HKT48 1stアルバム「092」発売 曲の数だけ思い出いっぱい 泣いた笑った 大人になった

初アルバム「092」のサインを作るHKT48の(左から)植木南央、兒玉遥、森保まどか(撮影・軸丸雅訓)
初アルバム「092」のサインを作るHKT48の(左から)植木南央、兒玉遥、森保まどか(撮影・軸丸雅訓)
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HKT48のこれまでの思い出を語る(左から)森保、植木、兒玉
HKT48のこれまでの思い出を語る(左から)森保、植木、兒玉
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 先月27日、ついに発売されたHKT48の1stアルバム「092」。全シングルの表題曲がずらりと並ぶ1枚目と、カップリングに新譜5曲を加えた2枚目で構成されており、収録曲の異なる4タイプを合わせると、計51曲という文字通りのベスト盤だ。特典映像では東映とタッグを組み、48人の監督が48人のメンバーを主演に48作の短編映画を撮り下ろすという豪華さ。聞いて、見て、何度でも楽しめる「名刺代わり」とも言うべき作品となった。この「集大成」にたどりつくまで約6年、シングルにして10枚。グループもメンバーも「山あり谷あり」だった。選抜、非選抜、選抜内での序列や総選挙…。歌ってきた曲の分だけ、思い出がある。「あのころ、私は…」。1期生の植木南央(20)、森保まどか(20)、そして先月27日に活動休止を発表した兒玉遥(21)が、シングル曲に沿ってグループの歩みをたどった。

 2日間にわたってお届けする新年号特集。初回は1作目の「スキ!スキ!スキップ!」から7作目の「74億分の1の君へ」までを振り返る。(インタビューは先月16日に収録) (古川泰裕)

(1)「スキ!スキ!スキップ!」13年3月20日発売 どれだけ個性出せるか必死

 植木「懐かしい…このジャケット写真」

 兒玉「こういうワンポーズのジャケット写真でも、どれだけ個性を出せるか必死でした。立ち方とか、みんなとかぶらないように頑張ろうとか、一つ一つに必死だったのを覚えてます」

 植木「カラオケで歌うと、珍しく本人映像が流れるんですけど、実は植木で始まり植木で終わるんですよ。植木メインではなくて(田島)芽瑠の後ろにボンヤリ植木が映ってるとこから始まり、終わりも植木が変な顔で映ってます。それがうれしくて、友達とカラオケ行ったとき『ほら、南央!』って、めっちゃ言ってました」

 森保「MV(ミュージックビデオ)撮影すごく楽しかったです。それまで撮影の経験とかもそんなになかったけど、さっしー(指原莉乃)が『こういう感じでやるから、みんなこうしてね』みたいな、そういう段取りも全部楽しかったです」

 -初披露は

 兒玉「(東京の)よみうりランド(でのイベント)かな? 1stシングルなのに会場全体にお客さんがいて、こんなに集まるんだって感動したのを覚えてます。思った以上に集まってくださって。うれしかったよね」
植木「あの時は、まだ選抜に選ばれるありがたみが分かってなかったな…。何も考えてなかったです。コメント求められても広がらないことばかり言ってたし、『選ばれた、やった!』って感じじゃなかった。今だから言えますけど」

(2)「メロンジュース」13年9月4日発売 選抜落ちて泣きながら電話

 -植木くんが(選抜に)いなくなった…

 植木「『いなくなった』って言わないでください(笑)。『メロン』は選抜発表の仕方が独特だったんです。今までは『誰々』って(口頭で)発表されてたんですけど、コンサートの資料を渡されたら新曲で出るメンバーに印がついてて、ない人が選抜落ちだった。みんなそれを見て気付いたらしいんですけど、私はそこまで見てなかったので、帰り道でも今まで通りテンション高かったんですよ。落ちた人はテンション低くて『なんであんなに元気なんだ』と思ってたらしく…次の日学校で、当時同じクラスだったりーぬ(熊沢世莉奈)と(中西)智代梨から聞いて『あぁっ…』って。最悪な知り方(笑)。そこから、あからさまに元気なくなりました」

 -初披露はヤフオクドームで行われた篠田麻里子さんの卒業ライブ

 兒玉「そうだった!」

 -ジャケ写撮影で芽瑠ちゃんとはるっぴ(兒玉)の立ち位置が入れ替わり、すごい空気になった

 兒玉「そうそう」

 植木「忘れられないエピソードがある(笑)。私、選抜落ちてめちゃめちゃ落ち込んでたんですよ。当時は何かあったら、すぐマネジャーに相談するっていうのがあったので、泣きながら夜中に電話して『悔しいです』みたいなことを言ったんです。そしたら『はるっぴの方が悔しいだろ』って言われて『あっ、そうですね』って(笑)」

 -何も言えねぇ(笑)

 植木「何も言えなかったです(笑)。泣いて悔しがるメンバーに、そんな言葉かける? 鬼過ぎる(笑)。6年間、根に持ってる(笑)」

 -それだけ、はるっぴはつらい状況だった

 兒玉「本気で悔しがってましたね。子どもだったのもあるんですけど、ひとつの物事があると、そのことしか考えられなくなるから…。『今までやってきたのに、何で?』みたいな気持ちが、その頃は強かったです」

 植木「しかもそこにさ、『そこで何を考えるか?』がカップリングで入ってるっていう…」

(3)「桜、みんなで食べた」14年3月12日発売 「なこみく」スター感すごい

 -初披露が九州7県ツアーの長崎ブリックホール。森保さんの初凱旋(がいせん)だった

 森保「病気を併発して死んでた(笑)」

 植木「よく出たね」

 森保「だから記憶がないんだと思う(笑)」

 -ここから選抜に3期生が

 兒玉「『なこみく』(矢吹奈子、田中美久)の『新スター』感がすごかったな。すごい子たちが来た!って感じだった」

 -奈子ちゃんも美久ちゃんもまだ緊張してた

 兒玉「全然おしゃべりじゃなかった」

 植木「仕事の帰り、車から降ろされる場所が美久りんと一緒だったんですけど、小っちゃいし外も暗かったから心配だなと思って、途中まで一緒に帰ってたんですよ。そしたら、歩いてる途中で手をつないできて!」

 兒玉「かわいい…!」

 植木「やられましたね、その瞬間に。その日のうちに『みくりん好き』ってSNSに書きました(笑)」

 森保「チョロすぎない(笑)?」

 植木「『こりゃあすごいやつが来たな』と思いました。普通、そういう子たちとは最初、距離を置きがちだったりするけど、その日のうちに宣伝しちゃった」

 森保「そのころから“釣り師”だったんだね」

 植木「天性の“釣り師”だよ」

 兒玉「いっぱいエピソード持ってるねぇ」

(4)「控えめI love you!」14年9月24日 ずっと高いヒール履いてた

 -はるっぴがセンターに返り咲いた

 兒玉「発表される前に撮影とか全部終わってたから『やった!』と言うよりは、周りの反応が怖くて緊張してました。もし、また…またというか、いろんな人の意見があるだろうから、どんなふうに言われるんだろうと思ってたら、歓迎してくれた人が多かったので、ほっとしてました」

 森保「初めて3列目で、すごく悔しかった。序列下から3、4番目くらい。すごく悔しくて、ずっと高いヒール履いてました(笑)。ただでさえ身長高いのに、ヒールにインソール入れたりしてました。ミュージックステーションに出たときも、誰がしゃべったとかしゃべらなかったとか、座りの位置とか、HKT全体でいろいろあった。今でこそ落ち着いてグループのことを考えて受け止められるけど、その時は自分のことで精いっぱいだったから。空気が良くないな、みたいな時も、正直ありました」

 植木「選抜発表が夜にホテルの朝食会場であったんです。その後、選抜に入れなかった南央と若ちゃん(若田部遥)、せりーぬ(熊沢世莉奈)と田中菜津美で、部屋に集まって『悔しいね』って泣いてたんです。でも1期生って、心のどこかで『はるっぴがセンター=HKT48』みたいな感じがあるんですよ。だから、そこは救いでした。悔しいけど、うれしいねって(笑)」

 兒玉「えー! 泣ける!」

(5)「12秒」15年4月22日発売 選抜のありがたみ感じた

 -全国ツアーの沖縄で初披露。植木くんが選抜復帰

 植木「うれしかったです…」

 -泣いてる?

 植木「泣いてないです。泣きそうになるんでやめてください(笑)」

 -ステージで祝福され涙

 植木「そこで初めて選抜のありがたみというか…『スキップ!』のとき感じなかった喜びがありました」

 -あのころ森保は

 森保「このあたりは結構悔しい思い出ばっかり。『めるみお』と『なつまど』で明暗があって、芽瑠となっちゃん(松岡菜摘)が1列目で、(朝長)美桜と私が2列目の端だったんです。それで、美桜と一緒にMV撮影の時に泣きました。珍しい2人(笑)。立場は違うけど、思うところが一緒なところもあって」

 -はるっぴが宮脇咲良さんとダブルセンター

 兒玉「咲良と2人でっていうのがうれしくて。初期の頃はこの2人で(前に)立ってたので」

(6)「しぇからしか!」15年11月25日発売 自信がつき始めてた時です

 -ロックバンド・氣志團さんとのフィーチャリング

 森保「それまでのHKTは、さわやかだったりかわいかったり、元気だったり、王道のアイドルソングが多かったので『大人っぽい系』のメンバーとしては、うれしかったですね。こういうHKTもあるんだよってアピールできるから」

 兒玉「スタンドマイクで『単独センター』っぽい曲が初めてだったんです。実力不足な面があったのかなって、それまで反省することが多かったんですけど、少しずつ、認めてもらえてるのかなって、自信がつき始めてた時ですね」

 -曲にちなんだドラマもやってた

 兒玉「やりましたね。博多弁で、ヤンキーの」

 森保「マジすか学園0、木更津乱闘編」

 兒玉「今見たら、絶対エモいやろうな(笑)」

 -植木くんはどうした

 植木「いやほんとに、いろいろあってうらやましかったなーと。選抜発表が全国握手会の日で、『12秒』選抜のTシャツ着てたんですけど、選抜に呼ばれず、そっと上着でTシャツを隠しました(笑)。苦い思い出ですね。村重(杏奈)と一緒に選抜落ちたんですけど、最初めっちゃ慰めてくれてたんですよ。で、南央が落ち着いたころに村重がお父さんと電話して『慰められた』って大号泣して。2人で抱き合ってました」

 -個人としてはどんな状況だったのか

 植木「私はこの年、AKB48選抜総選挙で初ランクインしました(72位)。総選挙にランクインして選抜に入ることは多いんですけど、私は選抜に入って総選挙でランクインしたんです。その後で選抜落ちしたんですけど(笑)、選挙の結果が支えでした」

 -はるっぴは

 兒玉「(総選挙は)17位かな。17位なりに、自分に何が足りないのか模索しながら、咲ちゃんとかさっしーを見て頑張ってましたね」

 -森保さんは苦しい結果

 森保「(25位→43位で)ランクダウンでした。悔しかったですね…。(開催場所は)福岡でしたよね? グループの地元でうれしいお知らせができなくて、それがまた悔しかった」

(7)「74億分の1の君へ」16年4月13日発売 真っ白な衣装、好評だった

 植木「この時だけ、記憶がポッカリない…何してたんだろ?」

 森保「音楽番組にけっこう出てました。衣装が真っ白で、すごくかわいくて」

 植木「あぁ、うらやましかったぁ。あの衣装」

 森保「ウエディングソングだったからドレスっぽくて、メンバーにも好評だった」

 植木「(ジャケット写真を見ながら)(松岡)はなちゃんがいるんだ! ここからか。はなちゃんが端っこにいる。はなちゃんとなつみかん(田中菜津美)が初選抜だ」

 森保「そうだ、なつみかん!」

 植木「(はなを見て)端っこにいても輝いとるもんな…」

インタビュー後編はこちら

=2018/01/03付 西日本スポーツ=

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