎町と横浜という個性のせめぎ合いも面白い。綾野さんから見て、二つの街の違いは?

 ★綾野 横浜は港町なので外から来るものを拒まない。今回横浜では普段撮影できない場所でも協力してくださり、感謝しています。歌舞伎町は、人に見せたくない毒を、防波堤となって守っているような街。アーティストも育つし、あらゆる可能性が詰まっている。でも街も生きものなので、一歩間違えるとのみ込まれる。二つの街での芝居はすごく疲れました。

 -園監督は狂気スレスレの暴力性を描くのが非常にうまいですよね。

 ★綾野 辛辣(しんらつ)で、メッセージ性が強い。ただ、「新宿スワン」に関しては演出に徹してくださっている。僕は新宿スワンできっちり結果を残して、その上で園さんの土俵(オリジナル作品)で、園さんのために僕は何者にもなろうと思っています。

 -前作の痛みがほとばしるアクションに対し、今作のアクションはスケールアップ。今回、谷垣健治・アクション監督(「るろうに剣心」など担当)の起用は綾野さんの発案だそうですね。

 ★綾野 「綾野剛」として提案してしまうと、単にわがままになる。あくまで綾野剛は裏方で、役が主役なんです。僕らは撮影部や照明部、美術部と何ら変わりない俳優部。役者ももっと責任を持つべきです。だから俳優部の意見として提案した。今作は組織の国取り合戦。前作以上に、スクリーンサイズの「見せる」アクションが必要。それには圧倒的な破壊力を見せるアクションの谷垣さん、と思いました。谷垣さんを呼んだからにはと、めちゃくちゃ練習したんです。看板が次々倒れてくるシーンは正直、予想以上のスピードで圧迫感がすごく、さすがに焦りました。イメージと全然違うー(笑)と思いながら逃げて。

 -綾野さんには毎回役の振れ幅に驚かされる。今後、どんな役者でありたいという思いがありますか。

 ★綾野 毎回鮮度の高い魅力を更新し続けること。全ジャンル、全世代に通用する表現力を身に付けたい。僕は自分は役者だから、みたいな信念を持ってたんです。でも、スターであることも勝ち取らなきゃいけないと思い始めた。そうすることで、見てくださる方の幅も広げられる。本当に自分が関わる人全てを幸せにしたい。

 -それは龍彦の思いと、一緒ですね。

 ★綾野 そうですね! 自分の人生だけだったら、とっくに辞めてます。毎回、体を変え意識を変え、プライベートはないし。誰かが「楽しかった」「はっとさせられた」…それだけなんですよ。迷いなく、僕はファンのためにと言えます。「スター」でも「芸能人」でも何でもなってやろう、役者だからなれないはずはない。皆さんに豊かな時間を過ごしてもらうため、日々努力を惜しまずに闘う。そんな存在として、立ち続けるんです。

 ▼あやの・ごう 1982年1月26日生まれ、岐阜県出身。2003年「仮面ライダー555」で俳優デビューし、モデルやミュージシャンとしての顔も。ドラマ「カーネーション」「空飛ぶ広報室」「コウノドリ」、映画「そこのみにて光輝く」「怒り」など出演作多数。「新宿スワン2」はT・ジョイ博多などで公開中。今年は熊切和嘉監督作品「武曲 MUKOKU」での主演も決まっている。


=2017/01/22付 西日本新聞朝刊=

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