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「一緒にいたい」から生きたいのでは? 映画「無限の住人」主演 木村拓哉さん

 映画「無限の住人」は、望んでもいないのに不死身の身体にさせられた剣士を主人公にした漫画を原作に、三池崇史監督がメガホンを取った作品です。主人公万次を演じるのは木村拓哉さん。ど派手なエンターテインメント活劇ですが、木村さんは「死ぬに死ねない」主人公を通じて、逆に人の「生」を考えるヒントも教えてくれました。

 -無数の敵と戦うシーンが冒頭とラストに2回ありますが撮影は難しかったのでは?

 ★木村 実は冒頭の(100人斬り)シーンでクランクアップしたんです。撮影期間の3カ月強、作業をずーっとやってきたアクション部のみなさんから、あのシーンに関しては「四方八方からとにかく万次さんのことやりに(殺しに)いきますから、あとは反射でお願いします」と言われて、それを小耳にはさんだ監督が「だったら長回しでいきます」と。それで「よーい、ハィ」で、ぐわーと人が出てきた(笑)。後ろから振りかぶって通り過ぎただけでは僕もリアクションが取れないので、実際に(刀を体に)当ててもらいました。そこはガチでしたね、全部。アクション部の方たちが自分に任せてくださったという、そこの気持ちがうれしかったです。

 -一騎打ちも数々ありましたが、印象的だったのは万次同様不死の閑馬(しずま)永空を演じた市川海老蔵さんとの対決でした。

 ★木村 今回の共通認識として「死なない」ではなくて「死ねない」という角度での作業をしていました。閑馬との対峙(じ)シーンで、台本には「俺たちでも死ぬのか」とセリフが書かれていましたが、自然と口から出た言い回しは「俺たちでも死ねるのか」でした。監督からも「確かにそうですね」とOKが出ました。

 -「死ねない」というキーワードがあることで単純なエンタメ映画とは違った要素も出たのでは?

 ★木村 「生きていたい」という感情には「ただ自分の命が続きたい」というのはそんなにないと思うんです。「誰々に会えなくなるから」とか「誰々ともっと一緒にいたい」と思うから生きたいんじゃないかな。だけど、万次は愛する妹を目の前で殺され、生きている意味はない。でも死ねないんです。登場人物も口にしていましたけど、「(妹を殺された怒りにまかせて)これだけの人間あやめておいて、死にたい時に死ぬなんておまえ何勝手なこと言っている」ということで、(八百比丘尼に不死になる虫を体内に入れられて)あの体になっているんじゃないですか。まあ、死刑の逆ですよね。生きて償え、ということでの、あのおばあさん(八百比丘尼)の判断だと思うんですけど。

 -海老蔵さん以外にも山崎努さんや田中泯さん、斬られ役で有名な福本清三さんらベテランの役者さんも多く出られてますね。

 ★木村 ああいう諸先輩方が現場に立つ立たないというのはきっとご本人の中でのジャッジが大きいと思うんですよ。それを、「行く」というジャッジを下してくださったことにまず感謝です。諸先輩方がいろんなルートを作ってくれているから、今の自分たちがそれに続くこともできている。彼らと一緒の作業ができるというのは、刺激になりますし、恵まれているなと思います。

 -三池監督との仕事は?

 ★木村 今回が初めてです。漫画として存在しているものを引き受けた覚悟を感じましたし、その監督の覚悟に対して三池組全体が本気で向き合っているという印象を感じましたね。ただ、監督からはクランクインからクランクアップまで一言も言われていないんです。それはちょっと、僕の中では残念なポイントだったんですけど。なんかこう、エサを待つひな鳥じゃないですけど、「何を言われるだろう」「何か言ってくれるかな」みたいなものがあったんですけどね。

 -続編があったら?

 ★木村 三池監督がもう一度メガホンを取るのであれば駆けつけますけどね。必要とされればですけど。

 ▼きむら・たくや 1972年11月13日生まれ、東京都出身。88年に結成し昨年解散したアイドルグループSMAPのメンバーとして時代を引っ張ってきた。歌やバラエティー、CMだけでなくテレビドラマや映画、舞台など俳優としての活動も多い。時代劇映画の出演は「武士の一分」(山田洋次監督、2006年)に次いで今作が2作目。


=2017/04/23付 西日本新聞朝刊=

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