飼いならされず野性の心忘れずに 映画「PとJK」でヒロイン役 土屋太鳳さん

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 公開中の映画「PとJK」は、警察官(P=ポリス)と女子高生(JK)の秘密の結婚生活を描いた同名の少女漫画の実写版です。ピュアで真っすぐなヒロイン「カコ」を演じたのは土屋太鳳さん。カコの愛くるしい表情やしぐさが印象的ですが、その演技にたどり着くまでには、苦労や悩みがあったそうです。

 -真面目な警察官と女子高生が恋に落ち、結婚する-。大胆な設定を演じる上で意識したことは。

 土屋 原作のカコちゃんと外見が違うので不安はありました。カコちゃんって、ほんわかしているように見えて芯が通っている。カコちゃん自身は意識していないけど母性も強い。(夫の)功太君に限らず、友達にも、大切な種にお水を注ぐように愛情を注ぐ女の子なんです。息をするように愛情を表現すること、一人の女性として功太君をどう思うかを大事にしました。

 -北海道・函館での撮影でしたね。

 土屋 滞在したウイークリー(短期賃貸)マンションでは、カコちゃんの心に近づこうと、(通い婚の)カコちゃんが功太君の家で家事をするように、私も自炊していました。ご飯を作る時に「功太くーん」と呼んでみたり、実際の交番の前に立って、ここにお弁当を届けに来たら…と考えたりしていました。

 -制服もお気に入りだったとか。

 土屋 オリジナルなんです。丈とか切り返しの部分とか、こだわっていて衣装さんの力ってすごい。カコちゃんはたぶん制服をかわいいと思って着ているから、私もかわいいと思った制服を着れば近づけると思いました。

 -撮影で苦労したことは。

 土屋 「PとJK」の撮影に入る前に、違う作品(の撮影)が始まっちゃって、時間に追われる日々を過ごし、自分の演技に癖が付いているんじゃないかと苦しくなっていました。気持ちが追いつかなくなっている時に、廣木(隆一)監督に「土屋太鳳のままでいい。演じようとしなくていい」と言われたんです。自分を削って役に注ぐことが役作りだと思ってきたので、どうすればいいんだろうって不安な時間が続きました。

 -功太を演じた亀梨和也さんからも多くを学んだそうですね。

 土屋 空回りしている時に、こうしたらうまく感情が伝わるんじゃないか、一つのシーンがうそではなく真実になっていくんじゃないかと、一緒にあがいて考えてくれました。頑張るだけじゃなく、休むことも大事だと教えてくれました。一緒に「青春アミーゴ」も踊ってくれましたよ(笑)。

 -キュンキュンした場面はどこ?

 土屋 「警察官じゃない功太君はどこにいるの」と聞くシーン。大人で頼もしい功太君がどうしたらいいか分からないという顔になる。やっと功太君の心の中が見えて、子どもっぽい顔をしていたのでキュンとしました。守ってもらう時だけキュンキュンするんじゃなくて、守りたいと思ったときもキュンとするなって。

 -漫画の実写版の出演が多いですが撮影で苦労することは。

 土屋 限られた2時間でエピソードを表現しないといけないので変更点が多く、把握が難しい。だから原作と台本を照らし合わせて、お芝居で変更点を表現できたらいいって考えます。今回は原作をリスペクトした上で原作を扉にして、映画だからこそ伝えられることを大事にしました。

 -出演作がずっと続きますね。

 土屋 連続テレビ小説「まれ」をやったら、カメラの前に立つことが怖くなったんです。役として生きるって何だろう、感情の作り方はどうすればいいんだろうって。「まれ」は、試行錯誤して生ききった作品で、誇りはあるんですけど、お芝居をする面では難しさや壁が見えて、わからなくなったことがたくさんあるんです。

 -今も壁はありますか。

 土屋 変わってきた。上るにはがむしゃらに上るのが大事な時と、よく考えてから自分のペースでゆっくり上るのが大事な時があって、今は両方を試しているんです。考えることの大切さを感じる日々を過ごしています。

 -どんな女優を目指していますか。

 土屋 土屋太鳳にこういう役をさせたらどうなるんだろうと想像する刺激を与えられる女優になりたい。その上で、見えない何かに飼いならされず、野性的な心を忘れないようにしていきたいです。

 ▼つちや・たお 1995年2月3日生まれ。東京都出身。2008年「トウキョウソナタ」で映画デビュー。15年、連続テレビ小説「まれ」のヒロイン役。16年に日本アカデミー賞新人俳優賞。今年は「トリガール!」「兄に愛されすぎて困ってます」「8年越しの花嫁」と主演映画の公開予定が続く。


=2017/03/26付 西日本新聞朝刊=

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