憑依すると大胆になれる 舞台「関数ドミノ」に出演 瀬戸康史さん

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 ふくおかフィナンシャルグループのCMでさわやかな印象を振りまいている俳優、瀬戸康史さんがこの秋、舞台「関数ドミノ」に出演します。純粋でさわやかなイケメン、という世間のイメージを裏切る役柄に挑戦する瀬戸さんは福岡県嘉麻市出身。今作は九州3都市を巡演しますが、ある街とは意外な縁があるそうです。

 -最近、至る所で瀬戸さんの顔を見かけます。話題の舞台やドラマにも出演。ぐいぐい来てますね

 ★瀬戸 福岡銀行を始め、チョーヤや花王のCMでみなさんの目に触れる機会が増えて、街で声をかけられる機会も多くなりました。ドラマでも役との出会いがあり、ありがたいです。

 -舞台「関数ドミノ」は劇団イキウメの代表作。スピードを出した車が歩行者にぶつかる数センチ手前で透明な壁に衝突したように大破した奇妙な事故を、当事者や目撃者が検証していく中で、不思議な現象に見舞われる群像劇です。

 ★瀬戸 イキウメの前川知大さんが書く、非現実的なSF世界の中にリアルがちりばめられた世界観が前から大好きなんです。自分自身や世の中を俯瞰(ふかん)できて、今のままでいいのかなって見つめ直せる。今作もそんなところがある作品です。

 -演じるのはネガティブな感情に支配されている男、真壁。瀬戸さんのイメージと違いますが。

 ★瀬戸 いやいや、僕も人間ですから、嫉妬心やねたみの感情はあります。イメージと違う役をもらうのは試練でもあり、不安もあるけど、役者をやっていて面白いのは見る人を裏切ること。今回のテーマの一つですね。

 -最近はイキウメ前川さん「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん「陥没」と話題の舞台への出演が続きました。鍛えられましたか。

 ★瀬戸 まず演出家の期待に応えるのが一番にあって、(演出意図を)理解する速度、処理能力は鍛えられた気がします。例えばケラさんが1言ったものを10通りの考えを巡らせてやる。二つの舞台は役が憑依(ひょうい)する感覚を初体験しました。

 -憑依ってどんな感じですか?

 ★瀬戸 ふだん演じるときが瀬戸康史半分、役が半分だとすると、9対1くらいで役が占めて体を貸してる感じ。すごく大胆になれたり、思っても見ない行動をしたり、って感じでした。

 -ところでイキウメ的な超常現象って信じますか?

 ★瀬戸 実は霊感が強くて子どものころから見えるタイプです。だから信じます。見えるんですよ。子どもの頃は白と黒の影だったけど、二十歳過ぎてからは人の形で見えた。怖いときも怖くないときもあります。「遠野物語」では幽霊が見える役をもらって、びっくりしました。

 -地元福岡での舞台は2年前、高橋一生さんとの「マーキュリー・ファー」以来です。

 ★瀬戸 あのときは演出の白井晃さんがめちゃめちゃ厳しくて、「芝居だけど芝居すんな」ってずっと言われて意味が分かんなかった。物語の世界観も難しくて段取りやせりふ量もすごかった。でも、そういうのもひっくるめてモノにしろ、それが役作りだっていうのが白井さんのメッセージだったんだと思います。

 -今回、福岡は北九州と久留米での公演。地元で舞台に立つのは気持ちも違いますか。

 ★瀬戸 両親や地元の友達も来るので空回りしそうな気がして怖いんですけど、成長した姿は見てもらえるかな。実は僕、久留米の聖マリア病院で生まれたんです。育ったのは嘉麻市だけど、生まれたとこですから、楽しみです

 -もうデビューから12年。

 ★瀬戸 あっという間です。もう来年30ですよ。この顔で30ってあんまり信じてもらえないんですけど(笑)。いつになったら大人になれるんだろうって。

 -この秋はテレビも映画も、出演作が盛りだくさんですね。

 ★瀬戸 いろんな瀬戸を見てもらえる。でも生で見られるのはこの舞台。劇場で待っとうけんね!

 ▼せと・こうじ 1988年5月18日生まれ、福岡県嘉麻市で育つ。2005年に俳優デビュー。この秋は高校教師を演じるテレビドラマ「先に生まれただけの僕」、映画「ナラタージュ」「ミックス。」と出演作が相次ぐ。舞台「関数ドミノ」は10月21日午後6時と22日午後1時=北九州市の北九州芸術劇場、24日午後6時半=大分市のホルトホール大分、26日午後6時半=久留米市の久留米シティプラザ。チケットは一般7500円など。ワタナベエンターテインメント=03(5410)1885。


=2017/10/01付 西日本新聞朝刊=

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