ROCK魂で再加速 11・26「6周年特別記念公演」

HKT48の6周年特別記念公演で「RIVER」を披露するメンバー
HKT48の6周年特別記念公演で「RIVER」を披露するメンバー
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 11月末、福岡市中央区の西鉄ホールで開かれたHKT48の「6フェス ~LOVE&PEACE!ROCK周年だよ、人生は…~」。26日は「6周年特別記念公演」が行われ、劇場支配人・指原莉乃の「帰還」で3日間のイベントの幕を閉じた。終演直前には、4期研究生の全員昇格と劇場公演の一部刷新も発表。「ラッキーセブン」の7年目を迎えるグループは、名実ともに「新体制」で再スタートを切る。イベントのテーマに掲げた「ROCK魂」は、グループを再加速させるエネルギーとなるか。未来への決意と覚悟がにじんだ「記念日」を振り返る。 (古川泰裕)

 「6周年だぜーっ!」

 「Overture」に続き、メンバーの声がホールに響き渡る。期待をかき立てるバスドラムがリズムを刻み、「ロックだよ、人生は…」の歌い出しとともに、1期生と指原莉乃がステージに躍り出した。「それでは皆さん行きますよ!」。HKTのライブでは欠かせぬ定番。威勢のいい指原の「あおり」が、この日もさく裂する。STU48劇場支配人との兼任を前日解除され、HKT専任を宣言した「最後の1ピース」。48人全員が、跳びはね、拳を突き上げた。

 白と黒のボーダーのスカートに、グループ名がプリントされたTシャツという懐かしい衣装の1期生は「スカート、ひらり」を披露。2期生が「前しか向かねえ」で力強い歌声を響かせ、3期生も「青くさいロック」ではじけるようなパフォーマンスを見せると、指原はドラフト生、4期生と「マジスカロックンロール」。

■「7周年は専用劇場で」

 「STUのコンサートがすごく楽しかったからこそ、今、HKTでもう一回頑張って。来年はみんなで特番にいっぱい出て、7周年は専用劇場で迎えられるように頑張りましょう」

 オープニングの4曲を終え、指原がそう呼びかけると、客席から大きな拍手が送られた。

    ◇    ◇

 振り返れば「逆風」が目立った2017年。グループの先頭に立っていた兒玉遥が春先から休養。AKB48選抜総選挙では指原が3連覇したものの、躍進を期待されたメンバーはNGT48などの台頭で苦戦を強いられ、指原も4位の宮脇咲良も「HKT全体としては悔しい」と口をそろえた。欅(けやき)坂46などの「坂道グループ」に注目が集まる一方、HKTファンの愚行が数回明るみになり、それがグループやアイドルそのものが抱える問題であるかのように一部で報じられた。夏の初めには、一部メンバーと指原との信頼関係を揺るがすような出来事も発覚し、ファンからは失望の声も漏れた。HKT48劇場は専用でないため、「休館」が続くことも。それでも下野由貴や上野遥、岩花詩乃らはパフォーマンスに磨きをかけて一回一回の公演に臨み、グループを支え続けていた。

 そんな中で光明となったのは、3期生を中心としたフレッシュメンバー「F24」の奮闘。「もう一つの劇場」ガスホールでのイベントではエネルギッシュなパフォーマンスを見せ、博多座での2デイズライブも成功。「逸材ぞろい」と評される4期生も着々とファンを増やしており、総選挙初参戦ながら79位に入った豊永阿紀を筆頭に、グループに新たな風を吹かせた。

 がむしゃらに進もうとする後輩たちの勢いに押されるように、グループが少しずつ息を吹き返す中で行われた、真夏の「TOKYO IDOL FESTIVAL」。「いろいろあってもうだめだと思ったけど、こんなにお客さんが来てくれてうれしい」。指原がステージで流した涙を再出発の合図のように、明るいニュースも届き始めた。

 村重杏奈発案の「村重選抜」がきっかけとなって深川舞子にスポットが当たり、名曲「恋するRibbon!」が誕生。森保まどかは百貨店の開店20周年企画の顔となり、兒玉は8カ月ぶりに涙の劇場復帰。笑わないアイドル「fairy w!nk」の荒巻美咲と運上弘菜は、AKB48グループのじゃんけん大会で優勝、メジャーデビューの権利を勝ち取った。誰もが待ち望んだ「1stアルバム」の朗報が飛び込んだのは、2人の快挙から約1カ月後、11月1日深夜だった。

■1期生からにじむ覚悟

 11月25日。西鉄ホールが「ロック歌謡ショー」で大いに盛り上がっていたころ、STU48のコンサートツアー広島公演では、兼任を解除された指原が決意を新たにしていた。「HKTと、もう一度向き合う」。それは指原だけに科せられた十字架なのか。さまざまな「逆風」に耐え、悲願の一つが果たされる今こそ、全メンバー、そしてファンも、もう一度「HKT48」と向き合う時なのかもしれない。

    ◇    ◇

 翌26日。「fairy w!nk」の「天使はどこにいる?」が初めて披露され、特別公演も終盤に差し掛かった西鉄ホール。疾走感あるイントロとともに、2期生による「スクラップ&ビルド」が始まる。センター・田島芽瑠の瞳に強い光が宿り、湧き上がる高揚感が劇場を包んでいった。

 「未来は与えられるより、自分で切り拓(ひら)こう」

 「改革の鉄球を振り下ろせ!」

 力強いフレーズに応えるように、暗転したステージに咲良のかけ声が響く。

 「HKT-48!」

 48グループにとってひときわ特別なナンバー「RIVER」。髪を振り乱し歌い踊る1期生と指原の姿から、未来への覚悟と決意がにじんで見えた。

 「君の目の前に川が流れる。広く大きな川だ。暗く深くても、流れ速くても、怯(おび)えなくていい。離れていても、そうだ、向こう岸はある。もっと自分を信じろよ!」

 今月27日に万感の思いを詰め込んだ1stアルバムが発売され、年明けには第3回AKB48グループドラフト会議が開かれる。新たに加わるであろう仲間とも、手をつなぎながら目指す「向こう岸」に何が待っているのか。未来を切り開く底力が今、試されている。

■チームHは「RESET」チームK4は「制服の芽」に変更

 アンコールでは、4期研究生の昇格とともに劇場公演の一部刷新も発表。「シアターの女神」を上演中のチームHはAKBチームKの「RESET」に、「最終ベルが鳴る」を上演中のチームK4はSKE48チームSの「制服の芽」に変更する。「制服の芽」をSKE以外のチームが行うのは初めて。いずれも初日日程は未定だが、チームHキャプテンの松岡菜摘は「みんながひとつになれるような、カチッとしたものをしたいと思った。(豊永)阿紀ちゃんも入ったので、また違うHを見せたい。もっと明確な『Hの色』を見つけられたら」と腕まくり。K4キャプテンの本村碧唯も「今より踊らなくなると成長できなくなるので、楽しくてわちゃわちゃできる公演がしたいと思った。けがに気をつけて頑張りたい」と意気込んだ。

 また、チームを限定せず18歳以上が出演する公演として、SDN48の「誘惑のガーター」を、新たに17日からスタートさせることも発表した。SDNは「SaturDay Night」の略で、原則土曜日の夜に「セクシー路線」の公演を実施していたが、2012年にメンバーが全員卒業。「誘惑の-」もちょっぴり「オトナ」な振り付け満載だが、「孤独なランナー」など根強い人気を持つ曲も含まれており、レベルの高いパフォーマンスが要求される。松岡は「ここ数年でHKTも成人メンバーが増えた。秋元(康)先生に『あんまりエロくするな』って言われてるみたいなので、HKTなりのSDNができたらいいなと思う」と話していた。

=2017/12/08付 西日本スポーツ=

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