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こいつに向かって100%本気で歌う シンガー・ソングライター 竹原ピストルさん

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 ニューアルバム「PEACE OUT」を4月に発売したシンガー・ソングライター、竹原ピストルさん。曲や、映画「永い言い訳」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した演技そのままの熱さと、温かく謙虚な語り口が印象的でした。

 -新作は、会心の一作だとか。

 ★竹原 初めての人にはこれから聴いてくれと自信を持って言えるし、前から応援してくれる人には集大成として聴いていただきたいし。でも、毎回思ってるんすけどね最高傑作だって!

 -1曲目の「ドサ回り数え歌」、全国津々浦々をライブで回る竹原さんならではの曲です。

 ★竹原 岩手県の久慈という町で、無性に切ない心境になって楽屋でブォッて完成させた曲。年季の入った女性の声を想定してましたが、自分で歌いました。

 -曲作りの時以外にも、旅先でできる時もあるのですか。

 ★竹原 100%旅先です。作ろうと思って作ることがないし、できない。移動中に歌詞が浮かんで「今日こんな詞を書いたんですけど聞いてください」って朗読で発表して口になじませて、それから曲を付けだす。で、リハーサルで練習、アンコールで試し打ちして、作っていく感じです。

 -お店のマスターやママに歌いかける曲「ママさんそう言った」など、竹原さんの曲は対象が明確だと感じます。

 ★竹原 万人に歌おうとすると、身の丈に合わなくなってくるんすよね。壮大なものをきっちり乗りこなせる人間ではない。ならば例えば酒を飲んでる状況で「おまえな、何が何でも死んじゃだめだぜ生きていこうぜ」なら言えるじゃないですか。こいつに向かって100%本気で歌っている体で、聴いてくれた人が、何かを感じてくれたなら。結果として万人に伝えたいんすよ。

 -竹原さんの歌詞は魂を伝えるための曲と感じる。言い尽くせないほど言葉があふれる曲もある。

 ★竹原 短歌俳句みたいにシンプルなフレーズで感情や景色を伝えられる人もいるから、そういう曲も作りたい。でも、どうしても連ねちゃうんですよね…。

 -CM曲「よー、そこの若いの」やドラマ「バイプレイヤーズ」主題歌「Forever Young」はシンプルな曲ですよね?

 ★竹原 そうですよね。それ意識してることなんすよ。なんか覚えちゃうみたいな曲。言葉の意味は分からなくても、聴いて気持ちよかったり楽しかったり、そういう歌もある。だったらそういうのも書いてみたいんすよねー。

 -「バイプレイヤーズ」のエンディングは光石研さんら名優6人の横で弾き
語り、いい余韻でした。

 ★竹原 ほんとすか。もう二度と味わいたくない緊張を強いられましたけど(笑)。

 -すごい顔ぶれですからね…。

 ★竹原 そりゃそうですよ。寺島進さんは昔からお世話になってて、「おぅピストルよぅ! なんでおまえのために俺たち残んなきゃなんねぇんだ」ってからかわれて変な汗かきました(笑)。

 -名優と言えば西川美和監督の映画「永い言い訳」、竹原さんも作品ぴったりの名演技でした。

 ★竹原 原作読んで、こんな種類の痛みや悲しみを描ける人はいないって感動して。これ書いた人に会いてぇつってオーディションに行ったから、役に決まったときは正直びびったっす。西川監督だから小細工は見抜かれると思ったし、逆に全て計り知ってくれる安心感もあったし。でも緊張がすごかった。(主演の)本木雅弘さんにすげえかわいがってもらってバランスが取れた気がします。

 -現実世界でもいい出会いになったんですね、あの2人は。

 ★竹原 本木さんが歌も気に入ってくださって福岡のライブに来られたんですよ。東京の日程が合わなくて。何も知らされずに、でも歌ってる途中でパッとPAブースを見たら、明らかに本木さんのシルエットがシュッて見えて。ふぁっ!て歌詞飛びそうになるくらいびっくりした(笑)。


 ▼たけはら・ぴすとる 1976年千葉県生まれ。99年にデュオ「野狐禅」を結成、2003年にメジャーデビュー。09年の解散後はソロで活動。役者として熊切和嘉監督、松本人志監督作品に出演。ツアーを9月6日長崎市、7日佐賀市、9日熊本市、10日大分市、12日宮崎市、13日鹿児島市、15日鹿児島県奄美市、12月12日福岡市で行う。キョードー西日本=092(714)0159。


=2017/06/11付 西日本新聞朝刊=

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