藤木直人が子役を絶賛「あの歌がなかったら…」 映画のアフレコで共演

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 上映中の映画「リメンバー・ミー」は、主人公の少年ミゲルが「死者の国」に迷い込む物語で、「家族の絆」がテーマです。日本語版は俳優の藤木直人さんがミゲルの相棒であるガイコツ、ヘクターの声を吹き替えました。一見陽気なのに孤独も抱える難しい役。3児の父である藤木さんは自分の家族も意識しながら挑みました。

 -ヘクターを演じる上で苦労したことは何ですか。

 ★藤木 ヘクターは陽気でうさんくさくて何者なんだろうっていうキャラクター。ミゲルと出会う場面から撮り始めたのですが、どうしても真面目になって、何か考えている人物に見えてしまって表現が難しかった。

 -家族に対するヘクターの強い思いが伝わってきました。どんな工夫をして演じましたか。

 ★藤木 自分も家庭があり、親なので共感できた。子どもはどんどん大きくなって変わっていく。この瞬間の子どもたちには、もう会えないんだなっていう思いを手助けに演じていましたね。今回はメキシコの祭礼「死者の日」がテーマで、祭壇に家族の写真を飾るのがポイントだったので、僕も台本を置く譜面台に自分の子どもたちの写真を飾って、その前でアフレコに臨みました。出演が決まり、子どもたちが喜んでくれるとも思った。

 -ミュージシャンを夢見るミゲルは現実との間で葛藤する。その気持ちも理解できたのでは。

 ★藤木 僕も高校生の時にギターを覚え、ギタリストになりたかった。結局音楽だけでは通用しなかったなっていう思いがあるので、その夢は挫折してますが、最初に思い描いていたことだけがすべてではない。僕を支持してくれるファンがいて、ライブをする機会があり、そこでギターを弾けるのは本当にありがたいこと。昔は音楽だけで成功した人に憧れたけど、そうじゃない音楽との付き合い方、楽しみ方がある。夢の半分はかなったかな。

 -本作は、アカデミー賞の長編アニメーション賞と主題歌賞を受賞しましたね。

 ★藤木 スゲー!って思う半面、こちらのハードルも上がった。不安はあります。もう頑張りようはないですけど。受賞が決まってからアフレコをしていたら、プレッシャーに押しつぶされていただろうな(笑)。

 -本作の見どころは?

 ★藤木 映像が美しい。メキシコの「死者の国」への思いが、日本の黄泉(よみ)の世界とは違ってカラフルなところを見てほしい。石橋陽彩(ひいろ)君(ミゲル役)の歌も素晴らしい。あの歌がなかったら作品は成り立たなかった。ストーリーが素晴らしいので、お子さんだけじゃなく、大人も感動できる泣ける作品です!

 -大好きなイチロー選手が古巣のマリナーズに復帰しましたね。

 ★藤木 僕らファンも思い入れのあるチームなので喜びはありますけど、野手にけが人が続出したからっていう複雑な事情をはねのけてレギュラーの座をつかんでほしい。イチローさんの圧倒的な才能、野球にかけるストイックさや美しさに魅力を感じています。

 -大河ドラマ「西郷どん」では、江戸幕府の老中首座、阿部正弘を演じました。

 ★藤木 学生時代理系だったっていうのを言い訳にしてるんですけど、不勉強で阿部正弘という人物を知らなかった。いろんな資料を読んで、こういう人がいたからこそ開国の道ができたんだって思った。ただね、志半ばで亡くなったので無念だっただろうし、もし病気にならずに活躍していたら、日本はもっと早く違う形になっていたかもしれないですね。

 -理系の研究者になろうとは思わなかったんですか。

 ★藤木 将来どんな仕事をしたいという夢もなく、大学4年間でギタリストへの切符を手に入れることができたらっていう思いで進学し、これからはコンピューターだって考えて情報工学を研究しました。父は会社勤めだったんで、大学4年で映画デビューが決まった時はショックを受けてたんですよ。だけど、「子どもの夢には反対できないから分かった」って言ってくれたんです。

 ▼ふじき・なおひと 1972年7月19日生まれ。千葉県出身。早稲田大理工学部情報工学科卒。在学中の95年、映画「花より男子」でデビュー。「ナースのお仕事」「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」など数々のテレビドラマに出演。音楽活動は99年にCDデビューし、2006と07年に日本武道館で単独ライブを行った。

=2018/04/14付 西日本新聞朝刊=

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