若松はブルースが似合う町でした ドラマ「YouMayDream」のシーナ役 石橋静河さん

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 日本を代表するロックバンド「シーナ&ロケッツ」の青春時代を描くNHKドラマで石橋静河さんが主人公シーナさん(2015年死去)を演じます。父親の石橋凌さんはシナロケの鮎川誠さんと同じ福岡県久留米市出身。福岡での撮影は自分のルーツを探る旅でもあったようです。

 -シーナ役のオファーが来たとき、どんな感じでしたか。

 ★石橋 わくわくしました。シナロケの存在は知っていたけれど、音楽はちゃんと聴いたことがなくて、シーナさんも鮎川さんもちょっと怖いけれど優しそうな人たちというイメージでした。

 -撮影前にライブを聴きに行ったそうですね。

 ★石橋 ええ。下北沢(東京)のライブハウスで。ライブが終わった後、鮎川さんと少し話しました。すごく温かくて優しい人。娘さんからシーナさんはいろんなアートにアンテナを張り「しゃべる言葉がキャッチコピーのようだった」と聞きました。

 -ファンも多い実在の人物を演じるのは大変だったのでは。

 ★石橋 強烈な個性とイメージがある方なので、ものすごいプレッシャーだった。でも、すてきな音楽を残して人をハッピーにした部分を表現したいと思いました。

 -お父さんから助言は。

 ★石橋 思い出を話してもらったけれど思い出せない(笑)。「愛のある人だった」と話してました。父は同じロックをやってきた人なので、私にはそういうルーツがあるなと感じていて、鮎川さんが書かれた「’60sロック自伝」で勉強しました。ビートルズやローリング・ストーンズを同時代で経験し一緒に育ってきた人たちの音楽は面白い。当時はどんな感覚だったんだろうと想像しました。

 -福岡生活はどうでしたか。

 ★石橋 もともと福岡には祖母がいるんでよく来ていました。でも、今回のように長く滞在したのは初めて。ごはんがおいしいし、からっとして明るい人が多くて好きです。シーナさんの故郷の若松(北九州市)は工場のある街並みとかブルースのような音楽が似合う格好いい場所でした。

 -ドラマの見どころは。

 ★石橋 シーナさんは中学生で家出とか冒険があるし、鮎川さんとの出会い、70年代の音楽、昔のかわいいお洋服も出てきます。

 -あの時代は熱気もある。

 ★石橋 若い人のエネルギーがあふれていた時代で、新しいものを作ろう、前に進もうという力がすごい。追体験できてよかった。シーナさんを演じるのはエネルギーが必要だけど、それがつらくないというか自分の中から元気が湧くような感じでした。

 -ダンサーからの転身ですね。

 ★石橋 クラシックバレエを4歳で始めて、15歳から米国のボストン、カナダのカルガリーに留学して、帰国後、邦画を見るようになったんです。自分が生まれた国をちゃんと知っておきたいと思って。園子温監督「ヒミズ」のメイキングとかヤン・ヨンヒ監督「かぞくのくに」とか面白い作品が多くて、それで映画の世界に。

 -母は女優原田美枝子さん。両親と同じ道へ進むのに葛藤は?

 ★石橋 子どもの頃は親の姿を見て大変そう、私はやめておこうと思ってました。でも、両親と関係のないところで映画の面白さを知り、自分からやりたくなった。バレエは型があるけれど、お芝居は正解がなくて難しいですね。

 -オフの過ごし方は?

 ★石橋 映画を見たり音楽を聴いたり。音楽は満遍なく聞いていて、(忌野)清志郎さんとかビートルズ、ニーナ・シモン、ジョニ・ミッチェルが大好きです。あとは旅! 去年の夏はキューバでした。ニューヨークに行き、向こうの知り合いからいいよと言われ、リュック一つで。あちこちの路上で踊る人、歌う人がたくさんいて音楽があふれている場所でした。

 -意外と行動派ですね。

 ★石橋 多少英語が話せるようになっていろいろ行きたいなと思うようになりました。また、気まぐれな一人旅をしたいですね。

 ▼いしばし・しずか 1994年生まれ、東京都出身。2013年からコンテンポラリーダンサーとして活動し、15年俳優業に進出。昨年は「夜空はいつでも最高密度の青色だ」で映画初主演し、数々の新人賞を獲得。熊本で撮影された映画「うつくしいひと サバ?」では流麗なダンスを披露した。NHKドラマ「You May Dream」は3月2日夜放送予定。

=2018/02/11付 西日本新聞朝刊=

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